2015年11月8日(日)「エベレスト3D」

EVEREST・2015・英/米/アイスランド・2時間01分

日本語字幕翻訳:丸ゴシック体下、黄色、松浦美奈/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri )/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、Auro 11.1も)

(米PG-13指定)(3D上映、IMAX3D上映、日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://everestmovie.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1953年、イギリスの探検隊によって初登頂されて以来、エベレストはチャレンジした4人に1人が死亡しているという。1960年代以降には商業登山が進んだ。アドベンチャー・コンサルタンツ社もその1つで、高額な料金を取ってガイドとシェルパがサポートしてクライアント(顧客)を登頂させていた。1996年、アドベンチャー・コンサルタンツ社の探検家ロブ・ホール(ジェイソン・クラーク)を隊長とするツアーが組まれ、5月10日に登頂するという計画でベース・キャンプに到着するが、そこにはたくさんの登山隊が無数のテントを張って順番待ちをしていた。ガイドにはエベレストのガイドは初めてというハロルド・ハリス(マーティン・ヘンダーソン)、無酸素登頂にも成功しているマイケル・グルーム(トーマス・M・ライト)、シェルパ頭のアン・ドルジェ(アン・フーラ・シェルパ)らがおり、顧客にはテキサスの病理学者のベック・ウェザース(ジョシュ・ブローリン)、アウトサイド・マガジンの記者ジョン・クラカワー(マイケル・ケリー)、前回登頂に失敗している郵便配達員のダグ・ハンセン(ジョン・ホークス)、弁護士のルー・カシシケ(マーク・ダーウィン)、麻酔専門医のジョン・タースケ(ティム・ダンディ)、登山家のスチュアート・ハッチソン(ディミトリ・ゴリトサス)、日本人の女性登山家難波康子(森 尚子)らがいた。

74点

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 うーむ、これは…… 落ち込んだ。実話で、しかもエベレスト登山史上最悪の大量遭難事故の物語。日本人も遭難している。なぜ人はそこまでして、人が生きられないようなところへ行くのか。もちろん、ちょっとした山でも頂上まで登ると爽快で、征服感があるのだから、世界最高峰クラスの山ならその達成感とか感動はとてつもなく大きいのだろう。しかし、本作を見ていると、人間が行くべき場所じゃないような気がしてくる。とにかく、つらい。

 しかも商業登山という、ガイドによってサポートしてもらい頂上まで連れて行ってもらうビジネスが始まると、ベース・キャップに世界各国の登山隊のキャンプ村ができて、登頂にアタックするのに渋滞がおき、順番待ちしなければならなくなっているという異常事態。20年も前のことだが、山ではこんなことが起こっていたのだ。それが衝撃的だ。たしか、ルパールで地震があった時、エベレストのベース・キャンプのようすがニュース映像で流れたが、テントだらけで驚かされたばかりで、状況は1996年からちっとも変わっていないようだ。

 さらに、高山病や体調不良、天気の急変、雪崩、クレバス、設置されているはずのロープがないとか、指示しておいたところに酸素ボンベが置いてない、転倒した仲間に巻き込まれる、渋滞による長時間待機……など、問題が次から次へと発生する。自然を相手にするということはこういうことなのだろう。

 登山の問題はそれだけではなく、よく聞くのは、使い終わった酸素のボンベが捨ててあるとか、遭難した人の遺体がそのまま置き去りにされているとかもある。もちろんそれも描かれているが、ほかにもゴミだらけで、人間の排泄物もいっぱいなんだとか。登山家の中にはゴミ清掃登山というのをやっている人もいるくらい。そこまでには切り込んでいない。こちらも衝撃的な内容ではあるはずだ。つまり山は問題山積か。

 映像には目を見張るものがある。本当に頂上付近で撮影したように見える迫力の映像。非常にクリアで、シズル感もある。生々しい。そして、頂上付近での嵐も、その恐ろしさが良く伝わってくる。たぶんデジタル技術を駆使しているのだと思うが、一体どうやって撮ったのかと不思議になるほど。ただ、3Dカメラで撮影はされていないようで、だとすると作った立体感。3Dで見たがあまり立体感はなかった。その必要があったのか。音響はかなり立体的だったが。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の3D上映初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで確保。3Dメガネありで差額300円をカード支払いにしたが、当日バッグに入れて行ったらツルが折れていて、改めて買うはめに。100円だったが。開場は20分ほど前。やっぱりメインは中高年で、最初は20人中5〜6人女性という感じだったが、最終的には男女比は6対4くらいに。外人さんが2人くらい。200席がほぼ埋まった。高い料金で、楽しい作品でもないのに、これは驚き。

 気になった予告編は…… 四角の枠付き「ザ・ウォーク」は3Dでの予告。たしかに高層ビルの上から捕らえた俯瞰ショットは立体感があった。これってCGなんじゃないだろうか。ゼメキスだし。でもなかなかの迫力。人物は生きた人間だし。1/23公開。

 左右マスクの「アイ・ラブ・スヌーピー」も3Dでの予告。CGなのでこんな感じだろう。ただ3Dというか、2.5Dくらいの感じだったが。スヌーピー好きと子供向きになるのだろう。12/4公開。


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