2017年5月21日(日)「メッセージ」

ARRIVAL・2016・米・1時間56分

日本語字幕:丸ゴシック体下、チオキ真理/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri)/ドルビー・デジタル

(米PG-13指定)

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:「あなたの人生の物語」テッド・チャン(早川文庫)
脚本:エリック・ハイセラー
撮影:ブラッドフォード・ヤング
出演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィティカー、ほか


公式サイト
http://www.message-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

ある日、突然、アメリカ・モンタナ州に450mもある巨大なUFOのような物体が現れる。実はそれは世界各国の12カ所に同時に現れていた。すると大学で言語学を教えているルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)の元にアメリカ陸軍のウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)が現れ、彼らの言語を解読して欲しいという。非常事態宣言の中、現場に連れて行かれると、理論物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)がいて、チームを組むことになる。大佐によると、物体は18時間ごとに底部の入り口が開き、中に入って彼らの2人とコミュニケーションを取ることが可能だという。ただし、112分で追い出されるという。大佐やマークス大尉(マーク・オブライエン)らと物体の中に入ると、ルイーズはホワイト・ボードに文字を書き、そして話しかける。すると反応があり、7本足の2体の生命体は、記号のようなもの表示してくる。世界中の学者達と協力し、それを解読するのだが……。


80点

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 うわー、これは…… 深いというか、難しい問題を描いている。もし圧倒的に人類を凌ぐ技術を持つ宇宙人が地球にやって来たら、人類はどう対処するのかというお話。原作は読んでいないので知らないが、読み物としては言語の解析という部分が大きいかもしれないと思った。映画では地味になりすぎるせいか、その点はあまり突っ込んで描かれていなかった。それよりは、宇宙人とどうやってコミュニケーションを取れるようになり、その結果、どんなことが起こるのかということ。それは衝撃的で、深い感動がある。だから原題は「メッセージ」ではなく「アライバル」(到着)なのだ。納得。

 難しくて分かりにくいが、観客は割と若い人たちが多く、多くの人たちが出て行くときに、映画の内容について穏やかに話し合っていた。その内容を書くと結末にも関わってくるので、できないが、そういう映画は成功作といえるだろう。ただ笑ったり、泣いたり、怒ったりではなく、話し合うなんて。しかも多くの人が「見て良かった」とか「面白かった」と言っていた。すぐ理解できるような浅い内容ではないと思う。語り合えるほど深い内容。ただ重くて、何となく落ち込むというか、微熱が出たような感じにはなる気がする。

 たぶん多くの人が、宇宙人と出会うと、威嚇的になり、しまいには攻撃を仕掛けてしまうのではないか。煽るメディア、暴発する軍人、事件を起こす暴力的な人々…… この映画の学者達のような冷静な振るまいが出来るだろうか。CIAや軍人は、撤退命令を受けてすぐに撤退するが、主人公達は命令違反を承知で残り、まだコミュニケーションを取ろうとする。これも感動的。ただ、世界規模の話だが、行き着くところ家庭の話みたいな感じもしないではないけど。

 軍はM4カービンを使用。CIAのハルペーンはたぶんP226を使用。直接は撃たないけど。


【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の2回目、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は着いた時点ですでに満席の表示。15分前くらいに会場となって場内へ。観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比はほぼ半々。地味なSFなのに、これは意外だった。下は高校生くらい。やはりアカデミー賞8部門ノミネート、音響編集賞受賞が効いているのだろうか。最終的に407席のほぼ全てが埋まった。プレミアム席も10席×2列もほぼすべて埋まった。プラス1,000円もするのに!

 気になった予告編は…… ほぼ見た予告ばかり。四角の枠付き「三度目の殺人」9/9公開、枠付き「関ヶ原」8/26公開、左右マスク「メアリと魔女の花」7/8公開、枠付き「スパイダーマン:ホームカミング」8/11公開、枠付き「パトリオット・デイ」6/9公開、枠付き「ハクソー・リッジ」6/24公開といったところ。

 暗くなって、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズになってから、マナー告知から映画泥棒の後、本編へ。


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