2015年1月24日(土)「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」

WHAT WE DO IN THE SHADOWS・2014・ニュージーランド・1時間25分(IMDbでは86分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、長澤達也/ビスタ・サイズ(表記なし)/音響(表記なし。モノラルっぽい)

(ニュージーランドR13指定、日PG12指定)

公式サイト
http://www.shochiku.co.jp/swv/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

ニュージーランド、ウェリントン。あるTVクルーが、数年に一度開催されるという闇の世界に生きる者たちの舞踏会を取材するため、ヴァンパイアたちが暮らす古い屋敷に、彼らの許可を得て、安全対策を十分に行い十字架をつけて前乗りで乗り込む。その屋敷には379歳のヴィアゴ(タイカ・ワイティティ)、183歳のディーコン(ジョナサン・ブロー)、862歳のブラディスラヴ(ブラド、ジェマイン・クレメント)、8000歳のピーター(ベン・フランシャム)の4人が暮らしていた。ディーコンは渇きを癒すため使い魔として使っている人間のジャッキー(ジャッキー・ヴァン=ピーク)を使い、若い人間の男女をディナーに招く。ところが、どちらもデーコンの希望したバージンではなく血を吸うのをやめるが、ピーターが男のニック(コリ・ゴンザレス=マクエル)に手を出し、しかも自分の血を飲ませてヴァンパイアにしてしまう。そうこうしているうちに、舞踏会の招待状が届く。

70点

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 うーむ、これは... 最初からコメディと知っていて、大いに笑っても良くて、なんでも笑ってやるぞという気で見れば笑えるのではないだろうか。ボクは合わなかった。コメディのセンスがないのかもしれない。ほとんど笑えなかった。2人連れで来た若い女の子がちょっと笑っていただけ。英語がわかる子だったのだろう。ただIMDbでは7.6点の高評価。

 たぶん、セリフや会話が楽しめるのではないだろうか。しかし英語がわからないとその微妙な線がわからない。血を吹いて人が死んでいるのに、ゲラゲラ笑うというのはどうにもなじめない。しかも全体を通して筋のようなものがなく、ドキュメンタリー風を装っているのだろうが、起承転結がなく、結局何も起きない。ドラマツルギーとしてどうなんだろう。きっと陰でうごめく者たちの日常を切り取ったという感じ。85分が長く、退屈で何度か気を失いそうになった。眠い。

 TVのバラエティ番組のコントなら十分設立すると思う。特にお笑いの人たちを使えば、日本ならもっと面白く作れると思う。SFXに関してはワイヤーがメインとしても少しはお金がかかっている感じがするものの、映画としてはどうなんだろう。当然、手持ちカメラがメインで、それを強調するため大げさに動きまくり。目が回る。第三者が撮った設定でも、やっぱりPOV(主観)撮影作品はダメだなあ......。その手法自体が新鮮だった「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(The Blair Witch Project・1999・米)のころから、POVで撮った作品に成功作なんてないのではないだろうか。日本語タイトルも、ウケねらいで人気のT Vバラエティをパクったようで気なるし。

 コメディだからと甘く考えているのか、矛盾も多い。ボクは気になってしまった。そうなると余計に笑えない。我々の存在をやたらに人に言うなと言っていながら、T Vのクルーが入って撮影しているという設定。口コミなんかよりずっと多くの人に知られるだろうに。我々は鏡に映らないとか言って、グラスを持つとグラスが空中に浮いているだけって、服とか装飾品は映るだろう。それより何より、カメラの目の前で殺人が行われているのに、誰も止めず撮り続けるなんて。設定に無理がある。

 ニュージーランド映画で、しかもコメディということから、出演者はほとんど日本で馴染みのない人ばかり。監督・脚本・出演の3役をこなしたのは2人。タイカ・ワイティティとジェマイン・クレメントの2人。

 ちょっとメル・ファーラーに似ている感じもするタイカ・ワイティティは、アメコミ映画化の中でも指折りに残念な「グリーン・ランタン」(Green Lantern・2011・米)に出ていた人。どこかで見たような気がしたが、あの作品では印象に残らない。

 ジェマイン・クレメントもどこかで見たような人。ちょっとベニチオ・デル・トロに似ているからかもしれないが、「メン・イン・ブラック3」(Men in Black 3・2012・米)の悪党の親玉、ボリス・ジ・アニマルを演じていたと。

 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで確保。当日は10分前くらいに開場。20代くらいから中高年までいたが、メインは中高年。意外。プロモーションがうまくいったということか。男女比は6対4くらいで男性が多かった、最終的には127席に7.5割くらいの入り。思ったより入っていたが、これ以上増えるとは思えない。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いていて、気になった予告編は……左右マスクの「トイレのピエタ」は手塚治虫の日記にインスパイアされたものらしいが、内容はさっぱりわからなかった。公式サイトもまだない模様。

 四角の枠付きの「ミュータント・タートルズ」はラジー賞候補作品となったが、絵は凄そう。日本語吹き替えでの予告。内容的にはダメダメな予感。ヒーロ−4人がみんなバカみたいで。2/7公開。

 左右マスクの「マエストロ!」は画質が悪くて驚いた。粒状感がすごい。昔の作品みたい。これで新作? 予告だからだろうか。こんな画質だと見たいという気が失せると思うが。1/31公開。

 関係者らしい一団が6〜7人。多いって。1人か2人で十分だろう。気になる。


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