2017年1月29日(日)「マグニフィセント・セブン」

THE MAGNIFICENT SEVEN・2016・米・2時間13分

日本語字幕:手描き風太書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(フィルム、レンズ、with Panavision)/ドルビー・デジタル

(米PG-13指定)

公式サイト
http://www.magnificent7.jp
(全国の劇場リストもあり)

1879年、アメリカ西部の小さな町、ローズ・クリークは金を採掘するボーグ採鉱社によって牛耳られ、住民は土地を20ドルで売って立ち退くように迫られていた。そんなある日、ボーグ社の社長バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)に逆らったマシュー・カレン(マット・ボマー)はその場で社長に撃たれ、多くの住人も武装した部下に射殺される。妻のエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は決心し、彼らと戦うため町の若者テディ(ルーク・グライムス)とともに、力を貸してくれるガンファイターを探しに出る。すると、ある町で、ドンパチをやっていた自称依託執行人の賞金稼ぎ、サム・チザム(デンゼル・ワシントン)と出会い、撃ち合いに力を貸した飲んだくれのギャンブラー、ジョシュ・ファラデー(クリス・プラット)とともに雇うことに。しかしボーグと戦うためには軍隊が必要なほどで、サムの知り合いの腕利きのメンバーを集めて行くが……。

76点

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 うーむ、なかなかの痛快西部劇。しかし、リアルさが増して行くに従って、西部劇からファンタジーな部分は希薄となり、痛快さも目減りしてきた気はする。本作も「七人の侍」(1954・日)の翻案である「荒野の七人」(The Magnificent Seven・1960・米)をリメイクしたような形だが、リアルにはなったものの、カッコ良さが減った気がする。ちゃんと盛り上がるが、やっぱり「荒野の七人」に及ばない。もちろん「七人の侍」にも。

 銃はリアルで、銃撃戦もリアル。無尽蔵に撃ち続けず、ちゃんとリロードをやり、弾切れになる。悪党は徹底的に悪く憎たらしい。死んで当然のようなヤツら。美しい美女もいて、いつもイジリ合うような仲間がいて、復讐も合って、かわいい子供たちもいて…… でも、どこか微妙に違う感じが。実に惜しい!!

 いまひとつ、7人の個性が伝わってこない気はした。ちゃんとそれぞれに過去があり、問題を抱えているわけだが、ここが一番大切なところでは? 別の映画なんだから、いちいち「七人の侍」や「荒野の七人」と比べてもしようがないのだが、若者代表の菊千代=チコもいないし、長老もいない。敵の人数を減らすため、敵の本拠地に夜襲をかけるシーンもないし……まあ「七人の侍」は前後編で207分もあったが、でも「荒野の七人」は128分だ。あらためて「七人の侍」と「荒野の七人」が観たくなったのは間違いない。やっばり名作だなあ。

 ラストには「荒野の七人」のエルマー・バーンスタインの曲が流れ、捧ぐの文字も出る。ここが一番盛り上がるかも。考えてみれば、この曲は今でも名曲として愛され、TVやラジオでかかったりするからなあ。

 そしてもラストに出るタイトルも「荒野の七人」のアメリカ版のポスター・ビジュアルにソックリ。7の数字の中にキャラクターの顔が入っている。本編中、シネスコの横長スクリーンに7人が馬に乗って並んだシーンも、オリジナル版の「荒野の七人」の7人が銃を構えているビジュアルにソックリ。並び順はちょっと違うが。


【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は12〜13分前に開場。観客層のメインは中高年で、若い人もチラホラいたが、むしろ高寄り。西部劇世代か。男女比は6対4くらいで男のほうが多かった。最終的には232席に9割くらいの入りで、なかなかの人気。いまどき西部劇でも入るんだなあと。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、気になった予告編は…… 何と、驚いたことに四角の枠付きで「ブレードランナー2049」の予告が! 雰囲気はそのままに、はりぼてのでかい顔が落ちていて、韓国語らしい文字が書かれたビルに入って行くとデッカードがブラスターを構えて出てくると。11月公開と出たが、日本語の公式サイトはまだなく、公式ツイッターによると10/27公開に決まったらしい。

 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(Captain America: Civil War・2016・米)に出て来たスパイダーマンのスピンオフらしい枠付き「スパイダーマン ホームカミング」は、予告は面白そうだが、どうなんだろう。もう何回も作られているし、見たいところもない感じだし。ただオバサンがマリサ・トメイというのは気になるけど。8/11公開。

 映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズ(シネスコ)になってから暗くなり、マナーの 注意映像が流れて(ここで?)、本編へ。

 ただ、隣に座ったじいさんの口が猛烈に臭くて、ときどき殺人的な匂いが……。2日連続でこれかよ。匂いには敏感なんだから。一緒にいた奥さんは良く我慢できるなあ。


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