2017年2月19日(日)「ナイスガイズ!」

THE NICE GUYS・2016・米・1時間56分

日本語字幕:丸ゴシック体下、堀上 香/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri、Red)/ドルビー・デジタル

(米R指定、日PG12指定)

公式サイト
http://niceguys-movie.com
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1977年、ロサンゼルズ。飲んだくれのシングル・ファーザー、探偵ホランド・マーチ(ライアン・ゴスリング)は、自動車事故で死んだ姪のポルノ女優、ミスティを死後に見たと主張する老女の依頼で、金のためそのミスティを探す仕事を受ける。そしてアメリア(マーガレット・クアリー)という少女が何か知っているらしいことを突き止め、アメリアを探し始める。一方、護身術を教えながら、暴力で事件を解決する示談屋をやっているジャクソン・ヒーリー(ラッセル・クロウ)は、アメリアから自分のことを調べ回っている男がいるから、止めさせて欲しいという依頼を受け、マーチの自宅に乗り込んでぶちのめし、メッセージを伝える。ところが、ヒーリーの事務所に2人組の男たち、ブルー・フェイス(ボー・ナップ)とオールドガイ(キース・デヴィッド)が現れ、アメリアはどこだとせまる。ヒーリーはからくも脱出すると、マーチのところへ行き、2日分の報酬400ドルを払うからアメリアを探してくれと依頼する。

83点

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 面白かった! あまり期待していなかっただけに、これは拾いもの。エロ描写や暴力表現がきついが、大人のファンタジーのような感じ。脚本が良くできているし、セリフが見事。緊張感のあるヤバさの中に、笑いが程よくちりばめられて、バランスが最高。久々に映画でこんなに笑った、という感じ。これはブルーレイとか出たら欲しいかも。

 とにかく1970年代が舞台というのも良い。ソウル・トレイン的な当時のヒット曲がたくさん流れ、その時代感が良く伝わってくる。みんなタバコをスパスパ吸っているし、マリファナがティーンにまで浸透していて、ヒッピーがいて、スモッグに抗議するデモやっていたり。

 しかも探偵ものとして良くできている。これも時代感の1つか。飲んだくれのシングル・ファーザーで、浮気の調査なんかをやってて。娘ができる子で、ダメ親を上回る活躍ぶり。そして力で何でも解決する男と手を組んで、3人で事件を解決して行く。まるでバディ・ムービー定番的な設定だが、これで見せる。そして会話の面白さ。

 それにしても、ラッセル・クロウ、太ったなあ。まさか役作り?

 ストーリーはどうということはなく、アメリアの母親が出て来た時点で悪いヤツ、黒幕はわかってしまうが、とにかくそれぞれのキャラクターが面白く、時代感とセリフが良い。やたらタバコを吸うのは今ではとても気になるものだなあと。脚本は


【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 銃は、1970年代に合わせて、クラシックなものが登場。黒人の悪党オールドガイが持ってるのが、たぶんパイソン4インチ。探偵ホのランド・マーチはチーフスペシャルのシルバー、ステンレスならM60。しかもショルダー・ホルスター。ジャクソン・ヒーリーが使うショットガンはイサカ37。ブルー・フェイスがS&WのM59。司法省の黒人女性はワルサーPPK/Sシルバー。殺し屋のジョン・ボーイはワルサーP38とスリングSMG。

 ラッセル・クロウの映画は、銃が出る場合、ほとんどセル・リードが銃器担当として付くはずなのだが、見当たらなかった。

 曲も良い感じ。70年代のヒット・ソングの数々。ソウル・トレイン的な曲、アース・ウイント・アンド・ファイアーとか、良いなあ。サントラもいいかも。

 タイトルの文字も凝っていて、サイケっぽいというか、ネオンのような雰囲気でポップ。タイトルを担当したのはプロローグで、デザインはカイル・クーパーとグレイ・マウスとかいう人(記憶が不確か)。とにかくカイル・クーパーなら納得だ。IMDbではタイトルのプロデューサーしか見当たらなかった。

 公開2日目の初回。新宿の劇場はアニメ劇場化しているところで、全席指定。ついにムビチケにも対応したらしい。しかし本作は紙の前売り件だったので、金曜に時間を作って交通費をかけて劇場窓口まで行って予約。当日は15分前くらいに開場。やはりアニメ・ファンらしい若い人が多い。ロビーが小さいので多くの人でごったがえしている。アナウンスがあってスクリーンに向かうと、すでに20〜30人入っていた。ほぼ中高年で、男女比は6対4くらいで男性が多い。まあ当然か。最終的に226席に6割くらいの入りは普通だろうが、もっと入ってもいいと思う。

 スクリーンはビスタ・サイズで開いていて、気になった予告編は…… 「暗黒女子」は今、話題の作品。ただ公式サイトはクッキーをオンにしないと表示されなかった。若い女子度が高いが、面白そうなミステリーのよう。公開日がラストの一瞬にしか出ないのはなぜ? 覚えられない。4/1エイプリール・フールに公開。

 上下マスクの「ブレードランナー2049」は同じティーザー。公式サイトはまだないようだが、ツイッターフェイスブックは始まっている模様。10/27公開って、ずいぶん先だなあ。

 暗くなってCMの後の予告では、上下マスクの「ワイルド・スピード アイスブレイク」は新予告。とにかく凄そう。いろいろ壊しまくりでお金がかかっている印象。またオール・メンバーが集まるのか。そして敵だった男と手を組むのか。装甲車も出てきて、機関砲も撃ちまくり。4/28公開。

 上下マスクの「クリミナル2人の記憶を持つ男」は、久々のケヴィン・コストナーの主演アクション。歳を取ったなあ。ゲイリー・オールドマンやトミー・リー・ジョーンズ、ライアン・レイノルズ、「ワイルド・スピード」の美女ガル・ガドットもでていて豪華な出演陣。2/25公開。

 スクリーンが左右に広がってシネスコ・サイズになり「映画泥棒」のあと、完全に暗くなってフルサイズで「ハードコア」の予告。まるでシューティング・ゲームのようなPOV(主観)アクション映画。あえてFPOと呼ぶらしい。ダメ映画の象徴の1つがPOVだが、ちょっと面白そうな感じはした。GoProで撮影? はたして…… 4/1公開。

 そのあと本編へ。

 ヘッド・レストのあるシートで快適だったが、ギリギリに入ってきた隣のオヤジが、寸前まで喫煙室でタバコを吸っていたらしく、タバコ臭くてたまらなかった。臭いって! 30分くらい悩まされた。


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