2016年5月15日(日)「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」

CAPTAIN AMEICA:CIVIL WAR・2016・米/独・2時間28分(IMDbでは147分)

日本語字幕:手書き風書体下、林 完治/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA、IMAX ALEXA、Panavision)/ドルビーAtmos(IMDbではドルビー・デジタル、IMAXは12トラック・デジタル・サウンドも)

(米PG-13指定、独12指定)(日本語吹替版、IMAX版、3D上映、MX4D上映もあり)
公式サイト
http://marvel.disney.co.jp/movie/civilwar.html
(全国の劇場リストもあり)

ヒーロー軍団「アベンジャーズ」の活躍で世界の平和は守られたが、ソコヴィアの街は破壊され、一般市民にも犠牲者が出てしまった。そこで「アベンジャーズ」の活動を制限するため国連委員会の管理下に置くことがアメリカのロス国務長官(ウィリアム・ハート)から告げられる。「アベンジャーズ」のメンバーは話しあった結果、今後も活動を続けるため従うべきだというアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)派と、行動を規制されては目の前で助けを求める人を救うことができないと反対するキャプテン・アメリカ(クリウ・エヴァンス)派に別れてしまう。そんなとき、ウィーンの国連ビルでテロが発生し、巻き込まれたブラックパンサーことティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)の父親が死亡してしまう。そして監視カメラの映像解析から容疑者としてキャプテン・アメリカの親友ウィンター・ソルジャーことバッキー(セバスチャン・スタン)が指名手配される。

78点

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 面白かった。痛快SFヒーロー・アクション。すごいビジュアルとサウンド。ただ内容は荒唐無稽で、ストーリー展開も良くあるパターン。コミュニケーション不足から誤解が生じて敵対してしまうと。しかも、ちゃんと話をすればいいものを、敢えて黙っていてそうなってしまうというのは、ハリウッド映画によくある強引な手法。それでも、それをあまり感じさせずストーリーを転がしていき、それなりの感動を生み出すというのはさすが。印象としては「キャプテン・アメリカ」というより団体戦の「アベンジャーズ」という感じ。ソーやバナーはいないが、代わりにスパイダーマンやアントマンがゲスト出演する。新しいキャラはブラックパンサーか。

 たぶんアクションが主体で、ジェットコースターばりに次々といろんなことが起こって展開が早く、余計なことを考えるヒマを与えないのだろう。そしてそのアクションが無駄なものではなく、ちゃんと理由があって納得できるものなのだ。そして行き過ぎることなく、ちょっと想像を超えるくらい派手で、ギャグというか笑いも入れて、マニアもニヤリとさせてしまうようなネタも取り込んで、自然な流れで見せると。無理がない。あり得ないアクションも、その場で本当に起こっているようだ。

 そして、たくさんの登場キャラクターに、ストーリーの流れを遮らない形で、無理なく見せ場を盛り込んでいる。これなら、それぞれのファンも納得だろう。そしてそれを知らなくてもちゃんと楽しめる。そういう意味で希有な映画とも言えるのでは。

 ただ、映画の中でも問題になっているように、街とかビルとか、公共施設とか、壊し過ぎ。いらく悪との戦い、街を守るための戦いとか言っても、ここまで壊したら本末転倒な感じはする。守より壊してるじゃん、と。そこが大きな矛盾かも。

 今回もスタン・リーは出て来る。FedExの配達員か。

 出演者はおなじみのメンバー。マイティ・ソーとハルク(ブルース・バナー)はいない。またペッパー・ポッツもいない。新たにスパイダーマン(ピーター・パーカー)役でイギリス生まれの20歳、トム・ホランド「白鯨との闘い」(In the Heart of the Sea・2015・米/豪ほか)で新米船員を演じていた人が加わっている。家で使っていたパソコンはMac SE30か。

 またアントマンはウルトラマン並みに巨大化して驚かせてくれるが、本当に「アントマン」(Ant-Man・2015・米)でアントマンを演じたポール・ラッド。

 さらに、毎回の目玉の大物としては、ロス国務長官に「アルタード・ステーツ/道への挑戦」(Altered States・1980・米)の名優ウィリアム・ハート、そしてピーター・パーカーのおばさんメイ・パーカーに「忘れられない人」(Untamed Heart・1993・米)のマリサ・トメイ。どうも先のトム・ホランドとアイアンマンも合わせて「スパイダーマン」を作り直すらしい。

 ボク的に一番印象に残ったのは、声の出演だけだった人工知能のジャーヴィスから生まれたヴィジョン。このメイクだと演じているポール・ベタニーがまるで人形のようで、左右対称の整った完璧な、人間離れした顔に見える。そして、本作では、最強のように見えるから1人で解決できそうだが。

 脚本は「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(Captain America: The First Avenger・2011・米)シリーズをすべて手がけているクリストファー・マルクスと、ステファン・マクフィーリーの2人。ともに「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe・2005・米/英)シリーズも書いている。本作はしゃれたセリフが良い。

 監督はアンンソニー・ルッソとジョー・ルッソの兄弟。「ウェルカムトゥコリンウッド」(Welcome to Collinwood・2002・米/独)で注目され、その後TVのコメてディ・シリーズを手がけて、シリーズ第2作の前作「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(Captain America: The Winter Soldie・2014・米)から監督するようになった。

 銃はM4カービン、SG551、シュタイアTMP、グレネード・マシンガン、グロック、マカロフ、S&Wオート、MP5、ポンプ・ショットガン、60連ボックス・マガジンを付けたミニミM249パラトルーパーなど。AUGもあったような……。

 公開17日目の字幕・通常版初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は10分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、半分ほどが20〜30歳くらいの若い人たちという感じ。男女比は6対4くらいで男性方がやや多かった。外国の人が2人ほど。最終的には127席に8割ほどの入り。

 気になった予告編は…… 左右マスクの「アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜」は日本語ナレーションの新予告。なんだか面白そう。7/1公開。

 左右マスクの「ジャング・ブック」は日本語ナレーションの新予告に。以外と動物達がしゃべるのは、英語のせいか違和感がない。面白そう。予告で泣きそうに……8/11公開。

 マスクが左右に広がってから、またまた実写版の「スター・ウォーズ」。えっ、続編の方かと思ったら、違った。スピン・オブ版的な「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」だった。印象としてはデス・スターの情報を盗み出すエピソード3の前日談かと思ったのだが、公式サイトによると「3」と「4」をつなぐものらしい。まあ「2」はすでに作られているからなあ。またまた女性が主人公のようで、ほかにフォレスト・ウィテカーやドニー・イェンも出ている。とにカッコいい予告。鳥肌が立ちそうだった。12/16公開。

 シネスコ・サイズのまま、暗くなって本編へ。本編終了のクレジットの後、映像があるので、すぐに席を立たないように。


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