日本語字幕:手描き風書体下、森本 務/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、DATASATも)
(米PG-13指定)(3D上映もあり)
1952年2月18日、真冬の嵐の真夜中、マサチューセッツ州ケープコット沖でT2タンカーの「ペンドルトン号」は船体が2つに裂け、船尾部がどうにか生き残った船員によって浮いていた。しかし、その直前に、同じT2タンカーの「マーサ号」が遭難しており、沿岸警備隊のほとんどはそちらへ向かっていた。そこでチャタム支局のクラフ司令官(エリック・バナ)は、1年前の海難事故で8名を救うことが出来なかった一等水兵のバーニー・ウェーバー(クリス・パイン)に、小型救助艇で危険な砂州を越えて救助に向かうように命じる。バーニーが志願者を募ると、リチャード・リヴシー(ベン・フォスター)、アンディ・フィッツジェラルド(カイル・ガルナー)、アーヴィン・マスキー(ジョン・マガロ)が手を上げる。
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広告の文句どおり、感動作だった。しかも、作り話ではなく、実話というのがスゴイ。アメリカはとんでもない悪人もいるが、とんでもない善人もいると。いつも人のために役立ちたいと思っていて、自分の命を危険にさらしてまでも助けに行く姿は本当に素晴らしい。誰がここまで出来るだろうか。いくら仕事でも、自分には出来そうもない。根性も技術も知識もない。ああ、情けない。 もちろん一方で、集団の中には和を乱すヤツがいるもので、これもリアリティとサスペンスを盛り上げてくれる。天候や機械の問題ではなく、人間が一番の問題点なのかもしれない。こういう時、人々を正しい方向に導くことが出来る人もいて、メンバーを変えても、そういう構成になるらしい。そして長続きする集団というのは、悪いのも良いのもいる集団なんだとか。それがよく伝わってくる。 そして、いつもいわれるように、最後まで諦めない心。そして冷静さ。これが大切。ただ、それはうまくいったから言えることで、ダメだった場合、うまく切り替えができなかったとか、判断が遅かったなどと言われることになるのだが……。でも、何もしないより、何かしようとして戦う姿は美しい。感動する。特にラスト、コンパスも失い、方向がわからなくなってからのスキッパー(船長)のバーニーのスピーチ「長い一日だった。希望はある。みんなで家に帰ろう」が泣けた。 大波の嵐の映像と音響効果は素晴らしい。まるで本当に海で撮影したような臨場感とリアルさ。沿岸警備隊のボートはまるで潜水艦のように水中を突っ切って進む。頼もしいなあ。 ラストのエンド・クレジットで、キャストの写真と、実際の本人の写真が対比で出る。かなりイメージは似てる。信じがたい話だが、やっぱり本当にあったんだって思わされる。親族はさぞ誇らしいことだろう。たった4人が、定員12人の救助艇で、32人の生存者を救った。これは沿岸警備隊史上、最も多い救出人数らしい。4名には「金の救助メダル」が授与されたという。 ついでながら、やっぱり手描き風の字幕は味があって良いなあ。 【ただいま執筆中。少々お待ちください】 公開2日目の2D上映初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は15分前くらいに開場。プレミアム席のあるスクリーンで、最初10人ほどいて若い女性が2人いたほかは中高年。男女比は5.5対4.5でちょっと男性が多い感じ。最終的にプレミアム席8席中3席が埋まったものの、一般席は200席の3割ほどしか埋まらなかった。なぜだろう。すごいのになあ。みな3D狙いか。 スクリーンはカーテンなしのむき出しで、シネスコサイズ。気になった予告編は…… 四角の枠付き「シビル・ウォー」は、キャプテン・アメリカンが主人公で、政府からヒーロー活動を禁止されて、それを友人のため破るとか何とか。そしてアイアン・マンがそれを止めると。ちょっと「バットマンvsスーパーマン」とか「ウォッチマン」っぽいなあ。でもすごそう。4/29公開。 左右マスクの「インサイダーズ」3/11公開や、枠付きの「マネー・ショート」3/4公開は、従来通りの予告。公開が近いのに同じパターンか。ちょっともったいな気も。 |