2015年10月25日(日)「ヴィジット」

THE VISIT・2015・米・1時間34分

日本語字幕翻訳:手書き風書体下、岡田綾平/ビスタ・サイズ(デジタル、Cannon EOS C300)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米PG-13指定)

公式サイト
http://thevisit.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

19歳で駆け落ちしたママ(キャスリーン・ハーン)には2人の子供、カメラ好きの15歳の姉ベッカ(オリビア・テセヨング)と、潔癖症でラップ好きの13歳の息子タイラー(エド・オクセンボールド)がいたが、父親は5年前に出て行って、3人で暮らしていた。そんなある日、駆け落ちから一度も話したこともないというママの両親から、1週間だけ孫たちと過ごしたいという願いが出され、2人はペンシルバニア州の田舎町メイソンビルに向かう。駅まで迎えに来てくれた祖父のフレドリック(ピーター・マクロビー)も祖母のマリア(ディアナ・ダナガン)も優しそうな人たちだったが、「地下室はカビだらけなので入らないように」「夜9時30分になったベッドに入る」と告げられる。そしてその夜、2階のかつてのママの部屋で眠れずにいた2人だったが、ベッカがクッキーを取りに降りると、祖母が吐きながら歩き回っているのを目撃し逃げ帰る。以後、2人は祖父母たちの奇妙な行動を目撃することになる。

68点

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 不安のM・ナイト・シャマラン作品。しかもダメ映画の代名詞POV(主観視点)ではないか。カメラを動かさないように気を使ってはいるものの、動く画面はやっぱり見ているだけで疲れる。ちゃんとカット割りしてフィックスで撮っていれば、もう少しましだったかもしれない。結局は音で脅しているし。音で脅すのはスリラーじゃなくビックリ映画だろ。まあ、予告の作り方がうまかったということになるのかなあ。3つのルールか。これは映画には直接出てこない。じいさんが「地下室には行くな」と「夜はばあさんのために9時30分には寝る」というだけ。

 とにかく1ネタで96分を引っ張るは無理。これはショート・ショートのネタ。たぶん30分くらいのショート・ムービーでも難しいかも。それを1週間という長さに引き伸ばしている感じだから、だいたい結末は見えてきてしまう。

 しかもどんでん返しのネタは、実はあってもなくてもたいして変わらない。設定が老人のボケという問題に突っ込んでいるため、どんな奇妙な行動もアリになってしまう。それは精神病と区別はつかないだろう。そういうオチだから、すっきりせずに終わる。たぶん観客としてこの作品に望んでいるのは、霊や悪魔、あるいは謎の宇宙人といったとんでもな方の答えなのではないだろうか。

 細かいことだが、多分犯人の潜伏していた期間は1週間くらいのはず(ほかの登場人物が1週間くらい姿をみなかったといっている)。それにしてはたまったオムツの量が多すぎじゃないかなあとか、よくわからないことも多かった。

 とはいえ、このじいさん、ばあさんキャラは凄い。ものすごい怖さ。ただ高齢者は何をするか、してしまうかわからないところもあるのは確か。いきなり倒れるかもしれないし。映画の中でも話題になる失禁症、日没症候群…… etc. そんな怖さがにじみ出ている。

 まあ、とにかく祖父と祖母が怖いというか、不気味。祖母はたぶん若い頃はかなりの美女だったと思わせる魅力的な人で、それだけに怖い。半ケツ出してるし。演じたのはディアナ・ダナガンという人。基本、舞台で活躍していた人らしく、TVには出ているものの映画はあまり出ていない模様。1940年生まれというから75歳。

 祖父はピーター・マクロビー。映画内ではPop Popと呼ばれていた。パパ(Pop)のパパという意味か。やはりTVが多い人で、特に「LAW & ORDER ロー&オーダー」(Law & Order・1990〜2010・米)によく出ている。映画では、面白かったブルース・ウィリスのアクション「16ブロック」(16 Blocks・2006・独/米)や、スピルバーグ監督の「リンカーン」(Lincoln・2012・米/印)などに出ている。

 脚本・監督はもちろんM・ナイト・シャマラン。「シックス・センス」(The Sixth Sense・1999・米)以外面白いものはあっただろうか。基本的には期待していないのだが、公式サイトに「」とあったので、つい見てしまったが、やっぱりダマされた。公式サイトにも「すでにダマされている」とある。これは見てしまったことがそうなのだ。

 PCはもちろんVAIO。銃は水平二連ショットガン。

 公開3日目の初回、といってもお昼からだが、新宿の劇場は全席指定でムビチケカードで確保しておいて、当日は13〜14分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで割と幅広かった。最初26〜27人いて、女性は5〜6人。最終的には女性が1/4くらいで、88席はほぼ満席。キャパが小さいので入りがいいのかどうかはわからないが、今後増えることはないだろう。

 むき出しのシネスコ・サイズ・スクリーンで、気になった予告編は…… 本当に最後なのかどうか、四角の枠付きの「ハンガーゲーム」は予告を見る限り、お金をかけたビジュアルで、ちゃんと作られている印象。ただ銃に弓で対抗するって、あんたは「アロー」かっ!? 全世界同時、11/20公開。

 場内が暗くなって、映写機の左右マスクで本編へ。


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