2017年4月2日(日)「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」

JACKIE・2016・チリ/仏/米/香・1時間39分(IMDbでは100分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/ビスタ・サイズ(フィルム、左右マスク、1.66、Arri、Panavision)/(音声表記なし)

(米R指定)

公式サイト
http://jackie-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

1963年JFK暗殺事件が起こってわかずか1週間後、未亡人となったジャックリーン・ケネディ(ジャッキー、ナタリー・ポートマン)のもとに1人の男性ジャーナリスト(ビリー・クラダップ)が取材にやってくる。ジャッキーは条件を付けつつも1961年、ホワイトハウスに入ったところから話を始める。その年、ジャッキーは歴代大統領夫人の中で3番目に若いファースト・レディとしてホワイトハウスを紹介するTV番組に出ていたのだ。

72点

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 うむむ、これは…… 記者によるケネディ夫人へのインタビューと、事件当日と、過去の記憶とを混ぜ合わせてわかりにくくされているが、結局のところ、JFK暗殺事件を夫人のジャクリーン・ケネディの視点から、実際の映像も使いながらドキュメンタリーのように描いた作品。

 ただ、印象は、ドキュメンタリー調を重視しすぎたためなのか、話をバラバラにして再構成しても単調で、かなり退屈で眠くなる。途中何度か気を失いそうになった。隣の席の女性も船を漕いでいた。この内容ならTVの特集番組でも良かったかも。むしろドキュメンタリーで作られた方がわかりやすく史実にも正確になるはず。

 飛び散った夫の血を浴びたジャッキーとか、飛び散った脳、頭の横に開いた大穴といってショッキングな映像もあるが、一番心に響いたのは「キャメロット」のエピソード。たぶん大統領就任式のときの演説「国があなたのために何が出来るかを問うのではなく、あなたが国のために何が出来るかを問うてほしい」が有名だと思うが、キューバ危機を乗り越えたとは言え、実際のところ何も成し遂げていないという人もおり、マフィアとの関係や選挙などでの不正疑惑、不倫スキャンダルなどもあったわけで、それらを最後の葬儀をジャッキーが取り仕切ることで立派な大統領像を作り上げたと。

 そして、大統領夫人でなくなると、とっととホワイトハウスを出なければならず、住む場所にも困る場合もあるというのが驚きだった。歴代の中には貧しい生活を送り亡くなった人もいるという。確かに肩書きがなくなれば、ごく普通の人だ。特に国のために功績を残したわけでもないとすると、そんなものなのかもしれない。

 時代感は見事。回想シーンや当時の記録映像的な部分ではフィルム撮影したかのような画質、色調も雰囲気が良く出ている。それに対して現在進行形の部分は高画質で色調もきれい。生々しい。そして、多くの人が良くタバコを吸っている。ジャッキーもしょっちゅうタバコを吸っている。時代だなあ。

 気になったのは、2人の子供しかおらず、2人ともすぐに亡くなってJFKの墓の両脇に葬られるのだが、どうも事実とは異なるような。なにしろ長女のキャロライン・ケネディは駐日大使として2013年11月から2017年の1月まで日本にいたのだから。まあ、本作はドキュメンタリーではなく、映画だ。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで予約しようとしたら、4/1の土曜はほぼすべて満席状態。やっぱりね。日曜はその反動か余裕があった。しかし当日30分前くらいに着いたら、すでに完売の表示。それにしても初回が13時10分って……。20分前くらいに開場。ほぼ中高年で、男女比は4対6で、予想通り女性のほうが多かった。5分前くらいにほぼ満席に。

 気になった予告編は…… 四角の枠付き時代劇「忍びの国」は新予告に。面白そうなんだけど、ちょっと微妙。7/1公開。

 左右マスクの「ちょっと今から仕事やめてくる」も新予告に。面白そうなんだけど、ちょっと不安も。5/27公開。

 左右マスクの「3月のライオン」は後編の新予告。やっぱりみんな泣いていて、叫んでいて、ちょっと嫌だなあと。前後編だし。4/22公開。

 枠付き「美女と野獣」は長い版で、ちょっと新しいかも。アニメをそのまま実写化したような印象。はたして。4/21公開。

 左右映写機のマスクで本編へ。しかし、暗くなってから、悪びれるでもなく堂々とケータイを照明代わりに光らせて入ってくるとは。


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