2015年3月21日(土)「ナイトミュージアム/エジプト王の秘密」

NIGHT AT THE MUSEUM: SECRET OF THE TOMB・2014・米/英・1時間38分

日本語字幕:丸ゴシック体下、栗原とみ子/ビスタ・サイズ(デジタル、Red Epic)/ドルビーAtoms(IMDbではドルビーとドルビー・デジタルも)

(米PG指定、英PG指定)(日本語吹き替え版もあり)

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/nm-3/index.html
(音に注意、全国の劇場リストもあり)

ニューヨーク自然史博物館では新設されたプラネタリウムの完成を祝うパーティが行われ、ラリー(ベン・スティラー)が演出を手がけ、動く展示物たちが出演して盛り上げていたが、突然、彼らが暴走、パーティーは台無しになる。責任を取らされてマクフィー館長はクビになる。展示物たちと反省会を開いたラリーは、展示物が動く源である石板に緑青のようなサビが出始めていたことから、図書館で石板について調べると、発掘に前任の夜警3人組の1人セシル(ディック・ヴァン・ダイク)が写真に写っていることを突き止め、老人ホームへ話を聞きに行く。セシルはエジプトで発掘したものは父たちがアメリカとイギリスで山分けにしたという。石板の秘密を解くため、ラリーは仲間たちと息子を連れてイギリスの大英博物館に向かう。

61点

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 何だ、これ? 何もなし。空疎。予想とは違いくだらなくはなかったが、何もない。ものすごくたくさんの人たちの労力と、高い技術を使ってこれか。見所は3D-CG技術のみ。よかった、ポイントで見て。お金を払っていたら、きっと金返せと腹が立ったはず。ただ、ロビン・ウィリアムズとミッキー・ルーニーの遺作ということで、見ようと思ったわけで、その点では見送れたかなと。

 とにかく脚本がひどい。意味がない。結末が「石版を月の光に当てろ」って。なんでわざわざロンドンまで行ったんだ。ようするに、ニューヨーク自然史博物館から始まって、第2作でスミソニアンまで行ったんだから、第3作は大英博物館だろうという安直な発想なのではないか。ロンドンの必要なし。それなのに大勢で乗り込んでいる。第1作は良かったが、ダメな第2作の流れそのまま。これで流行りの三部作(?)完結か。

 キャラクターも憎めないならいいのだが、どれもウザい。猿のデクスター、ミニチュア・サイズのカウボーイ=ジェデダイア、ローマの戦士オクタヴィウス、主人公そっくりの原始人ラー、そして18歳になった息子のニッキー...... どれも酷い。

 字幕もちょっと気になった。鉄人28号ってナニ? 英語では何と言っているのだろう。そして、3作ずっと気になるのは、耳ではシセルと聞こえるのに字幕ではセシルになっていること。スペルはCecilだからセシルなのだろうが、音では明らかにシセルと言っている。違和感あるなあ。

 CGはすごい。どれも取って付けたようなものではなく、存在感があって、合成も自然。素晴らしい技術。ヤマタノオロチみたいな大蛇は動きもスムーズで、迫力があって怖そうだった。そして小さな金色の像、ガルーダもよかった。

 結構笑っていた人もいたが、ボクにはほとんどピンと来なかった。眠かった。1時間半ほどが長い、長い。しかもサブ・タイトル関係ないし。

 ラリーはベン・スティラー。シリーズの第1作目は良かったけどなあ。ボク的には最近でいうと「ペントハウス」(Tower Heist・2011・米)と「LIFE!」(Life!・2013・米/加)はなかなか良かった。アメリカでは本作系も受けるのだろう。IMDbでは「ペントハウス」より評価が高い。

 展示物のテディ・ルーズベルト大統領はロビン・ウィリアムズ。2014年8月に自ら命を絶ってしまった。いろいろ病気があったらしい。もっと活躍してほしかった。見ていないが、本作の前に「余命30分の男」(The Angriest Man in Brooklyn・2014・米)という意味深な映画に出ており、見ておきたかった。ボク的にはやっぱり「アンドリューNDR114」(Bicentennial Man・1999・米/独)だなあ。

 ゲスト出演的にちょっとだけ出ているのが、アクメンラーの父王マレンカレのベン・キングスレー。なんでも出るんだなあ。本作の前に「エクソダス:神と王」(Exodus: Gods and Kings・2014・英/米/西)に出ている。その時は王ではなかったが。そして、クレジット無しで、しかも本人役で出ているのが、ヒュー・ジャックマン。

 残念な脚本の原案(ストーリー)はマーク・フリードマンと、脚本も手がけたデヴィッド・ギヨンとマイケル・ハンデルマンの3人。マーク・フリードマンはTVのプロデューサー&ライターで、映画はいまひとつの戦争後日談「勇者たちの戦場」(Home of the Brave・2006・米/モロッコ)が最初のよう。全然毛色が違う作品だが......。

 デヴィッド・ギヨンはライターで俳優。コメディを2本書いているが、いずれも日本劇場未公開。評価も高くないのに、なぜ? あっ、製作総指揮に名を連ねていた!

 マイケル・ハンデルマンはデヴィッド・ギヨンと同じ仕事に関わっているライターで、本作で製作総指揮を務めている。そういうことか。

 監督はカナダ生まれのショーン・レヴィ。製作も兼任。本シリーズの第1作からずっと手がけているが、良かったのは第1作のみで、他にとても残念な「ジャスト・マリッジ」(Just Married・2003・米/独)や、すごく残念なリメイク「ピンクパンサー」(The Pink Panther・2006・米/チェコ)を手がけている。ただロボット・アクションの「リアル・スティール」(Real Steel・2011・米/印)は面白かったが。

 ベン・スティラーはプロデューサーとしても関わっておらず、この製作サイドで面白い作品が作れるような気はしないが......。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、たまったポイントで金曜に確保。当日は15分前くらいに開場。意外と女子が多い。下は父に連れられた小学生の男の子。中学生くらいの2人連れや5人グループもいたが、やはりメインは中高年。男女比は5.5対4.4くらいで、すこし男性の方が多かった。しかし女子は誰狙い?

 最終的には157席ほぼ全てが埋まった。えっ、なぜ? 映画の日でもないし、舞台挨拶もないし、入場者プレゼントもないのに。

 両隣の男と女がケータイとPadを使い出して、眩しくてしょうがなかった。入り口で使わないように言え。使いたい奴はロビーというか劇場の外でやれ。

 気になった予告編は.....ゲームのパックマンやドンキーコングなどと戦うらしい上下マスクの「ピクセル」はなかなか面白そう。すべて日本のゲームじゃん。ただ主演が日本受けしないアダム・サンドラーでどうか。画はすごい。9/19公開。3Dって!

 上下マスクの「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」はまったくハリウッド作品に見劣りしないSFXで、凄そう。5/1公開。

 すでに何回か見ているが上下マスクの「チャッピー」はやはりロボットの存在感が素晴らしい。見た目のデザインは「エリジウム」(Elysium・2009・米)のままという感じだが、見たい気にさせる。5/23公開。

 公開を間近に控えた上下マスクの「ジュピター」は相変わらずの予告。ということは、他に見せる部分がないのか。低音がすごい迫力。3/28公開。


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