ビスタ・サイズ(デジタル?、表記なし)/ドルビー・デジタル(?、表記なし)
(日PG12指定)
加藤(森岡龍)が島に流れ着く。そこは吸血鬼の棲む彼岸島で、いきなり吸血鬼に襲われるが、1年前に島にきていた親友のケンちゃん(遠藤雄弥)に助けられる。そして、兄を探すため一緒に島にきた宮本明(あきら、白石隼也)は戦っていることと、自分は感染したから早く離れろと、告げられる。そのころ明は兄の宮本篤(あつし、鈴木亮平)を救うため、島の支配者として君臨する吸血鬼、雅(みやび、栗原類)を無力化することができる501ワクチンを探していた。
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何だ、これ??? 深夜のTVドラマ版があったことは知っているが、新たに映画版を撮ったんじゃないの? 見た印象は、日曜朝の子供向けヒーロー・アクション・シリーズの30分ものを適当に切ってつないだような感じ。話が良くわからない。まあ、知りたくもないが説明不足。チープで、お手軽感も。黄色っぽい色調は何? 良かったのは、人間の顔のようなものが付いた巨大なムカデ風のモンスターのみかなあ。何より、話が完結してないし!!! ほとんど昔のチャンバラ活劇のようで、今風の若者言葉を使っているのに、リアルじゃないセリフ回しと、刀を振り回したあといちいち見えを切るような演出は、いつの時代だと。しかも、島にある吸血鬼の村は、まるで江戸時代のようで、村人はみな粗末な着物を着ている。そこに、メイン・キャストだけ現代の服装で置かれているという違和感。しかも、そのファッションが、真っ赤なコートだったり、スケバン的なへそだしルックだったり、変なマフラーを巻いていたり……。まったく馴染めなかった。トロッコ・チェイスって「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(Indiana Jones and the Temple of Doom・1984・米)かっ?! 小さな島のはずなのに、大きな発電所(どこに電気を送っているんだ?)があるし、カラー・コンタクトと明らかに付け歯に見える牙を口にはめて吸血鬼って、まるでコント! 血が飛び、頭が飛ぶのに、地面には落ちていない。ワイヤー・アクションとCG血糊使いまくり。悪役はやたら笑うし。主人公は毎回、刀を抜くたび鞘を投げ捨てるのに、次に出てくる時はちゃんと鞘に入っている。いつ拾ったんだよ……と、突っ込みどころ満載。いちいち挙げたらキリがない。 このレベルは、かつて見て衝撃を開けた「地獄堂霊界通信」(1996・日)に匹敵する。それを超えると言われる「デビルマン」(2004・日)はさすがに怖くて見られなかったが、それとどうか。時代劇っぽいので東映かと思ったら松竹だった。この前にキム・デギュン監督の劇場版「彼岸島」(2009・日/韓)があるんだから、少なくともそれと同等レベルかと思ったのに、こんなことってある? 大幅な後退。レベル・ダウン。 だいたい、奇をてらった予告の作品は、外れが多い。あの「ハア、ハア、しない?」という予告は何だったんだろう。前売り券もローソン限定とか、異常に手に入れにくく、苦労して買ったというのに、久々にお金を払って損した気分。長くて、ねむい、たいくつ……。 ちょっと仮面ライダーなどのヒーローっぽい宮本明は白石隼也。実際、過去に仮面ライダーを演じていた。そういうことか。本作ではそれが全開。映画は実写版の「GANTZ」(2010・日)や、岡田将生のSFアクション「ストレイヤーズ・クロニクル」(2015・日)などに出ている。 兄の篤は鈴木亮平。作品によって見た目までも変える日本版ロバート・デ・ニーロみたいな人だが、それだけに作品の影響をもろに受ける。実写版「ガッチャマン」(2013・日)もかなり酷かったけど、あれに匹敵する。多くの作品に出ているが、ボクが見た中では「予告犯」(2015・日)なんかは良かったけどなあ。「HK/変態仮面」(2013・日)とか、結構いろんな作品に出ている。 ヴァンパイアのボス、雅はネガティヴ・モデルとして知られる栗原類。本作だけ見ると巧いとは思えないが、だいたい出ているひとすべてが学芸会レベルに見えてしまうので、なんともわからない。水嶋ヒロが主演した「黒執事」(2014・日)に出ていたらしい。 原作は「週刊ヤングマガジン」(講談社)に2002年〜2010年にかけて連載された同名漫画。脚本は佐藤佐吉と伊藤秀裕の2人。佐藤佐吉は俳優でもあり、脚本も書く、古くは三池崇監督の強烈なバイオレンス「殺し屋1」(2001・日)を書いている。「東京ゾンビ」(2005・日)では監督も務めている。最近だと「神様の言うとおり」(2014・日)に出演しているんだとか。伊藤秀裕は企画、製作、監督、脚本といろいろ活躍しているようで、本作の企画も担当。過去には多くのVシネを企画している。ボク的にはほとんど聞いたこともない作品が並ぶが、とんでも映画と話題になった三池崇監督の「愛と誠」(2012・日)の企画・製作も手がけている。 監督は渡邊武。「凶銃ルガーP08」(1994・日)や、真木蔵人版の「蘇る金狼」(1998・日)を監督した人。最近だと「猫侍 南の島へ行く」(2015・日)を監督している。ちょっとVシネ的な雰囲気を感じるが、よくわからない。1965年生まれということなので、そんなに古い人ではないのだが……。 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、苦労してコンビニのオンライン端末から買った前売り券で、電車賃をかけて当日券と代わらないコストをかけて窓口まで行って、座席を確保。当日は13〜14分前に開場。観客層は、下は小学生くらいから若い人、中高年まで幅広かったが、とにかく人が少ない。深夜放送されたというTV版がそんなに酷かったのだろうか。ボクは見てなかったので…… 最終的に157席に35人前後。女性は5〜6人。おいおい、まだ2日目だぞ。これから評判が広まって、もっと入場者は減るだろう。途中打ち切りか? スクリーンはシネスコで開いており、気になった予告編は…… 左右マスクのアニメ「魔法使いの嫁 星待つひと:中篇」は2週間限定公開らしいが、前編が夏に公開されて大炎上したとかしないとか。2/4公開。それにしても、ここもバルト9のようにアニメの比率が多くなってきたような。やっぱり人が入るということなのだろう。 左右マスクのアニメ「甲鉄城のカバネリ」も、前後編構成で12/31と1/7からの2週間限定公開。BDやDVD発売の布石か。 あとはすでに何回か見た予告ばかり。左右マスクのまま暗くなって、本編へ。 |