2016年6月25日(土)「ダーク・プレイス」

DARK PLACES・2015・英/仏/米・1時間53分

日本語字幕:丸ゴシック体下、岡田壮平/シネスコ・サイズ(デジタル、ALEXAマーク)/ドルビー・デジタル(IMDbではDATASATも)

(英15指定、仏12指定、米R指定、日PG12指定)

公式サイト
http://dark-movie.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1985年、カンザス州の田舎の1件の農家で惨殺事件が発生する。母親と幼い2人の娘が殺された。末娘の7歳のリビー(スターリング・ジェリンズ)はかろうじて難を逃れ生き残る。犯人は、日ごろから悪い評判のあった長兄の高校生ベン(タイ・シェリダン)と見られ、リビーの証言で有罪となる。2015年、支援者からの寄付や、自伝の出版でなどでまったく働くことなく暮らしてきたリビー(シャーリーズ・セロン)は、弁護士から呼び出され、残金が482ドルしかないことを告げられる。そして、資金提供を申し出ているところがあると、「殺人クラブ」を紹介される。現金に惹かれ、しかたなく会合に出席すると、大きな殺人事件の謎を追っているグループの質疑に答えることに。すると、自分の証言で兄のベンが有罪となって刑務所に収監されていたが、おかしな点があることを指摘される。そして、兄の無罪を信じる人たちに、事件から10年以上経った証拠は、あと3週間で捨てられてしまうと告げられる。事件のことはほとんど忘れ、興味を持てないリビーだったが、クラブの代表者ライル(ニコラス・ホルト)から事件を調べてくれと、ファイルと現金を渡される。そして、兄のベンに会ってくれと。リビーはあなた達が間違っていると証明してやるわと動き出すが……。

72点

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 予告の失敗かなあ。予告から想像できるものと違った、ちゃんとしたミステリーだった。しかも、かなり怖い。予告では、幼い少女が見もしなかったことを証言して、肉親である兄が28年も刑務所に入れられたドラマ……的な予告だった。キーラ・ナイトレイの「つぐない」(Atonement・2007・英/仏/米)的なドラマ。その後悔と苦悩。たしかにそんな部分も少しは描かれているが、それよりはむしろ、30年前に何が起きたのか。そして犯人は誰かにフォーカスされている。それがなかなか衝撃的。

 貧乏はどの国にもあって、アメリカにもこんな悲惨な話があったと。アメリカ農民の苦悩。「怒りの葡萄」(The Grapes of Wrath・1940・米)なんかを彷彿とさせる、切なく、やるせない物語。子供が4人もいるのに、金をせびりにだけ来る夫。父と母から譲り受けた農場の経営は行き詰まり、農器具を売らねばならなくなり、家賃も滞納で、ついには差し押さえ……。楽しみを、友だちに求め、悪へ染まっていく兄。子供のたわいもない嫉妬から来る嘘。大人に誘導されるままにした証言…… 悪いことが重なって大きな悲劇になる。金さえあれば…… 「金だけあっても」と金のある人は言うだろうが、ここでは、金さえあれば事件は起きなかったかも。辛い。

 みんな悲惨な過去を持っているせいか、登場人物のほとんどが悪い奴ら。犯罪者ギリギリというか、片足突っ込んでいるような奴らばかり。同情はするが、日本人的には許せる限界を超えているような。だから、かわいそうなのだが、主人公にも感情移入しにくい。せめてもう少しまともで、やたらに「ファッキン」を使わないような女性だったら、印象は大きく変わったかも。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開2日目の初回、新宿の劇場版席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は15分前くらいに開場。観客層は意外と若い人も多く、中高年まで幅広かった。男女比は8対2くらいで、ほとんど男性。最終的には122席の3.5割くらい、4割行ったかどうかというところ。まあ地味な作品で、広告もあまりしていないので、こんなものか。

 気になった予告編は…… 四角の枠付き「ウォークラフト」は新予告に。ファンタジーな感じと、強烈なアクションの組み合わせ。どうだろう。7/1公開。

 左右マスクの「アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜」は新予告。間もなく公開だ。とにかくこのイマジネーションはスゴイ。素晴らしいビジュアル。eろいろトラブルがあって、ジョニー・デップがマイナス要素になるかも。7/1公開。

 暗くなり、マスクが左右に広がって本編へ。


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