2016年8月28日(日)「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影〈シャドウズ〉」

TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES: OUT OF THE SHADOWS・2016・米/香/中/加・1時間52分

日本語字幕:手描き風書体下、樋口武志/シネスコ・サイズ(デジタル、with Arri、in Panavision)/ドルビーATMOS(IMDbでは、DATASATも)

(米PG-13指定)(日本語吹替版、3D上映、4D上映もあり)

公式サイト
http://tmnt-shadows.jp
(全国の劇場リストもあり)

巨大ハイテク企業TCRIのバクスター博士(タイラー・ペリー)を追っていたエイプリル(ミーガン・フォックス)は、フット軍団が、ボスのシュレッダー(ブライアン・ティー)の移送中を襲い脱獄させる計画だと知る。さっそくミュータント・ニンジャ・タートルズの4人は、ゴミ回収車を改造した「タルタルーガ」号で出動するが、移送車にいた囚人ビーパップ(ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ)とロックステディ(ステファン“シェイマス”ファレリー)の2人も逃走し、シュレッダーは次元転送装置によって異次元に飛ばされる。異次元には地球の征服を狙うクランゲ(声:ブラッド・ギャレット)と名乗る生命体がおり、地球に返してやるから、自分が昔地球に送り込んだ次元転送装置のパーツ3つを集めて組み立てろという。完成すれば、こちらから地球に要塞のパーツを転送して、地球を征服するというのだった。

70点

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 予想通りのおバカ映画。まるでマンガ。幼い子供みたいな主人公達(もともとカメだけど)と、ご都合主義のストーリー展開。しかもほとんど3D-CGショー。これはファン以外、大人には向かないと思う。ファンには、着ぐるみから進化して3D-CGでリアルになった前作「ミュータント・タートルズ」(Teenage Mutant Ninja Turtles・2014・米)同様楽しめるだろう。ボクは前作もダメだったし、着ぐるみ時代もダメで、本作もダメ。何で、見たか? ポイントだし、他になかったんだもん。それに3D-CGは見たかったし。

 敵は、前作と同様シュレッダーで、今回は事件の裏に地球の征服をたくらむ異次元の生物がいると。なぜか名前までクランゲだとわかっちゃうわけだけど。しかもトオル・マサムネが演じていたのに、今回は沖縄出身のブライアン・ティに変わってるから、繋がっているようで繋がらない。まあ前作はほとんど覚えていないけど。美女のエイプリルは同じくミーガン・フォックスで、カメ4人とネズミの先生も同じ声のようだが、CGなので、誰でも良かったような。声の人でモーション・キャプチャーしているんだろうか。

 ただ、製作にアリババなどの中国の企業が参加したからか、意味もなく中国人美人女優がいる。本作ではNYPDの局長の秘書というか、広報担当で、いつも横に控えていて、セリフはない。局長が指示するだけ。うむむ。他のハリウッド作品でも見たような光景だ。調べてみたらジェーン・ウーというカンフー・アクション女優だそうで、ものすごい美人。タレント発掘番組で3,000人の中から見つけ出されてチャイナ・ムービー・メディアの映画でスクリーン・デビューしたんだそう。本作とクレジットなしで「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(Captain America: Civil War・2016・米/独)にも出ていると。見た気がしたわけだ。本作はチャイナ・ムービー・メディア・グループが出資している。「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」(Independence Day: Resurgence・2016・米)にも中国美女が出ていたっけ。一緒だろうか。チャイナ・マネー、おそるべし。

 驚いたことに、名女優のローラ・リニーがNYPDの局長役で出ていた。リチャード・ギアの「真実の行方」(Primal Fear・1996・米)の人だが、最近だと「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」(Mr. Holmes・2015・英/米)に出ていた。最近はTVの製作総指揮と出演もしていたようだが、こういう映画にも出るんだ。

 そしてアメリカでは高い評価のTVドラマ「ALLOW/アロー」(Arrow・2012〜・米)の主役、スティーヴン・アメルが守衛役で出ている。守衛ながら刑事希望で、勝手に捜査を始めて大活躍すると。「ALLOW/アロー」は好きじゃないし、この設定もなあ……。

 製作は、あのマイケル・ベイ。脚本はジョシュ・アッペルバウムとアンドレ・ネメック。ジョシュ・アッペルバウムは製作総指揮も兼ね、前作の脚本も書いている。プロデューサーが多い人だが、脚本はTVが多く、劇場作品だと他に「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(Mission: Impossible - Ghost Protocol・2011・米ほか)も書いている。アンドレ・ネメックも製作総指揮も兼ね、前作の脚本も含め、ほぼジョシュ・アッペルバウムと同じ作品を手がけている。パートナーということか。

 監督はデイヴ・グリーン。どうも長編劇場作品の監督は2本目の模様。初めての作品「アース・トゥ・エコー」(Earth to Echo・2014・米)は日本では小劇場での限定公開で、見たかったが見ていない。こそれが高く評価されたのだろうか。IMDbでは5.8点の評価だが……。

 銃はM4カービン、グロックなど。戦車はM1エイブラムス。

 基本3D-CGだからか、カメラがやたらに回り込む。シネスコでこれはやって欲しくないなあ。手持ちのようには揺れないし、スムースだが、目が回って落ち着かない。3D上映で見たらどうなるんだろ。気持ち悪くなるのでは。監督はシネスコ作品を手がけるのは初だ。経験の浅さが出てしまったか。

 公開3日目の2D字幕初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にポイントで確保。当日は13〜14分前に開場。スクリーンはシネスコで開いていて、入ったらすでに「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の予告を上映中。あれれ。12/16公開と。そのあと「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」11/23公開の予告があってCMへ。

 観客層は中高年がメインで、ほとんどオヤジ。なぜだろう。まあよく映画を見る世代ということか。女性は1割ほど。最終的には287席に30人くらいの入り。朝一だったが、まあ、こんなもんでしょ。これから増えるとも思えない。

 女性への暴力を終わらせようというミュージック・ビデオの後、気になった予告編は…… 左右マスクの「聲の形」と「黒子のバスケ」が続き、ついにここもアニメ劇場と化してきたか。結局アニメだと人が入り、グッズが売れるから、アニメが優先されることになると。先にバルト9がアニメ劇場化した感じだったが……。

 予告前のCMの流れの左右マスク「彼岸島デラックス」はハァハァバージョンではない、ちょっと映像ありバージョンでの予告。はたしてどうなのか。予告ワクでは従来のハァハァバージョン。10/15公開。公式サイトはクッキーをオンにしないと見られない。

 四角の枠付き「真田十勇士」は新予告に。気になったのは、あんなに何もない土むき出しの平原に砦があったのだろうかと。9/22公開。

 映写機のマスクが左右に広がってから「スタートレックBEYOND」の新予告。やはりスクリーンが大きいと迫力が違う。すごそう。11/21公開

 フルサイズの「ジェイソン・ボーン」は長い版での予告。これも迫力がある。期待できそう。10/7公開。

 フルサイズの「ジャック・リーチャーNever Go Back」は先にロビーで流れていたバージョンだが、やはり迫力が違う。カッコいいなあ。前作を日本で「アウトロー」とかって変なタイトルにするから繋がらないが、続編ということになる。11/11公開。

 暗くなって、そのまま本編へ。


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