Into the Storm


2014年8月23日(土)「イントゥ・ザ・ストーム」

INTO THE STORM・2014・米・1時間29分

日本語字幕:でか丸ゴシック体下、アンゼたかし/ビスタ・サイズ(デジタル)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビーATMOSとSDDSも)

(米PG-13指定)
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/intothestorm/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

アメリカ中西部の町シルバートンに、竜巻によって高校生4人が亡くなったという事件を受けて、ストーム・チェイサー(竜巻ハンター)のチームがやってくる。かれらはこれまで3ヶ月間、まったく何も撮れておらず、スポンサーも降りると言い出す始末。どうしても竜巻を撮影しなければならなかった。折しもシルバートン高校では卒業式が行われようとしていた。そして、まず第一の竜巻が発生する。


70点

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 いまさらPOV(主観)? まだやってたの。あれだけ、散々コケにされて、シロート絵だとバカにされて、最低評価だったのに。だからお笑いのデニスを予告に使ったんだ。ほかに売りが無かった。やっぱり。カメラが揺れ動き、見ていられない。酔う。目が回る。内容なんてどうでもいい。どこにもである話で、くだらない。ほとんど頭に入ってこない。感情移入もできない。たぶん、史上最大の竜巻が人々を襲う絵を撮りたかっただけ。なにしろ、公式サイトにさえストーリー、あらすじは載っていないほどだ。でも89分が長い。

 その絵は確かに凄い。見る価値がある。まるで実際の竜巻を撮ったようだ。音響もリアルで立体的。嵐に囲まれたような感じ。轟音は体に振動さえ感じるほど。「ツイスター」(Twister・1996・米)も驚かされたが、まったく目じゃない。デジタルと知りながら、一体どうやって撮ったのかと思ってしまうリアルさ。そして、ストーム・チェイサーたちの乗る特殊車、装甲車のような「タイタス」が素晴らしいデザイン。

 ほかに何もない。せめてカメラを固定で、ちゃんと取ってくれていればこんな脚本でも、そこそこは楽しめる作品になったのではないだろうか。POVだなんて、あきれた。破綻しているところもたくさんある。空撮とか、一体誰が撮ったんだ。そしてPOV だったらフェード・アウトを使うな。肝心なところで絵を見せないで、FOかよ。カメラも、3D撮影できるARRIのALEXA Mで撮影したんだから、最初は3Dにして体感映画にするつもりだったのかも。しかしPOVでカメラ動かしまくりだから、できなかったとか。どうでもいいけど。

 高校の教頭で、兄弟の父親ゲイリーは、ちょっとヒュー・ジャックマン似のリチャード・アーミティッジ。イギリス生れで、イギリスのTVドラマ「MI5英国機密情報部」(Spooks・2002〜・英)シリーズの後半や、「ホビット 思いがけない冒」(The Hobbit: An Unexpected Journey・2012・米/ニュージーランド)シリーズのトーリン・オーケンシールド役で出ている人。

 女性気象学者アリソンはサラ・ウェイン・キャリーズ。第1シーズンは面白かったTVドラマ「プリズン・ブレイク」(Prison Break・2005〜2009・米)のサラ・タンクレディ医師を演じていた人。

 残念な脚本はジョン・スウェットナム。本作の前に「エビデンス-全滅-」(Evidence・2013・米)というホラーを書いている。その評価が低いのに……。

 残念な監督はスティーヴン・クエイル。本作の前に監督したのは惨殺シーンが売りのホラー・シリーズ、しかも3Dという「ファイナル・デッドブリッジ」(Final Destination 5・2011・米/加)1本のみ。さすがにこれはPOVじゃなかったようだが、IMDbで5.9点という低評価。なぜ本作に? プロデューサーにも問題ありのようだ。

 公式サイトではキャストやスタッフの説明がない。よく探したらプロダクション・ノートの中にあった。それって……。

 字幕の文字が大きかったのもビデオっぽくって気になった。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケで確保。当日は11〜12分前に開場。ほとんどが中高年で、若い人たちは少々。女性は1割りほどだった。また、ディザスター・ムービー、いわゆるパニック映画だからなあ。ほとんどドラマもないし。スペクタクル・シーンも、アングルの違う別バージョンのようだが、CM予告で使っていたものがほとんどでは…… 最終的には157席に3〜4割りほどいただろうか。この出来ではこれ以上増えるとは思えない。

 気になった予告編は……明るいまま始まった上下マスクの「記憶探偵と鍵のかかった少女」はタイトルが絶妙でそそられる。はたして内容にそれに見合ったものなのだろうか。キャストも良いし、劇場も良いので、多少外してもOKか。9/27公開。

 上下マスクの「フルスロットル」はポール・ウォーカーの遺作らしいが、脚本がリュック・ベッソン。予告を見た限りではリュック・ベッソンが手掛けた「YAMAKASHIヤマカシ」(Yamakasi - Les samoura不 des temps modernes・2001・仏)+「アルティメット」(Banlieue 13・2004・仏)という感じで期待は薄いが、劇場が良ければ。9/6公開。

 上下マスクの「るろうに剣心 伝説の最期編」は新予告。前編の出来が良かったので、期待して間違いないだろう。「最後」じゃなく「最期」ということは……。半暗になってからもビデオ・メッセージ付きで予告があった。9/13公開。

 上下マスクの「インターステラー」はダメになった地球の変わりになる惑星を探しに行くSF作品のようで、かなり重厚な雰囲気。家族の絆が描かれるようだ。新宿ピカデリーでは上映しないのだろうか? 11/22公開。

 


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