2017年2月26日(日)「トリプルX:再起動」

XXX: RETURN OF XANDER CAGE・2017・米・1時間47分

日本語字幕:手描き風書体下、種市譲二/シネスコ・サイズ(デジタル、Arriロゴ)/ドルビー・デジタル、ドルビーATMOS

(米PG13指定)(3D上映、4D上映、IMAX版もあり)

公式サイト
http://www.xandercage.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

ブラジルでサッカー選手のネイマール(本人)をトリプルXとしてリクルートしようとしていたトリプルXプロジェクトの創設者、CIAのギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)は、突然落下してきた人工衛星の爆発に巻き込まれて死亡する。一方、ニューヨークのCIA本部が4人組のグループに襲撃され、軍のソフトに侵入して人工衛星を操作できる装置、通称「パンドラの箱」が奪われる。CIA幹部のジェーン(トニ・コレット)は、侵入者が超絶技を駆使していたことから、所在不明となっていた伝説のトリプルX、ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)を探し出し、ギボンズの死亡を告げ、職務復帰を要請。「パンドラの箱」回収を命じる。ザンダーは信頼できる超絶技を持つメンバーを集め、チームで捜査を開始する。

70点

前へ一覧へ次へ
 リアリティの存在しないおとぎ話。ハッキリ言ってやり過ぎ。派手な痛快アクションを作ろうとして、超人技を越えて、あり得ない次元にまで達してしまって、もはや3D-CGアクロバット・ショーになってしまった。これだと、まったくハラハラ、ドキドキしない。どうせCGなら、誰も怪我しないし、痛くないし、怖くもない。何でもありではないか。だからカッコつけたセリフがむなしいというか、空々しい。ストーリーはありきたりで、ほんどとヒネリもない。

 せっかくのドニー・イェンの早技や超絶技が、早回しやCG使っているんじゃないのと、色褪せて見えてしまう。トニー・ジャーのキレキレ技もCGじゃね、と。スゴイ技が凄く見えない。そして、おそらくヴィン・ディーゼルはアクション・シーンでCGを使っているだろうから(何しろスゴ技過ぎる!!)、ほかの人もそうなんだろうと。

 さらに輪をかけるのが、アクション・シーンのカメラの動きと、超短い速いカット構成。CGにしろ、生身にしろ、何が起こっているのか、ほとんどわからないのだ。もったいない!!

 CGは見事に自然でリアル。音も重低音が響き渡り、クリアで大迫力。驚きの映像の連続。なのにちっとも緊迫感がなく、むしろ退屈で眠くなるような感じ……。

 もちろんカー・チェイスも銃撃戦も派手。すべてがゲーム感覚。ファンタジーの世界へ行ってしまって、リアリティは存在しないレベル。ひざで簡単にM4を折るし、帯で木にぶら下がったスナイパーが、大口径のスナイパー・ライフルを撃ちながら、微動だにせず連射しているのだ。反動はどうした? そして逆に、反動にビックリした女性が落としたMP5Kが勝手に銃弾をフルオートで発射しまくるとか、夢のような世界。銃以外でもファンタジーは満載。安全ピンを外したグレネードでキャッチ・ボールなんてできる?

 これは、主演のヴィン・ディーゼルがプロデューサーも務めているからか、多くの中国スポンサーが付いているからか。

 ニューヨークのCIA本部? バージニア州じゃなかったっけ? 以前はラングレーだったよな。ファンタジーだから現実世界とは連携していないと示すためか。

【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目、2D字幕版の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで金曜に確保。当日は10分前くらいに開場。15分前くらいで20人くらいいて、ほぼ中高年。やっぱり。そして女性は1/3くらい。これは思ったより多いかも。それから小学生くらいの子供連れファミリー、外国人の中年女性、外国人の若い男性2人なども来て、最終的には…… メモし忘れたが、128席にたぶん4〜5割くらいの入りだったのではないかと。ほかに3D上映や4D上映もあるので、多い方かも。ただ、これから延びるかどうか。

 気になった予告編は…… 四角の枠付き「バーニング・オーシャン」はチラシで気になっていたのだが、ついに予告開始。海上の石油プラント火災を描いた実話の映画化。マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、ケイト・ハドソンらが出ている。すごそう。4/21公開。

 枠付き「お嬢さん」はちょっと長いバージョンの予告。かなりエロチックな部分があるようだが、ミステリー感も半端ない。「オールド・ボーイ」(Oldboy・2003・韓)とか「親切なクムジャさん」(Chinjeolhan geumjassi・2005・韓)のパク・チャヌク監督だからなあ。期待してしまう。R18+指定。3/3公開。

 暗くなって、「映画泥棒」のあと本編へ。


前へ一覧へ次へ