2017年4月9日(日)「LION/ライオン〜25年目のただいま〜」

LION・2016・豪/米/英・1時間59分(IMDbでは118分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(デジタル、Panavision、IMDbではALEXA)/ドルビーATMOS(IMDbでは表記なし)

(豪PG指定、米PG-13指定)

公式サイト
http://gaga.ne.jp/lion/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1986年、インド、カンドゥー。石を運んで生計を立てている母(プリヤンカ・ボセ)と、仲良しの兄グドゥー(アビシェーク・バラト)と、幼い妹と、5歳のサルー(サニー・パワール)一家は、極貧の生活を送っていた。ある日、暗い内から仕事を探しに出かけるグドゥーに無理やり付いて行ったサルーは、駅で眠ってしまい、目覚めた時兄がいなかったので探して近くの列車の中に入り込み、再び眠ってしまう。気付いた時には家を遠く離れ、言葉さえも通じないところへ来ていた。野宿しながらあちこちを転々とし、やがて警察に保護されるが、自分の母の名前も言えず、町の名前を言っても誰も知らなかったため、施設に送られる。ところが、そこにミセス・ヌート(ディープティ・ナバル)が現れ、新聞に何度も尋ね人の広告を出したがまったく反応がないが、オーストラリアのある夫婦があなたを養子に欲しがっていると告げ2人の写真を渡す。受け入れることにしたサルーは1987年、オーストラリアのタスマニア島に渡る。

74点

前へ一覧へ次へ
 実話の映画化。これは、落ち込む。重い。天気の良い元気な時に見ないと。あいにく朝からジトジトと雨で、桜が散ってしまうような状況では、一層暗くなる。いい映画だとは思うが、インドは悲惨過ぎ。すべてのインドがこうではないだろうが、西洋の映画で描かれるインドはほとんどが貧民街とかが舞台なので、自ずと悲惨にならざるを得ない。歌って踊るボリウッドのインド映画とは対極にある。

 印象としては「スラムドッグ$ミリオネア」(Slumdog Millionaire・2008・英/仏/米)と良く似ている。しかもどっちも主演がデヴ・パテル。インドに生まれなくて良かった。ボクはきっと生きて行けない。列車に飛び乗って石炭を盗んで売って、残飯を食べて、ゴミ山をあさる。国内でも地域によって言葉が通じない。ストリート・チルドレンが普通にいて、人さらいがいて、施設にいても安心できない。辛すぎる。そして、5歳などある程度大きくなってから(過去を抱えて)養子に迎えることのリスクの大きさ。それが招く悲惨な未来。ラストにインドでは毎年8万人が行方不明になると出て、日本ユネスコのURLも出るが、少なくとも養子を迎えたくなる映画ではない。できることをやるしかないが、問題は途方に暮れるほどあまりにも大きい。

 延々インドでの悲惨な運命が描かれた後、オーストラリアで家族を得て大学に進学させてもらってから自分の本当の家族を探すためGoogleアースにハマり、卒業後もそれを続けてしまいには仕事も辞め、次第にせっかく出会った恋人とも縁遠くなって行ってしまうなど、ちっとも良いことがない。そして家族を見つけても……。ああ、辛い。

 それにしても、なぜライオンなんだろう。諦めない姿だろうか。原作はサルー・ブライアリーの“25年目の「ただいま」(A Long Way Home)”(舩山むつみ訳・静山社刊)。



【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は着いた時点で完売の表示。そして12〜13分前に開場。観客層はほぼ中高年。男女比は4.5対5.5くらいで女性が多かった。まあそういう内容かな。しかし、こういう新しい劇場でも、今回は前の席間男が異常に座高が高く、下に出る字幕が読みにくくて困った。未だにこんなことがあるとは。座高の高さにも驚いたが、ちょっとスクリーンの位置が低いためらしい。むむむ。最終的には128席がほぼすべて埋まった。

 気になった予告編は…… ほぼ今までに見たものばかり。特に新しいものはない。四角の枠付き「忍びの国」7/1公開とか、枠付き「3月のライオン後編」4/22公開、枠付き「ローガン」6/1公開、枠付き「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」5/12公開、枠付き「ワイルドスピード」5/12公開、枠付き「メッセージ」5/19公開、枠付き「美女と野獣」4/21公開、枠付き「グレートウォール」4/14公開、などなど。

 暗くなって、映画泥棒の後、フル・サイズで本編へ。


前へ一覧へ次へ