2016年8月20日(土)「ゴーストバスターズ」

GHOSTBUSTERS・2016・米・1時間56分

日本語字幕:丸ゴシック体下、栗原とみ子/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA、IMAX)/ドルビー・デジタル(IMDbでは、DATASAT、ドルビーATMOS、Auro 11.1、12-Track Dogital Soundも)

(米PG-13指定)(日本語吹替版、3D上映、4D上映もあり)

公式サイト
http://www.ghostbusters.jp
(全国の劇場リストもあり)

コロムビア大学で物理学を教えるエリン教授(クリステン・ウィグ)のもとに、マクグレイヴと名乗る男性(エド・ベグリーJr.)がやって来て、NYの幽霊屋敷として知られるマクグレイヴ邸に本当に霊が出たので調査して欲しいという。なんでも、過去にエリンが友人と出版した心霊現象の本を読んで訪ねてきたという。その本のことを恥じていたエリンは、すべて燃やしたものと思っていたが、アマゾンで売っていたという。そこでしばらく会っていなかったヒギンズ大学の共著者アビー教授(メリッサ・マッカーシー)の元を訪れると、技術者のホルツ(ケイト・マッキノン)とともに現在も超常現象の研究を続けており、生活のために本を売っているという。本物の霊が出たのなら調査したいから、マクグレイヴに紹介してくれれば本の販売をやめるという条件で、マクグレイヴ邸に3人で調査に行く。そこで本物の霊に遭遇し、その映像をYouTubeで流したことから、エリンもアビーも大学をクビになってしまう。したかなく3人は中華料理店の2階を借りて、研究を続け、霊を捉えてその存在を証明することに。すると、チラシを見て地下鉄の職員パティ(レスリー・ジョーンズ)が、地下鉄に霊が出たとやって来る。

72点

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 うーむ、これは…… コメディなんだけど、あまり笑えない。お下劣過ぎ。下ネタも、かなり際どいものが多いし。せめて笑えれば帳消しになるのだが、2〜3カ所かなあ、笑えたのは。

 オリジナルというか第1作の「ゴーストバスターズ」(Ghostbusters・1984・米)もくだらない部分は多かったけれど、当時はそこそこ笑えた気がする。昨日TVの放送を見たらあまり笑えなかったが……。感じとしては、どうも、第1作のオリジナル版の骨組みをそのままに、女性に置き換えたものというようなイメージ。1980年代は光学合成だったから、いろいろと難しい部分はあった。それを最新のデジタル技術でリアルに描くと。それでもオリジナルに対するリスペクトは感じられる気がした。オリジナル・キャストもほとんどゲストで出ている。リック・モラニスは出ていなかったようだが(ホテルからストレッチャーで運び出された人がそうかと思ったけど)…… そしてラストに「ハロルド・ライミスに捧ぐ」と出る。ハロルド・ライミスは難病で2014年に亡くなっているらしい。

 結局、気持ちに技術が追いつかなかったか。ギャグというより悪ふざけ寸前。その比率はギャグ4対悪ふざけ6くらいかなあ。キャラクターのほとんどはおバカ。説得力ゼロ。唯一の男性メンバー、ケヴィンなんて想像を絶するバカ。観賞用!?  酷過ぎ。バカがバカをやるんじゃなくて(それで単なるバカ騒ぎだ)、割とまじめな人がついやってしまうことがおバカな方が、たぶん日本人的には面白いのではないだろうか。アメリカ人は笑えるのだろうか。当然、英語的なセリフの面白さもあるだろうけど。IMDbでは5.5点の評価。

 戦いのシーンはなかなか面白かった。ほとんどはオリジナル版のパターンだが、バリエーションとして武器の種類が増えていたり、曲に合わせて格闘技のように戦ったり。気になったのは、オリジナル版のホテルで残飯を漁っていた緑のモンスターはゲストというか友情出演としても、マネキンに憑依していたゴーストは、人じゃなくてガーゴイルみたい。まあオリジナルも最後はゲート・キーパーとかキー・マスターは獣っぽくて、ボスのズールーも悪魔っぽかった。結局西洋は幽霊より悪魔のほうが怖くて、上だという考え方なのだろう。

 難しそうな言葉を並べて無意味なことをしゃべるセリフも酷過ぎ。ちゃんとそのことがわかる専門家に頼むとかして、もっと説得力のあることを盛り込まないとなあ。

 特別出演か、ロックフェスではオジー・オズボーンが一言出演。またオリジナル・キャストのタダン・エイクロイド(製作総指揮も兼務)、ビル・マーレイ、シガーニー・ウィーヴァー、アーニー・ハドソンらも出ている。

 主人公という感じのエリン教授はクリステン・ウィグ。あまり日本ではなじみが無い感じだが、どこかで見たと思ったらベン・スティラーの監督・主演で「虹を掴む男」(The Secret Life of Walter Mitty・1947・米)をリメイクした「Life!/ライフ」(The Secret Life of Walter Mitty・2013・米)に主人公の憧れの女性を演じていた。基本、美人。本来はコメディ系の人だったとは。美人だが、本作では「Life!」ほどではない。不思議。最近だと、やはりシリアスSFの傑作「オデッセイ」(The Martian・2015・米/英)にも出ている。コメディ以外の方が向いてる?

 アビー教授はメリッサ・マッカーシー。フォーブス誌が毎年発表する「世界で最も稼いだ女優」2位。去年よりも1000万ドル(約10億円)多い3300万ドル(約33億円)を稼いだ。自身が手掛けるファッションラインから多額の収入を得ている。1位はジェニファー・ローレンスで、2015年6月から2016年6月の間に4600万ドル(約46億円)を稼ぎ出したという。スカーレット・ヨハンソンンが3位で2500万ドル(約25億円)。しかし、たぶん日本ではメリッサ・マッカーシーはほとんど知られていないと思う。人気TVシリーズ「ギルモア・ガールズ」で有名になったらしい。映画では「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」(Bridesmaids・2011・米)でアカデミー賞助演女優賞ノミネートされているのだとか。見ていないので、何とも……。

 金髪のおバカキャラ、技術者のホルツはケイト・マッキノン。主にTVで活躍しているようで、たぶん日本ではほとんど知られていない。残念なお下劣映画「テッド2」(Ted 2・2015・米)に出ていたらしいが、本作でも爆弾を踏んでしまった感じ。この役では注目されないないのでは。

 地下鉄の女性職員パティはレスリー・ジョーンズ。この人もTVの人のようで、「サタデー・ナイト・ライブ」系のコメディエンヌ。

 一番の爆弾を踏んだのは、おバカな男性受け付け係のケヴィンを演じたクリス・ヘムズワース。本当にバカにしか見えない。セリフも必要ないような役。クリス・ヘムズワースである必要もない役。なんで受けたんだろう。選べる地位にあるだろうに。つい最近「スノーホワイト/氷の王国」(The Huntsman: Winter's War・2016・米)に出ていた。あまり作品に恵まれていないのかも。

 脚本はケイティ・ディポルドと監督のポール・フェイグの2人。ケイティ・ディポルドはTVの脚本からポール・フェイグ監督の「デンジャラス・バディ」(The Heat・2013・米)で劇場長編映画の脚本を担当。それでいきなり本作を担当? それにメリッサ・マッカーシーも出ているので、いろいろ信頼が厚かったのかも。

 監督と脚本、製作総指揮のポール・フェイグは俳優からTVの監督に進出、「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」でアカデミー賞にノミネートされ、評価を高めたらしい。しかし1作前のジェイソン・ステイサムやジュード・ロウが出た「SPY/スパイ」(Spy・2015・米)は日本劇場未公開となっている。「ブライズメイズ……」で自由に作れるようになって、リメイクに手を出してしまったとか?

 ビデオ・カメラはソニーの4K、もちろんモニターもソニー。警察はM92、軍はM4カービンを装備。

 エンド・ロールの後、最後にも映像があるので、早く席を立たないように。ズール?

 公開2日目の2D字幕版上映初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜に貯まったポイントで確保。当日は13〜14分前に開場。観客層は若い人から中高年までいたが、若い人が多い印象。半分くらいはいただろうか。これは珍しい。最初のオリジナル版を見た人たちというわけではなさそうだ。女性は1/3ほど。最終的には232席に8割くらいの入り。これもビックリ。人気があるんだ……これから増えるとは思えないけど、どうなんだろう。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、になった予告編は…… 左右マスクのアニメ「君の名は。」新予告に。内容はうんぬんより、とにかく絵がきれい。8/26公開。

 四角の枠つき「ミュータント・ニンジャ・タートルズ影」も新予告に。みんなバカにしか見えないが、絵はすごい。女優もただの絵の1つという感じ。これはオール3D-CGではないのかと思うくらい。たぶんやろうと思えば出来るでしょ。さすがマイケル・ベイ。8/26公開。

 左右マスクの3D-CGアニメ「アングリー・バード」は車のCMとのタイアップで、日本語による予告。ズバリ子供向けって気がするが、車のCMと組むって? 10/1公開。

 枠付き「バイオハザード ザ・ファイナル」はドラゴンみたいな奴が出て来る? 水平3連ショットガン? 12/23公開。

 映写機のマスクが左右に広がって、暗くなって、本編へ。


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