2015年11月1日(日)「メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮」

MAZE RUNNER:THE SCORCH TRIALS・2015・米・2時間12分

日本語字幕翻訳:丸ゴシック体下、若林桃子/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA)/ドルビーATMOS、Auro 11.1(IMDbではドルビー・デジタルも)

(米PG-13指定)(3D上映、MX4D上映もあり)

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/mazerunner/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

メイズを脱出したトーマス(ディラン・オブライエン)たちは、謎のグループに救出され、ある施設に連れて行かれる。そこには他のメイズで生き残った若者たちも連れて来られていた。しかし、やがて彼らの正体と施設の実態を知り、山にいるという反乱部隊のライト・アーム(RA)に合流しようと脱出を計る。

72点

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 やはり続編はこうなる。しかも三部作の真ん中ということになると、ほぼ「つなぎ」だ。極端な話、なくても話は第1作と第3作で成立する。それを第2作だけでもちゃんと成立させて、なおかつ第1作から第3作へ繋ぐのが良い第2作というものだろう。そういう意味ではシリーズのエピソード5に相当する第2作「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(The Empire Strikes Back・1980・米)は大変良くできていた。あるいは、さらなる続編がないと思って、前作を受け継ぎつつ「ターミネーター2」(Terminator 2: Judgment Day・1991・米/仏)や「エイリアン2」(Aliens・1986・米/英)のように新しい物語として作ってそれ自体で完結させるか(どちらもジャームズ・キャメロン監督だ)。

 本作は長い上に、ほぼ全編逃げ回っていて、しかも「メイズ・ランナー」と言っていながら、もはやメイズは出てこず、ただひたすら走りまくっている。確かにランナーではある。しかし、どうにも、どこかで見たようなシーンが多い気がした。足下のガラスが割れるシーンはまるで「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(The Lost World: Jurassic Park・1997・米)そのまま。全体にはゾンビもので、トム・クルーズのSFアクション「オブリビオン」(Oblivion・2013・米)にも似たようなシーンがあるし、残念なSFアクション「ダイバージェント」(Divergent・2014・米)にも似ているなあ。逆さ吊りは「ターミネーター4」(Terminator Salvation・2009・米/独ほか)? 全体の世界観は「マッドマックス2」(Mad Max 2・1981・豪)に近いし。

 絵もきれい、VFXの映像は素晴らしいし、疾走感もたっぷり。音響はとても立体的でクリア。クオリティはとても高いと思う。ただ、印象はとても凡庸。そして長い、残念。

 3Dはあとから無理やりつけたような感じ。というのも、3Dでやっちゃいけないカットがたっぷりある。3Dを想定して演出・撮影していないからだろう。まず3Dでカメラを動かしすぎ。酔いそうになった。そして、3Dで短いカット割りはダメ。3Dを認識するタイムラグが必要。だからあまりアクション映画には向かないのかもしれない。基本はパンフォーカス、フィックス。そして、2Dにしか見えないシーンも多々あった。

 前作から主人公のトーマスはディラン・オブライエン。サブ・リーダーのニュートはトーマス・ブロディ=サングスター。ランナーのリーダー、ミンホはキー・ホン・リー。

 新たに登場したキャラクターでは、RAのメンバーでヴィンスはバリー・ペッパー。「プライベート・ライアン」(Saving Private Ryan・1998・米)でサウスポーのスナイパーを演じていた人。メアリーは残念なホラー「ホーンティング」(The Haunting・1999・)に出ていたリリー・タイラー。

 「2」の脚本は、「1」を書いていた3人のうちの1人、T.S.ノーリン。本作で脚本は2本目。そうなんだろうなという感じ。原作があってもこうなるか……。監督も前作から気引き続きウェス・ボール。

 銃器は前作ほど凝っていないようで、一部C-MOREサイトつきのカービンや大型スコープ付きライフルなどもあったようだが、リボルバーとショットガンが良く出てきた。なぜなんだろう。1911オートも出ていた。銃器に色気はまったくなし。

 公開10日目、新宿の劇場は3DまたはMX4Dのみの上映で、2D上映がある日本橋まで行こうかと思ったが、2Dは午後からの上映しかなく、たぶん映画の日だから混むはず、しかも往復の電車賃もかかるということで、なくなく新宿で見ることに。

 3D初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで確保。2Dからの差額は400円で、3D眼鏡を持って行くと300円。まあ300円がいい線ではないだろうか。3Dだから得することはほとんど何もない。特に感動も、臨場感も変わらない、というかボクにいわせるとむしろ邪魔くらいのもので、ボクには合わない。

 10分前くらいに開場。映画の日ということもあり、観客層は若者から中高年まで幅広く、メインは若い人で2/3くらい。下は父親に連れられた小学生くらいの男の子。男女比は4.5対5.5くらいで、やや女性の方が多かった。なぜだろう。主演の子が人気なのだろうか。最終的には高価な3D上映でも128席はほぼ満席。ただ、ほとんどの作品で満席が出ていたが。やっぱり映画の日はスゴイ。ポップコーン比率も高かった。

 明るいまま始まったTOHOシネマズのニュースで、レオナルド・ディカプリオの「レヴェナント 蘇りし者」の速報。四角の枠付きで、たぶんマウンテンマンの時代、仲間に置き去りにされたハンターが復讐するという物語らしい。監督が「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(Birdman: Or (The Unexpected Virtue of Ignorance)・2014・米)のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥなので、かなり重い雰囲気で、どうなるのか。まだ公式サイトはない模様。2016年4月?公開。

 またまたアメコミの映画化「スーサイド・スクワッド」は、速報なのでよくわからないが、バットマンのジョーカーが復活するとか。悪役ばかりの部隊らしい。2016年公開。

 四角の枠付き「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」は宮藤官九郎監督・脚本、長瀬智也、神木隆之介が出演する地獄の物語らしい。予告では長瀬智也のハイテンションが凄かった。2/6公開。

 左右マスクの「orange-オレンジ-」は、またまたコミック原作の青春ラブストーリーというヤツらしい。うーむ。ほかにいくらでも有るものと変わらない気がするが。12/12公開。

 入場プレゼントで絵はがきをもらった。メールの時代に絵はがきかあ……。


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