2016年2月20日(土)「X-ミッション」

POINT BREAK・2015・米/独/中・1時間54分

日本語字幕:丸ゴシック体下、佐藤真紀/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビー・サラウンド7.1も)

(米PG-13指定、日PG12指定)(3D上映もあり)

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/xmission/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

過激なXスポーツにはまっていたユタ(ルーク・ブレイシー)は、一緒にXスポーツをやっていた友人の死をきっかけに心機一転、23歳で高卒から大学を経てロー・スクール(法科大学院)を卒業し、FBIの採用試験を受ける。しかし担当官のホール教官(デルロイ・リンド)から、変わった経歴が問題になっていると呼び出され、一時的に仮採用しIDを出すから、本当にFBI捜査官になりたい気持ちを証明してみろと、Xスポーツを利用した事件の捜査を命じられる。Xスポーツに詳しいユタは、関連する2つの事件を詳細に調べ、日本人の環境活動家でXスポーツのエキスパート、オノ・オザキが提唱した「8つの修業」が実行されているのではないかと推理。10年に1度の大波が間もなくやって来るメキシコに派遣させてくれと申し出る。犯人達はきっとそこに来るというのだ。ホール教官は、ユタに現地のベテラン捜査官パパス(レイ・ウィンストン)と組むように命じる。

71点

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 うーむ、これは…… キャスリン・ビグロー「ハートブルー」(Point Break・1991・米/日)のリメイクということだが、リメイクというより、単に撮りたかったXスポーツ(エクストリーム・スポーツ)のスゴイ映像を映画にしたかっただけという印象。ストーリーはほとんどないに等しく、犯行理由という以前に、ちゃんとした犯行にすらなっていない感じ。人々に迷惑をかけ、ラストには人も死んだりしているが、それより犯人グループの「8つのチャレンジ」に挑む姿勢の方に重点が置かれ、なんだか過激な環境保護団体(エコ・テロリスト)とか新興宗教の映画みたいになっている。IMDbでは5.4点の低評価。

 映像そのものは凄いし、命知らずの技の数々は驚異的だ。だが、スゴイ割にストーリーなしの2時間は長過ぎで、退屈で、飽きる。何回もあくびが出た。しかも、売り文句で「ノーCG」とか言っているが、実際にはCG使いまくり。実際にやっている人たちの顔をフェイス・リプレイスメントで俳優達の顔に置き換えたりしている。なにしろ、エンド・クレジットで出る膨大な数のスタッフのほとんど半分はスタントで、残り半分はCGスタッフということからもわかる。ダメだって「ノーCG」なんて言っちゃ。現代映画でCGを使わない映画なんて、普通のドラマでも、ほぼ無いんだから。「ノーCG」なんて言う映画に面白い作品はないというのが通説になっているほど。あやしいと思ったが、やっぱり。グリーン・スクリーンのスタッフもクレジットされているし。ウソはいかんなあ。こんなことをするから、スタントで本当にやっている人たちの決死のスタントまでが汚される。

 10年に1度のアクション映画とか言っているが、これに関連するフレーズが本編で出てくるのは、サーフィーン・パートの大波が10年に1度来るという件。ここから取ったのか。


【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開初日の初回、新宿の劇場は話題作の公開があったのか、上映開始時間が被ったのか、ロビーは大混雑。人でごった返していた。12〜13分前に開場。ほぼ中高年の男性で、若い人は少し。オリジナル版の「ハートブルー」を見た人たちだろうか。女性は1/5〜1/6くらい。まあね。最終的には301席に4割くらい入っただろうか。この出来ではこんなものだろう。これから増えるとも思えない。

 スクリーンはシネスコで開いており、気になった予告編は…… 四角の枠付き「これが私の人生設計」は、いわゆるイタリアン・ロマンチック・コメディらしい。ただ予告だけでちょっとお腹いっぱいの印象で、ボク的にはもう充分かなと。「ポジティブだけじゃ、ダメかしら?」って、どっかで聞いたなあ。3/5公開。

 枠付きの「ボーダーライン」は、FBIの誘拐即応班の汚職の話らしい。激しいアクションだがそっち系か。ちょっと重いか。でも主人公が女性というのは面白そう。4/9公開。

 それにしてもかなり横長の「ヘイトフル・エイト」は色が濃くて、力強い絵だが、「オートマタ」は対照的に色が浅く、ビデオっぽい画質。大丈夫かなあ。何か意図があるのだろうか。それぞれ2/27公開と、3/5公開。

 左右のマスクが広がって本編へ。


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