2017年3月5日(日)「お嬢さん」

Ah-ga-ssi・2016・韓・2時間25分(IMDbでは144分、全長版は167分)

日本語字幕:手描き風書体下、根本理恵/シネスコ・サイズ(デジタル、表記なし、IMDbではArri)/表記なし(ドルビー・デジタル?)

(韓18指定、日R18+指定)

公式サイト
http://www.ojosan.jp
(全国の劇場リストもあり)

1939年、日本統治下の朝鮮半島。詐欺師として育てられた孤児のスッキ(キム・テリ)は、日本人の珠子(たまこ)を名乗り、ニセの紹介状を持って日本の華族、上月(こうづき)家の姪、秀子(ひでこ、キム・ミニ)の侍女として雇われる。実は、スッキが秀子に取り入って、日本人「藤原伯爵」を名乗る詐欺師の男(ハ・ジョンウ)を接近させ、秀子を誘惑して結婚、莫大な財産を奪うという計画だった。しかし、スッキは献身的に秀子に仕える内、孤独な秀子の美しさと純真さに惹かれていく。そして、上月家には隠された驚くべき秘密があった。

83点

前へ一覧へ次へ
 うわーっ、やっぱりパク・チャヌク監督らしい過激な映画。完全に映画の世界に取り込まれてしまう。異常性愛の世界と、日本の上流社会と、詐欺師の世界。これらが渾然一体となって、3部作で描かれる。うまいなあ。

 全体は「スティング」(The Sting・1973・米)のような詐欺師の騙しあいの世界で、ひとつの話なのだが、第一部の被害者、第二部の被害者、第三部の被害者は違い、進むごとに残酷さは増して行く。まあ、女は怖い。

 原作というかインスパイヤーされた作品は、イギリスのヴィクトリア朝時代が舞台だそうだが、それを日本統治下の韓国に移したことで、たぶんより複雑な物語となったのだろう。日本と韓国の関係、そして貴族・華族の世界。いかにもありそうな話になっている。ちょっと江戸川乱歩の「陰獣」とか「人間椅子」とか「屋根裏の散歩者」とか、そんな世界にも通じるような。

 ただ、日本人観客的には、やはり韓国人が日本人を演じていることもあって、うまいのだが日本語に違和感があり、女性の日本髪にも違和感があった。そこだけが残念。

【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定のお昼スタート。たぶん一番小さいスクリーンで、金曜にムビチケカードで確保したが、当日40分前くらいに付いたら、すでに満席の表示。17〜18分前に開場なり、観客層はほぼ中高年。最初は12〜13人で、うち女性は3人、若い男性が2人くらい。5分前で7割ほどになり、最終的には女性が増えて男女比は半々くらいで、86席がほぼ埋まった。

 気になった予告編は…… 四角の枠付き「エイリアン:コヴェナント」はリドリー・スコット監督が出てくるパターン。見た感じは、ある惑星に宇宙船が不時着したら、そこに卵みたいなものがあって、フェイス・ハガーがひっついて、背中を切り裂いて出て来て、若い女性が逃げ回って…… と、大分第一作をなぞっているような印象。はたして…… 9月公開。

 左右マスクの「名探偵コナンから紅の恋歌」はTVアニメの劇場版。春休みということか。4/15公開。

 枠付きの「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」は実際、つい最近モデルとなった高校、福井商業が今年も優勝し、全米5連覇の快挙達成しちゃったというから、説得力がある。3/11公開。

 枠付き「美しい星」は三島由紀夫原作のSFで、宇宙人ネタらしい。しかもコメディっぽかった。リリー・フランキーが出ている。5/26公開。

 枠付きの「たたら侍」は、なにか違和感があるなあと思ったら、エグザイル映画。時代劇というより、タイムトラベルした現代人のような印象だった。5/20公開。

 ギリギリまで入場者がいて、マナーの後CMがあって、それから暗くなり、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズのシネスコになって、映画泥棒の後、本編へ。


前へ一覧へ次へ