2015年11月15日(日)「ラストナイツ」

LAST KNIGHTS・2015・チェコ/韓・1時間55分

日本語字幕翻訳:丸ゴシック体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(表記無し、デジタル、Arri ALEXA)/表記無し(IMDbではドルビー、ドルビー・デジタル)

(米R指定、韓15指定、日PG12指定)

公式サイト
http://lastknights.jp
(全国の劇場リストもあり)

中世、地方貴族のバルトーク卿(モーガン・フリーマン)のもとに、使者より皇帝から親書が届けられる。新たに大臣となったギザ・モット(アクセル・ヘニー)に会うようにという内容だったが、ギザは公然とワイロを請求するような男で、バルトーク卿はワイロなど支払う気は毛頭なかった。そして世継ぎを失っていたギザは騎士部隊の高名なライデン(クライヴ・オーウェン)隊長に自分の名を継ぐように伝え、自らの剣を譲ると、2人で都へ向かう。ギザは大臣に席巻すると、手土産で本当にローブだけを渡す。激怒したギザはバルトークに暴行を加えたため、バルトークはつい剣を抜いて反撃し、ギザを傷つけてしまう。これを知った皇帝は、一族の追放とバルトークを死刑を宣告し、処刑をライデンに命じる。拒否するライデンにバルトーク自らが命じ、実行される。王族たちはもちろん、騎士たちも身分を失って散り散りとなり、城には火が放たれる。復讐を恐れたギザは、腹心の部下イトー(伊原剛志)にライデンたちを監視させる。

74点

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 これはハリウッド版「忠臣蔵」。よくできていると思う。アクションも満載。ラストの討ち入りは、西洋の城塞戦としてうまく取り込まれている。感情もかなり動かされる。悪役のキャラが立っていて、実に憎たらしく、作品の中でうまく機能している。バランスも良い。悪党の家臣で、ちょっとあくどい行動に戸惑いを感じているイトーがいるというのもいい。そして若い騎士が犠牲になるところなど感動的で、ちょっとウルっと来た。「47 RONIN」(47 Ronin・2013・米)は紀里谷監督の爪の垢でも煎じて飲んだほうが良い。IMDbでは「47 RONIN」が6.3点と高評価で、本作が6.2点と低評価なのは、ボクとしてはまったく納得が行かない。アメリカではあんな映画の方が受けるということか。同じ土俵で評価することさえ失礼だと思うが。まあ「忠臣蔵」はアメリカ人が好きなハッピーエンドではない……。

 絵作りも、ダークな無彩色の傾向でまとめられ、中世の騎士の時代の雰囲気を良く出していると思う。音響効果もよく回っていて、リアルでクリアで良かった。衣装もリアルな雰囲気。防具は革のハーネスが特殊部隊の装備のようで、伝統的なものの中に新しいものを取り込んだ感じで興味深かった。特に貴族たちの衣装は豪華で重厚、どこかアジア的な雰囲気もあった。

 ちょっと気になったのは、アジア系の俳優が多すぎないかということ。この時代には人々の交流というのはあまりなかったのではないだろうか。製作母体の韓国が入っているのと、監督が日本人であるためかもしれない。日本人としてはなんか嬉しい気もするが、作品全体としてはパランスが良くない。違和感がある。




【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで確保。15分前くらいに開場になって、最初は7人いて全員オヤジ。朝早いこともあるし、「忠臣蔵」ということもあってだろう、ほとんど中高年というより高寄り。やがて30人くらいになって、うち女性が3〜4人。最終的には184席に40人いただろうか。

 スクリーンはカーテンなしのむき出しでシネスコ・サイズ。気になった予告編は…… 四角の枠付き「シーズンズ 2万年の地球旅行」は高画質の動物ドキュメンタリー。「オーシャンズ」の監督が手がけているらしい。とにかく驚異的映像。1/15公開。

 映写機のマスクが左右に広がって、本編へ。


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