2015年11月14日(土)「コードネーム U.N.C.L.E.」

THE MAN FROM U.N.C.L.E.・2015・米/英・1時間56分

日本語字幕翻訳:手書き風書体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(上下マスクで上映、デジタル 、by Panavision、IMDbではArri ALEXA)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、DATASAT、SDDSも)

(米PG-13指定、英12A指定)(一部IMAX、4DX上映もあり)

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/codename-uncle/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1963年、東ドイツのベルリンからアメリカCIAのトップ・スパイ、ナポレオン・ソロ(ヘンリー・カビル)が、ロケット学者の娘ギャビー・テラー(アリシア・ヴィキャンデル)を西側へ脱出させようとしていた。しかしソ連KGBの腕利きスパイ、イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)もギャビーを確保しようとしていた。どうにかギャビーを脱出させたソロだったが、上司のサンダース(ジャレッド・ハリス)から、ギャビーの父が開発した技術を使うとだれでも核爆弾を作れるようになるため、ソ連と協力してギャビーの父を救出し、データディスクを回収することになり、イリヤと組むように命令される。2人は敵愾心むき出しで反目しながらも、ギャビーを連れて、ギャビーの父を誘拐し、ナチの資金で原爆を製造していると疑われているアレグザンダー(ルカ・カルヴァーニ)とヴィクトリア(エリザベス・デビッキ)夫妻の会社の50周年パーティに潜入する。

74点

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 たぶん、設定としてはU.N.C.L.E.(アンクル)設立前日談ということになるのだろう。だからソロとイリヤはまだ息の合った相棒でもないし(というか、むしろライバル、敵同士)、0011とかのナンバーもない。だから、よくできたスパイ活劇ではあるけれど、アンクルじゃないし、アンクルである必要もないと。そこがどうなんだろう。ひょっとして、これはパイロット版で、この後連続TVドラマになるとか。そんな印象。

 アクション映画としては良くできている。すばらしい。アンクルものとしてじゃなく楽しめる。特に良いのは1960年代のファッショだろう。ソロは犯罪者という設定だが、いつもスーツで決めて、七三分けだ。それが新鮮。女性のファッションは派手で、色も鮮やか。ちょっと未来的な感じもあって素晴らしい。女ボスの  なんて、往年のオードリー・ヘップバーンみたい。ゴージャスだ。この映画で一番良かったところ。

 一方で、昔のTVを見て育った世代には物足りない気も。リアル路線で、ペン型の通信機も出てこないし、スパイの秘密兵器はなし。チラッとだけイリヤがラストにアンクル・カービンのような銃を使っているらしいことくらい。アンクル・ファンとしてはその辺が物足りない。つまり次回に期待しろと言うことか。

 U.N.C.L.E.は、TVシリーズの設定ではUnited Network Command for Law and Enforcementの略。たしか映画でも最後の方に出ていたと思う。ウェーバリーが言っていたような気がする。ボクは国連の機関かと思っていたが、そうではなかったようだ。国際的期間には違いないが、「キングスマン」(Kingsman: The Secret Service・2014・英)のようにどこにも属さないらしい。とにかくコードネームU.N.C.L.E.ではおかしなことになってしまう。U.N.C.L.E.は組織名なのだ。オリジナルを知らない人がこんな邦題をつけてしまったんだろう。

 TVではアレキサンダー・ウエーバーリーは課長で認識番号001。イリヤが002、ソロは0011。マーク・スレートが0013、エイプリル・ンサーが0022。「キングスマン」みたいに紳士服の仕立て屋が本部の入り口。「キングスマン」のほうが雰囲気はU.N.C.L.E.に近かったと思う。

 劇中、TVの曲も使われているらしいのだが、まったくわからなかった。ああ、あの曲が懐かしい。ちなみに、TVでイリヤを演じたデヴッド・マッカラムは現在TVドラマ「NCIS」(NCIS: Naval Criminal Investigative Service・2003〜・米)で検視官ダッキーをちょっとコミカルに演じている。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで確保。15分前くらいに開場になり、場内へ。ほとんどは中高年で、当時TVで「0011ナポレオン・ソロ」を見ていた人たちだろうか。若い人たちは少し。女性は1/3ほど。最終的には157席の8割ほどが埋まったが、これは良いのか悪いのか。朝が早いのと、キャパが小さいのと、はたして……。

 気になった予告編は…… スクリーンはビスタで開いていて、上下マスクの「テラフォーマーズ」はついに画像ありの新予告。邦画だがハリウッドばりのSFらしいセット、衣装のビジュアル。ちょっと「ブレードランナー」(Blade Runner・1982・米/香/英)っぽいけど、これは期待して良いのだろうか。4/29公開。

 ビスタのままの「白鯨との闘い」はたぶん初予告。実話の映画化で、これがヒントとなって小説「白鯨」が生まれたらしい。ロン・ハワード監督なので期待したいが、3Dもあるというのは不安要素。1/16公開。

 上下マスクの予告を見てもタイトルがわからないというジョニー・デップのギャング映画は、調べてみたら「ブラック・スキャンダル」だった。3人の幼なじみが、大人になって1人は犯罪者、1人はFBI、1人は政治家になったという物語。怖そうな雰囲気。1/30公開。

 上下マスクのまま、予告のような感じで本編へ。

 それにしても、上下マスクで上映するなんて、アナモフィック・レンズを使わずに上映しているようで、嫌な感じ。カーテンじゃなく映写機のマスクで仕切ると、どうしても締まりが弱いよなあ。


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