2015年8月22日(土)「ディアボリカル」

THE DIABOLICAL・2015・米・1時間26分

日本語字幕:手書き風書体下、翻訳者名表記なし/シネスコ・サイズ(表記なし。IMDbではデジタル、Arri ALEXA)/ 音響表記なし

(英15指定、日PG12指定)

公式サイト
http://diabolical.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

シングル・マザーのマディソン(アリ・ラーター)は、幼い息子のジェイコブ(マックス。ローズ)と娘のヘイリー(クロエ・ペラン)と3人暮らしで、家のローンに支払いも滞りがち。ある日、不気味な物音共に、家電製品が勝手に動いたり、物が句中に浮かんだりしたのち、光と共に人の形をした何者かが現れるようになる。マディソンは警察や科学者、医師などいろいろな人に相談するが改善することはなく、かねがね好意を持っていたジェイコブの科学教師、ニック(アルジュン・グプタ)に相談する。そして2人で調べるうち、カムセット社が絡んでいるらしいことがわかる。

68点

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 IMDbでは6.5点。一言で言えば、説明不足で何の話かわからない映画。たぶんホラーを狙ったのだろうが、ちっとも怖くなくて、怖がらせシーンばかりやたらに長くて単調で、退屈。86分が長い。

 狙いとしては、呪われた家系の心霊現象から初めて、次に「ディアボルカル(邪悪な)」のタイトルどおり悪魔系のホラー映画と思わせて、SFのタイムトラベル物としてオチをつけるつもりだったのだろう。しかし構成もバランスも悪い失敗作。不必要なベッド・シーンまで入れて、シロートか。まるで映画学科の学生が課題で作って失敗したような印象。ボクが指導教官なら「可」はやらない。やり直しかなあ。

 まったくつじつまが合わない感じだし、最初から不思議というより、ネタ明かしされてからのほうが不思議に思えることが多いって何? 霊の調査に来ていたらしい男女二人組が、変な音を聞いておびえて逃げ出したのは何? 気になってしようがなかった。あとは、どうにか自分の想像力で補って、どうにか自分を納得させたけど……。だいたいいつも夜って何? ネタ晴らしを聞くと夜がほとんどだったのがおかしいことになるではないか。

 低予算だからこそ、アイディアや工夫で面白くしようとすべきだと思うけど。残酷表現などほとんどないのにPG12指定というのも驚きだ。基準がよくわからない。刃物で血のりが飛んではいるけど。なんとアメリカは1カ月遅れの10/16一般公開らしい。現時点でのIMDbの評価はアメリカの南南西映画祭(South by Southwest Film Festival)での評価らしい。そのためまだアメリカではレイティングされていない。

 マディソンはアリ・ラーター。シーズンを重ねるごとに残念になっていったTVドラマ「HEROES/ヒーローズ」(Heroes・2006-2010・米)で有名になった感じ。映画はヒット・シリーズ「バイオハザードIII」(Resident Evil: Extinction・2007・仏/豪ほか)の3作め以降に出ている。「HEROES/ヒーローズ」と本作は約に恵まれていない印象。美人なのに。

 ほかに有名俳優は出ていない。やはり超低予算なんだろう。かろうじて不動産屋の男、ハミルトンが「2ガンズ」(2 Guns・2013・米)のパトリック・フィクスラーが見たことあるか。

 問題がありそうな脚本は、監督のアリステア・ルグランとルーク・ハーヴィスの2人。ルーク・ハーヴィスは本作が初めての脚本らしい。本作を書いたからといってオファーは来ないのではないだろうか。

 アリステア・ルグランも初めての脚本、初めての監督。フランス生まれのアメリカ育ちだそうで、CM業界からミュージック・ビデオを手がけるようになったらしい。たぶんそれが評価されて本作への抜擢となったのだろう。とはいえ、正解だったのか。

 銃はパトカーの警官が1911っぽいオートを使っていたが、一瞬でよくわからなかった。普通ならM92かグロックを使うところだろう。

 公開初日の初回、渋谷の劇場は全席指定で、金曜に劇場まで行って前売り券で確保。往復の電車賃と時間を考えると割に合わない気はするが、席は間違いなく確保できる。ただエレベーターで上がる劇場なので、共用の小さいエレベーターは各階停止で時間もかかりストレスがたまる。当日は30分前くらいに着いたら、別作品の上映中でロビーで待つことに。その後観客が出て、掃除して、20分前くらいに開場。最初はオヤジのみ15人くらい。その後、女性やちょっと若い人も来たが、メインはやっぱり中高年。最終的に189席に50人くらい。女性は3〜4人。

 スクリーンはビスタで開いていた。座席の前後は驚くほど広いが、床がほぼフラットなので、前席に座高の高い人が座ると字幕が読みにくくなる。今回がそれ。全観客の中、もっとも座高の高いオヤジが前の席に座った。他にも席は空いているのに、なんと運の悪い。明るいままマナーやCMから上映、アナウンスの後、半暗になって予告編へ。

 アニメ「遊戯王 THE DARK SIDE OF DEMENSIONS」は、脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮を原作者の高橋和希が務めるということが売りらしい。2016年GW公開。

 上下マスクの「海難1890」は新予告。ティーザーではTVムービーみたいだったが、新予告はいいかも。見たい気にさせる。12/5公開。

 「ターミナル 起終点駅」は佐藤浩市と本田翼の歳の差ラブ・ストーリーらしい。色が浅く、ビデオのような画質。うーむ。11/7公開。

 上下マスクの「ガンバGAMBA-ガンバと仲間たち-」はいわゆる3D-CGアニメ。たたがかなり子供向けっぽい雰囲気。10/10公開。3D上映もあり。

 「ガールズ・ステップ」はストリートダンス女子の青春物らしい。これも画質がビデオっぽかった。9/12公開。

 「黒衣の刺客」は驚きの左右マスクのスタンダード比率。まるで昔のTVのよう。予告だけなのか、画質も悪く昔のビデオ並。どうなっているんだろう。前売りもしていないようだが……。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したというのに。まあカンヌの場合は芸術性重視、画質とか関係ないのか。見たいけど、スタンダード、前売りなしって。9/12公開。

 カメラ男の後、ようやく明かりが消えて、スクリーンが左右に広がって、本編へ。

 初日プレゼントとかで、通常配布していないチラシというのが配られたが、ほとんど印象の変わらないデザイン。貴重なんだろうか? 場内には関係者らしい人が3人くらい。


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