2017年2月25日(土)「愚行録」

2016・バンダイビジュアル/テレビ東京/ワーナー・ブラザース映画/東北新社/オフィス北野・2時間00分

シネスコ・サイズ(デジタル?、表記なし、上下マスクで上映)/表記なし(ドルビー・デジタル?)



公式サイト
http://gukoroku.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

週刊誌の記者、田中武志(たなかたけし、妻夫木聡)は、妹の光子(みつこ、満島ひかり)が育児放棄により逮捕されたこともあり、編集長から特別に未解決のまま1年が経過した一家惨殺事件を追うことを許される。まず被害者、田向(たこう)一家の夫、浩樹(ひろき、小出恵介)の会社の同僚、渡辺正人(わたなべまさと、眞島秀和)に話を聞くと、大学時代からの友人で、会社でも新入社員歓迎会などで大モテだったという。そして、やがて恨みを買いそうな行動が明らかになってくる。

74点

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 予想通り落ち込む映画。まあネガティブこの上ない。これは元気な時に見ないと、一気に落ちてしまうかも。やる気も失ってしまうような、やるせなさ。ただ、映画としての出来は良いと思う。出来が良いからこれだけ落ち込むのだろう。そして、答えはあるが、解決はない映画。何も解決せず、むしろさらに酷いことが加わって、悲劇は大きくなって行く。何だ、コレ。

 話のメインは、良くあるどろどろドラマ。なんら変わった感じはない。しかも最近もニュースになっているような、若い医師のグループが女子大生を酔わせて襲ったとか、サークルで集団で乱暴したとかいう事件に近いパターン。まあアップ・トゥ・デイトともいえるわけだが、特に斬新なわけではない。しかも、大学とか会社の新人達の間でよくありそうな犯罪ギリギリのような、うんざりするような小悪ネタを地味に積み重ねるパターン。小も積み重なるとやがて大きくなって爆発してしまうというわけか。これは正直飽きて「何これ?」と言いたくなるようなものばかり。どうにも先が見えないというか。

 しかも物語を、多くの人物の証言によって構成して行くというパターンは、話を分かりにくくする。有名なところでは黒澤明監督の「羅生門」(1950・日)で使われた手法。しかも解決がないとなると、これで良かったのかどうか。

 冒頭のバスのシーンで、片足を引きずって歩いていた主人公が、歩く内に健常者に戻って普通に歩いて行くのは、「ユージュアル・サスペクツ」(The Usual Suspects・1995・米/独)へのオマージュだろうか。たくさんのタバコはなんだったんだろう。今の話ではないということ?

 画質というか、画調もどうなんだろう。色が浅く、低コントラスト。日本映画に良くあるパターン。あえてモノトーンな感じを狙ったのだろうか。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開8日目の初回、新宿の劇場は全席指定。金曜にムビチケカードで確保して、当日は13〜14分前に開場。ここもアニメの新作公開で、舞台挨拶があるとかで、マスコミも来ていて、大混雑。アニメはスゴイなあ。ここの劇場もだんだんアニメ比率が高くなってきた気がする。本作はそれらの人たちとは違い、ほぼ中高年。最初は男性のほうが多かったが、徐々に女性が増えて、最終的には半々くらいに。そして127席の9.5割くらいが埋まった。暗い映画なのに、これは見事。

 スクリーンはビスタで開いており、気になった予告編は…… 「こどもつかい」はかなり怖そうな雰囲気のホラー。監督は「呪怨」(The Grudge・2004・米/日)の清水崇史。期待していいのだろうか。6/17公開。

 「兄に愛されすぎて困っています」は、今流行のセリフ的タイトル。個人的には長いし、狙っている感じで嫌だ。予告は韓国映画っぽい雰囲気もありつつ、とんでもない残念な感じも。見ているだけで小っ恥ずかしくなるが……6/30公開。

 「劇場版ウルトラマンオーブ絆の力おかりします」は、TV版からのスケール・アップ版。そのせいなのか、予告はとてもTVっぽい感じがした。なんだか低予算っぽい雰囲気が。3/11公開。

 もっとヤバイ感じがしたのが、上下マスクの「家族はつらいよ2」は新パターン。。昭和のくだらないギャグでスベのまくる予告。

 上下マスクの「無限の住人」は新予告に。とにかくキムタクがかっこいい感じ。原作の漫画も人気があるようで、期待できそうだが、不安要素は三池崇史監督だということ。当たりか外れかどたらかという感じだからなあ…… 4/29公開。

 スクリーンはそのまま、映写機の上下マスクで本編へ。


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