2015年12月6日(日)「杉原千畝スギハラチウネ」

PERSONA NON GRATA・2015・日/ポーランド/米・2時間19分

(製作:日本テレビ放送網/東宝/D.N.ドリームパートナーズ/讀売テレビ放送/電通手ラッシュポニーキャニオン/読売新聞社/小学館/小学館集英社プロダクション/JTBグループ/中日新聞社/BS日テレ/シネバザール/STV・MMT・SDT・CTV・HTV・FBS・FBC)

日本語字幕:手書き風書体下/シネスコ・サイズ(Panavision)/音響不明

(日G指定)

公式サイト
http://sugihara-chiune.jp
(音に注意、全国の劇場リストもあり)

1935年、満州。満州鉄道外交部の杉原千畝(すぎはらちうね、唐沢寿明)は、同僚のイリーナ(アグニェシュカ・グロホフスカ)らとともにソ連から北満鉄道の経営権を買い取るための情報収集を行い、譲渡額を大幅に下げることに成功するが、協力を要請した関東軍の南川少尉(塚本高史)が暴走して犠牲者が出たことから辞表を提出。1人帰国すると、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語が堪能な杉原は、外務省に勤務することに。そして友人の菊池(板尾創路)の妹、幸子(ゆきこ、小雪)と知り合い、結婚する。杉原は任地にモスクワを希望していたが、北満鉄道の一件で「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として拒否され、リトアニア行きを命じられる。日本領事館設立の準備をしろと言うのだった。そして欧州情勢、そしてソ連の情報を手に入れよと。1939年、杉原は幸子と共に赴任し、職員募集で、ドイツ系のリトアニア人グッジェ(ツェザリ・ウカシェヴィチ)や、運転手としてポーランドから逃れてきたポーランド政府のスパイ、ペシュ(ボリス・シッツ)らを雇う。しかし、やがてナチス・ドイツがポーランドに侵入、多くのユダヤ人難民がリトアニアになだれ込んでくる。

76点

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 予想よりずっと良かった。実は、日本的なお涙ちょうだい物語になっているのではないかと思ったのだ。ところがそうではなく、人間「杉原千畝」を描いた、さわやかな感動をもたらす歴史物語だった。これなら日本だけでなく、世界中の人に見てもらえる作品なのではないだろうか。そんな印象。ボクはちょっとメインではない、JTBの大迫が「救いたいです」と言うところに感動し、思わず涙が……。もちろん杉原千畝が主人公で、凄い人なのだが、杉原1人ではなく、いろんな人が関わっていたのだと知らされた。ちょっとドキュメンタリーを見ているようでもあった。もちろん、よくある再現ビデオ的なものとはまったくレベルが違う。

 ちょっとハリウッド的だなと思ったら、監督はハリウッド系の人だった。撮影もハリウッド系の人で、それでこの高画質でハリウッドっぽい絵作りなんだと。たぶん日本人監督で、日本人カメラマンが撮っていたら、大分違うものになったのではないだろうか。ドイツ軍による虐殺シーンや進行してきた時のパレードなどの描写も、怖くて迫力があり、なかなか良い感じ。銃声も恐ろしい。ここも日本人監督では描けなかっただろう。

 悪い予感がしたのは予告のせいだった。たぶん予告は日本でつくっているのだろう。予告には主人公の杉原が、ユダヤ人の子供に「うん」と頷いて見せるカットがあって、いかにも作り物っぽくウソ臭いので、これでは……と思ったのだが、本編ではそういう使い方ではなく、切手集めが好きな少年に日本の切手をあげるシーンのものだったので、ごく自然だった。部分だけ切り取ると違った印象になるんだなあと。




【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定。金曜にムビチケカードで確保し、当日は15分前くらいに開場。ほぼ中高年、しかも高寄り。まあ当然かなと。男女比は6対4くらいで男性の方が多かった。女性が多いかと思ったが、第二次世界大戦がらみということで男性が多めだったのだろうか。最終的には232席に3.5割くらいの入り。ちょっと少ない感じ。予告のせいかなあ。もっと入っても良いと思う。

 スクリーンはシネスコで開いていて、気になった予告編は…… リメイクなのかよくわからないが、左右マスクの「の・ようなもののようなもの」は、内容より画質の悪さが気になった。酷い粒状感。ざらざらな感じ。劣化した古い映画みたい。1/16公開。

 四角の枠付き「64ロクヨン」(公式サイトはクッキーをオンにしないと見られない)は「このミス」で国内1位になった横山英夫のミステリー。64とは昭和64年のことらしい。昭和の話でも画質はとても良かった。なかなか面白そうだったが、またまた前後編の2部作。5/7と6/11公開。

 映写機のマスクが左右に広がって本編へ。


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