2016年6月18日(土)「10クローバーフィールド・レーン」

10 CLOVERFIELD LANE・2016・米・1時間44分

日本語字幕:手書き風書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(デジタル、in Panavision)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビーATMOS、D-Cinema 48kHz 7.1も)

(米PG-13指定)(IMAX版もあり)
公式サイト
http://10cloverfieldlane.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

恋人のベン(声:ブラッドリー・クーパー)と分かれて車で家を出たミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンスレッド)は、人里離れた田舎道で事故を起こし気を失ってしまう。気がつくと独房のような部屋の中。点滴が打たれていて、手錠で壁につながれていた。そこへハワードと名乗る男(ジョン・グッドマン)が入ってきて、事故で倒れているのを見つけ、ここへ運んで治療したという。そして、ここは自分が庭に作ったシェルターで、外界は奴らの化学か核による攻撃を受け、大気が汚染されて人間は生きていくことが出来ないという。警察に連絡できないどころか、電波が飛んでいないので無線通信も不通だと。その言葉を裏付けるように、外からここのシェルターに入ろうとする近所の女性がやってきてドアを叩いたが、小窓から見えた顔は焼けただれたようになっており、やがて死んでしまう。またシェルターにはここに逃げ込んできたという若い男性がいて、エメット(ジョン・ギャラガー・ジュニア)と名乗った。しかし、そこで暮らす内、ミシェルはハワードの言うことに疑問を感じるようになる。

72点

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 キャッチは引っかけ。彼ら=侵略者はあまり関係ない。9割くらいは拉致監禁の話。ほとんど「白い沈黙」(The Captive・2014・加)や「ルーム」(Room・2005・アイルランド/加/米)と同じ。ラストの1割がSFチックな、そして付け足したかのようなSFアクション。「クローバーフィールド/HAKAISHA」(Cloverfield・2008・米)とは似ても似つかない。つまり続編じゃないわけだ。ジャンルが似ていると思わせるために同じ単語を使ったとも思えなくもない。拉致監禁映画としてはちょっと退屈。眠かった。

 出演者はほぼ3人だけ。場面もほとんど地下のシェルター内のみと、非常に低予算なのではないだろうか。想像力をたくましくすれば、それを大物プロデューサーで監督でもあるJ.J.エイブラムスが加わったことで、ちょっと予算が増えて、有名俳優を使ってSFアクションのテイストで作ることになったと。そんな気さえする映画。SFアクション・シーンも、ほとんど予告で使っていたシーンのみだし。

 また、もう1つの見方をすると、これはTV連続ドラマのパイロット版とも言えそうな作り。やっとこれから本編が始まると。

 確かに、拉致監禁の話だけでは他にも出来の良いものがたくさんあるわけで、こういったSFチックな味付けをしたことで映画化できたのかもしれない。ただなあ……。とはいえ、IMDbでは7.4点の高評価。

 主役となるミシェルはメアリー・エリザベス・ウィンスレッド。「ダイ・ハード4.0」(Live Free or Die Hard・2007・米/英)でジョン・マクレーンの娘を演じていた人。大人になったなあ。「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」(Scott Pilgrim vs. the World・2010・米/英/加/日)では主人公が惚れるヒロインの役だった。その後作品に恵まれず、そして本作。

 ハワードと名乗る不気味な男はジョン・グッドマン。コミカルな印象の人だが、本作ではかなり怖い。最近ジョージ・クルーニーの「ミケランジェロ・プロジェクト」(The Monuments Men・2013・米/独)で、ちょっとコミカルな役を演じていた。

 脚本は3人。ジョシュ・キャンベル、マット・ストゥーケン、デイミアン・チャゼル。ジョシュ・キャンベルとマット・ストゥーケンは本作の原案も担当。ここに問題ありか。ジョシュ・キャンベルは編集畑から脚本家になったようで、マット・ストゥーケンとともに前に「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」(The Chronicles of Narnia: Prince Caspian・2008・米/ポーランドほか)の編集を担当している。デイミアン・チャゼルが脚本メインの人で、小劇場公開だったスリラー「グランドピアノ 狙われた黒鍵」(Grand Piano・2013・西/米)の脚本や、アカデミー賞を含む多くの賞で高く評価された「セッション」(Sesshon・2014・米)の脚本、監督をやっている。ハワードの異常さはこの人のおかげかも。

 監督は

 銃はハワードがステンレスらしい4インチのリボルバーを持っている。



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 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、前日に確保。当日は10分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年までいたが、メインは最初中高年が多かったものの、最終的にはだいたい均等の感じに。あいかわらず遅れてくる人が多く、どのくらい埋まったか確かではないが、たぶん117席の5.5割くらいか。男女比は20人くらいいて女性が2〜3人といった感じ。

 気になった予告編は…… なんだかB級の匂いがプンプンした四角の枠付き「ロスト・バケーション」。サメ映画で、岸がすぐ近くの岩場で孤立してしまう物語らしい。サメがいて岸にたどり着けないと。そして潮が満ちてくる。7/23公開。

 枠付き「ウォークラフト」は、またまたタイトルがなかなか出ないダメ予告。予告で一番大事なのは、タイトル。それからいつから公開かだろう。それを一番最後に一瞬だけ出すなんて。どうやって覚えればいい? SFXは凄そう。7/1公開。

 マスクが左右に広がって、シネスコ・サイズになって本編へ。拉致監禁、密閉空間の話なのに、IMAXなんているのかなあ。


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