2016年7月16日(土)「死霊館 エンフィールド事件」

THE CONJURING 2・2016・米/加・2時間14分

日本語字幕:手描き風書体下、佐藤真紀/シネスコ・サイズ(デジタル、IMDbではArri ALEXA)/ドルビー・デジタル(IMDbではドルビーATMOSも)

(米R指定、加14A指定、日PG12指定)

公式サイト
https://warnerbros.co.jp/c/movies/shiryoukan-enfield/
(音に注意。情報少。全国の劇場リストはあり)

1976年、アミティ・ヴィル事件でラッツ一家の調査を行った心霊研究家のエド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ヴェラ・ファーミガ)のウォーレン夫妻。そこで霊能のあるロレインは修道女のような装いの異形の者の姿を見、また夫のエドが惨殺されるイメージを見てしまう。危険を感じた夫妻は調査を中止するが、舞い込みの格好の餌となり、それを逃れひっそりと暮らすことにする。そんなころ、イギリスのエンフィールド、母子家庭のホジソン一家は、突然ポルターガイスト現象に悩まされることになる。心霊調査協会や大学の研究者、はては警察まで出動することになるが、自作自演なのか結論が出せなかった。教会は最終的な判断をウォーレン夫妻に依頼する。証拠が出れば教会として対処するという。早速エンフィールドへ向かった夫妻だったが……。

74点

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 実話の映画化。怖いというより、むしろ感動的なホラー。良くできている。ゲテモノ過ぎず、カップルで暑気払い的に見るのにピッタリかも。

 話はエスカレートし、とんでもない(日本人的にはちょっと信じがたいし、あまり怖くない)方向に話は展開していくが、映画的で良くできていると思う。これだけ大ぶろしきを広げておきながら、ちゃんと解決して見せるところも見事。一体どうなるのか、放り投げるのかと思いきや、主人公達は思い直し、命を懸けて戻る。まだまだこの夫婦の続編はできそうだ。

 前作も怖くて、良くできたストーリーだったが、今回も期待を裏切らない。ただ、どうしても音で脅かす手法は捨てられなかったらしい。いきなり何かが現れるシーンなど、必ず「ドカン」とかの大きな音を使う。どうかんがえてもこの環境でそんな音を立てる物はないというのに。現れるだけで音がするわけがない。ビックリさせるための低レベルな脅し。この監督はそんな物は必要ないはずだ。

 興味深かったのは、監督を務めるジェームズ・ワンが製作を担当した「ライト/オフ」(Lights Out・2016・米)の予告が直前にあり、予告にも関わらずそちらのほうが音で脅かすことなくかなり怖かったこと。客席のカップルからは「これは(怖すぎて)見れないなあ」の声が上がったほど。見たいけど、小劇場での限定公開……。

 もっとも感動的だったのは、被害を受けている母子家庭の一家を前にして、調査に来たウォーレン夫妻の夫、エドが明るさをもたらそうとしてギターを弾きながら歌うところ。プレスリーの曲「好きにならずにいられない」が、意外とはまっていた。まるでエドが父代わりになって、久しぶりに一家団欒が訪れたような感じ。感動的だった。

 逆に残念だったのは、音で脅かすことのほか、幽霊話から悪魔話へとエスカレートするのだが、どうもそこが日本人的にはピンと来ない。宗教絡みの話だし、幽霊より悪魔が上的な位置づけがどうにもピンと来ない。ビジュアルが「地獄のシスター」みたいだし。シスターは姉妹ということではなく、教会の修道女のほうだが。

 ホラーながら有名俳優もたくさん出ているのも珍しい。脅すだけじゃなく、ちゃんとドラマになっているわけで、演技力も必要とされたということだろう。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開8日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にたまったポイントで確保。当日は13〜14分前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、ホラーらしく若い人のほうが多く 2/3くらい。男女比はスプラッターではないからか、4.5対5.5くらいで女性のほうが多かった。実話だし。最終的には127席ほぼすべて埋まった。キャパが小さいとは言え、2週目でこの入りは優秀ではないだろうか。ちゃんとできているから、当然という気もする。邦画のホラーのようにがっかりさせられることはない。デート・ムービーとしては、怖さもちょうど良いのではないだろうか。

 スクリーンはシネスコで開いており、気になった予告編は…… 左右マスクの「彼岸島デラックス」はティーザーで「ハアハア」という息の音と顔のみで、あとは不明。10/15公開。

 四角の枠付き「秘密THE TOP SECRET」は新予告に。8/6公開。

 左右マスクのアニメ「アクセルワールド」は予告ではほとんどわからないが、知ってる人はこれで充分なのだろう。7/23公開。

 衝撃的だったのは枠付き「ミュージアム」。かなり怖そう。そしてなかなかのバイオレンス。カエル男のヌメヌメ感がすごい。ただ内容的にはブラッド・ピットの「セブン」(Se7en・1995・米)的な感じも。使っていた銃はガバメントか。11/12公開。

 枠付き「ターザンREBORN」も新予告に。悪役らしいクリストフ・ヴァッルツがいい感じ。サミュウル・L・ジャクソンはどっちなんだろう。7/30公開。

 枠付き「ライト/オフ」は音で脅かすことなく、かなり怖い。予告でこれだけ怖いと、本編はどれほどか。暗闇の恐怖。客席がみんな息を飲むような感じが伝わってきた。限定公開のようだが、上映劇場がなあ……。8/27公開。

 マスクが左右に広がって、暗くなって、本編へ。それにしても、直前の予告が怖過ぎ。


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