2015年12月5日(土)「007スペクター」

SPECTRE・2015・英/米・2時間28分

日本語字幕翻訳:丸ゴシック体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(デジタル&フィルム、in Panavision、IMDbではArri、Red、Panavision、Vistavision)/ドルビー・デジタル(IMDbでは、IMAX版は12トラック・デジタル、ドルビー・サラウンド7.1も)

(英12A指定、米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版もあり)

公式サイト
http://www.007.com/spectre/?lang=ja
(全国の劇場リストもあり)

007ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、「スカイフォール」の事件の後、メキシコのメキシコシティにいて、爆弾テロを起こそうとしていたスキアラ(アレサンドロ・クレモナ)を追い詰めて殺害、タコのマークがついた指輪を奪う。ロンドンにもどると諜報機関の再編が進んでおり、MI-5と合体するかという状況。M(レイフ・ファインズ)から許可なく騒ぎを起こしたとして、腕に追跡可能なマイクロチップを埋め込まれ、勝手に行動するなと釘を刺される。そこでQ(ペン・ウィショー)とマネーペニー(ナオミ・ハリス)の協力を得て、スキアラの葬儀が行われるローマへと飛ぶ。そして未亡人となったルチア・スキアラ(モニカ・ベルッチ)から、夫の属していた組織の会議のことを聞き出すと、指輪をはめ何食わぬ顔で潜入する。そこに現れたボスのオーベルハウザー(クリストフ・ヴァルツ)は、ボンドが紛れ込んでいることを知っており、スキアラの後釜に座ったMr.ヒンクス(デイヴ・バウティスタ)にボンドを追わせる。

76点

1つ前へ一覧へ次へ
 まあ、とにかく丁寧に、丁寧に作られた上質なアクション映画。しかも大きな予算と時間もかけられているようで、大作ならではの作り。その豪華さに脱帽。カーチェイス・シーンでは、ボンド・カー(アストン・マーティンDB10クーペ)はオーダー・メードで、映画のために10台のみ作られて、撮影で7台がつぶれてしまったとか言う話もあるほど。敵のヒゲ男はジャガーのプロトタイプCX75とか。

 撮影方法は凝っている。ステディカムによる手持ち撮影が多い雰囲気だが、冒頭タイトル前のアヴァンは、外の広場からホテルに入って部屋に入り、窓から出て狙撃位置に着くくらいまで、ほぼ1カットで長回し撮影されている。ただ、画質はあまり良くない。なぜなのか。デジタル撮影しているはずだが、わざと荒らしているのか、古びた感じの画質。あまり解像度も高くなく、鮮明さがない。現代が舞台なのに……。調べてみたら、フィルムも使っており、画質をそれに合わせたか。

 007がダニエル・クレイグになってから、第1作で00番号を得るまでと、得てからの初仕事を描き、第2作がその続編、第3作で007の実家を引っ張り出してMを男性にもどし、第4作となる本作で、007のメジャーな敵として有名な世界的犯罪組織「スペクター」のボスであるエルンスト・スタウロ・ブロフェルドとなる男を登場させ、「007は二度死ぬ」(You Only Live Twice・1967・英/米)でドナルド・プレザンスが演じたように、額から目にかけて傷があって引きつれている面貌が、なぜそうなったのかここで描かれている。だから、殺さず、逮捕されている。となると、次の007はどうなるのだろう。今回も「007 will return」は出る。

 ただ、ずっと気になっているのは、全体に流れるダークな雰囲気。これはダニエル・クレイグになってからで、本作の場合は前作から手がけたサム・メンデス監督のテイストもあるだろう。イギリス人だが、皮肉な一言はほとんどなく、毎日曇りみたいなダーク方面に行ってしまったかと。ショーン・コネリーのボンドから、危機になるほど軽口をたたく傾向があったのに、それはブロスナンのあと途切れてしまった。笑いもちょっとだけあるが、少ないなあ。余裕が感じられない。シリアス路線ということか。ちょっと残念。




【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開2日目の2回目、新宿の劇場は同じ料金でより大きなTCXスクリーンで見られるというのでそれを選択。ムビチケカードで確保して、当日は15分前くらいに開場した。TCXスクリーンは天井にもスピーカーがあり、ATMOS対応のようだが、映画の方がATMOSではなかった。観客層はやっぱり中高年が中心。今の若い人に007のインパクトはあまりないのかもしれない。最初20人くらいで、女性は4〜5人。この比率で、最終的には499席に3.5割くらいの入り。上映回数が多いので、こんなものだろう。

 気になった予告編は…… なんと驚いたことに四角の枠付き「セーラー服と機関銃」がリメイクされるという。ヒロインは橋本環奈。もちろん決め台詞は「カ・イ・カ・ン」。オリジナル版から35年も経っているというのに銃はM3のままか。3/5公開。

 枠付きの「パディントン」は新予告に。なんとなくストーリーがわかってきた。でも見るほどに「スチュアート・リトル」(Stuart Little・1999・独/米)に似ているなあと。ネズミがクマに変わっただけか? 1/15公開。

 あとはだいたい見たものばかりで新鮮さはなかったが、何回見ても枠付き「ザ・ウォーク」(1/23公開)はなぜかちょっと嫌な予感がしてしまうのと、枠付き「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(12/18公開)はのせられて期待してしまい、枠付き「オデッセイ」(2/5公開)は見たい気にさせられる。ただ3Dはいるかなあ?


1つ前へ一覧へ次へ