2016年5月29日(日)「エンド・オブ・キングダム」

LONDON HAS FALLEN・2016・英/米/ブルガリア・1時間39分

日本語字幕:手書き風書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(表記なし。IMDbではデジタル、Red)/ドルビー・デジタル(表記なし。IMDbによる)

(英15指定、米R指定、日PG12指定)
公式サイト
http://end-of-kingdom.com
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

武器を密売し、世界各国でテロを起こしているバルカウィ・ファミリーが親族の結婚式でパキスタンに集まっていることを知ったアメリカのCIAはドローンにより爆撃を実行する。2年後、イギリス首相が亡くなる。アメリカ大統領(アーロン・エッカート)は、シークレット・サービスの長官リン・ジェイコブス(アンジェラ・バセット)にテロが多いのでやめて欲しいと要望されるが断り、葬儀への参加を決心する。赤ちゃんが産まれるため退職を考えていた警護官のマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)も警護のため同行を決める。葬儀当日、世界40カ国以上の首脳が集まる中、8時30分を過ぎた頃、同時多発爆弾テロが発生。それぞれ会場に向かおうとしていたドイツ、カナダ、日本、イタリア、フランスの首相が殺害される。アメリカ大統領も狙われるが、シークレット・サービスの身を挺した活躍で、からくも大統領はバニングと共に車で脱出、ヘリへと向かうが……。

76点

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 超B級という感じの、荒唐無稽な冒険活劇だが、スッキリ壮快! 痛快アクションだった。面白かった。決して諦めず、大統領を守り抜き、邪魔する敵は容赦なくたたきつぶす。あり得なくても、映画だから許される唯我独尊の大暴走。

 久々に理屈抜きで楽しめた。たぶん多くの人は、こんなことができたらと心の中では思っているだろう。超人的な能力を発揮して、悪党を完膚無きまでにやっつけ、正義のためにためらわず無情に使命を果たす。捕まえた敵の断末魔の声を無線で敵に聞かせる。「殺す必要があったのか」と聞かれるとキッパリと「いいえ」と答える。こんなことは許されない。いくら悪いヤツ相手でも、普通はためらうだろう。それを瞬間もためらうことなくやってくれる。映画だから。そこが気になると評価は低くなるだろう。

 とにかく一生懸命。全力で走り、全力で殴り、全力で撃ち、全力で救う。この疾走感。次から次へと戦いが起こって、テンポが緩むのはほんのわずか。ほぼ全編戦いっぱなし。しかも敵が徹底的に悪い。だからノー・マーシーでも後ろめたさを感じさせない。同情の余地まったくなし。ここもうまい。それでも、ちゃんと主人公の気持ちは伝わってくる。すごいなあ。IMDbではわずかに6.0点。ボクは良かったと思う。

 前作「エンド・オブ・ホワイトハウス」(Olympus Has Fallen・2013・米)の続きという設定のようで、主要キャストは全員同じ。ただ舞台がイギリス・ロンドンになると。そして99分だが中身がぎっしり詰まっているので110〜120分くらいの充実感。

 ジェラルド・バトラーはアメリカ人かと思っていたが、イギリス生まれ。たぶんタクティカルのトレーニングを受けているのだろう。体のさばきや銃の扱いが巧い。ただ何カットかで、トリガーに指がかかっていたような。本シリーズではプロデューサーも担当。本作の前にコメディの「スマイル、アゲイン」(Playing for Keeps・2012・米)に、自身の製作で出ている。対照的なジャンルの作品に出て、イメージが固定しないようにしているのだろうか。

 アメリカ大統領も前作から引き続きアーロン・エッカート。本作の前にホラー「アイ・フランケンシュタイン」(I, Frankenstein・2014・豪/米)に出ているが、小劇場での公開で見ていない。その前に「陰謀のスプレマシー」(Erased・2012・米/加ほか)でアクションを撮っている。アクションも行ける人だ。

 アメリカ副大統領も前作から引き続きモーガン・フリーマン。やっぱり存在感がある。最近、紀里谷和明監督の「ラスト・ナイツ」(Last Knights・2015・英/韓)に出ていて、イリュージョン・ミステリーの続編「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」(Now You See Me 2・2016・米)に出るらしい。

 銃は、冒頭の結婚式のガードがAKを持っており、バニングはP226(imfdbでは最新のP229。そっくりだがちょっと短い)、スコットランド・ヤードの特殊部隊がMP5、PSG-1。バッキンガム宮殿の衛兵はL85A2。テロリストのリボルビング・グレネード・ランチャーはミコールMGL。ほかに1つまえのP229、AKクリンコフ、AKS、G36C、HK416など。H&KのP30もあったような。大物ではスティンガー・ミサイルも出てくる。

 アーマラーは、IMDbによるとジョン・ベイカー、デイヴィッド・ベイリス、リアム・マッカートニーら。映画のクレジットではバプティ&Co.という社名もあった。ロケ場所で違うということもあるだろう。スーパー・バイザーのジョン・ベイカーは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(Avengers: Age of Ultron・2015・米)や「ビトレイヤー」(Welcome to the Punch・2013・英/米)も手がけている。

 パソコンはMacBookとDELLノートが半々。 どういう使い分けをしていたんだろう。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定だが、ムビチケカード対応館ではないので、金曜にムビチケカードを直接カウンターへ持っていって座席を確保。こういう手もあるんだ。チケット販売所で教えてもらった。その場でスクラッチを削る。当日は7〜8分前にようやく開場。それまでアニメを上映していたので、混んでいたらしい。スケジュールの組み方を間違ったのでは? 入場したらすでに案内が始まっていた。

 ほぼ中高年の男ばかりで、ここはいよいよアニメ&オヤジ映画館か。最近内装を茶色系から一部(エレベーター前や案内所)を白系に明るく改装したので、ちょっと雰囲気が良くなったようだが、全体は相変わらず場末感が……。最終的に251席に4割くらいの入りは、まあまあか。女性と若い人はわずか。ただ、そんなに混んでいないのに、斜め前に劇場一、座高の高いヤツが座って、ヘッド・レストから頭が飛び出ていて、スクリーンが見にくかった。こんなヤツがいるんだ。ビックリ。帰りに立ち上がったら、そんなに背は高くなかった。2度ビックリ。

 スクリーンは1.66ヨーロッパ・ビスタで開いており、気になった予告編は…… 上下マスクの「エクストラクション」はブルース・ウィリスとジーナ・カラーノのB級アクションという感じ。うーん。劇場によるかなあ。またまたチラシで飛んでる薬莢がヘン! 6/25公開。

 大人気アニメ「ワンピースフィルムゴールド」はさすがアニメ館という感じ。13作目か、スゴイなあ。7/23公開。

 綾野剛主演の「日本で一番悪い奴ら」は日本警察史上、最大の不祥事を描くものらしい。しかも実話なんだとか。6/25公開。

 「貞子vs伽椰子」は、なんだか予告勝負という感じ。大丈夫か。バケモノにはバケモノをぶつけるらしい。それで助かると。6/18公開。

 ジェイソン・ステイサムの新作は続編で「メカニック:ワールドミッション」って、「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」(The Expendables 3・2014・米/仏ほか)か! タイトルで嫌な予感。期待していたのに。9/24公開。

 少し上下マスクの「インディペンデンスデイ:リサージェンス」は新予告。それでも見飽きた映像が多く、見どころがないのか…… 危なそうな予感。7/9公開。

 上下マスクの「ラザロ・エフェクト」は死者を蘇らせる話だそうで、なかなか怖そう。オリヴィア・ワイルドの主演。B級は明らかとしても、ちょっとヤバイ感じも。6/11公開。

 上下マスクの「デッドプール」は新予告のようだ。もうすぐ公開だし。デザート・イーグルを2挺も持ってる。重そうだなあ。R15+指定だし。6/1公開。

 マスクが左右に広がって、映画泥棒のあと暗くなって、本編へ。と、ここで入ってくるヤツが。しかも席が中央って、じゃまだなあ。


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