2017年7月2日(日)「忍びの国」

2017・映画『忍びの国』製作委員会・2時間05分

ビスタ・サイズ(デジタル?、表記無し)/ドルビー・デジタル(表記無し)

(『UDCast』方式対応視覚障害者用音声ガイド付)

監督:中村義洋
原作:和田 竜『忍びの国』(新潮文庫刊)
脚本:和田 竜
撮影:相馬大輔
出演:大野 智、石原さとみ、鈴木亮平、
   知念侑李、満島真之介、伊勢谷友介、ほか


公式サイト
http://www.shinobinokuni.jp/index.html
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

戦国時代、天下統一を目指す織田信長は、忍びの国といわれる伊賀の国には手を付けず、まず近隣から落として行った。伊勢の国には、強引に北畠具教(きたばたけとものり、國村隼)の娘、凛(りん、平祐奈)の婿として次男の織田信雄(おだのぶかつ、知念侑李)を送り込み、支配下に置く。そして伊賀の国も配下に置くため、伊賀を守るための城を作ってやると提案してくる。そこで伊賀を治める十二家による十二評定はスパイとして下山平兵衛(しもやまへいべい、鈴木亮平)を送り込むが、裏切って寝返られ、逆に伊賀へ入る手引きをされてしまう。一方、自称伊賀一の忍者の無門(むもん、大野 智)は、美人で気の強い女房、お国(石原さとみ)の尻に敷かれて、銭稼ぎに明け暮れていたが、高給に惹かれて伊賀を守るための城作りの人夫として参加することに。ところが城が完成すると十二評定はこれを焼き払ってしまったことから、織田軍には伊賀に攻め入る口実を与えてしまう。


74点

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 「天正伊賀の乱」という史実に基づいた物語。とは言え、かなり漫画チックな仕上がりで、特殊効果もアクロバティックな部分は漫画的でリアリアティは無し。築城シーンや炎上シーンはかなりリアルだったから、できなかったということはないだろう。パルクールを採り入れたアクションとドラマ、忍者と忍術、そして戦乱の世を、時にシリアスに、時にコミカルに描いている。なかなかバランスも良い感じ。

 この主人公、無門のほどよく力の抜けた感じは、演じる「嵐」のリーダー、大野智のキャラによるところが大きいだろう。良い感じ。しかし特に良かったのは、石原さとみ演じるお国のエピソードと、國村隼演じる北畠具教、そしてその娘の平祐奈演じる北畠凛のエピソードは良かった。さらに、伊勢谷友介演じる日置大膳は、とても良いキャラクターだったのではないだろうか。

 ただやはり人でない忍びの者の物語ということで、人でなしの話なので、かなり残忍で、酷い話ではある。陰謀、裏切り、だまし討ちは当たり前。またそういう時代だったと。

 それにしても、画質がイマイチ。一部高画質なところもあったが、時代感を出すためか全体に黄ばんだ色調で、これがまた不自然でどうにもきれいじゃない感じ。これはどうなんだろう。

 銃はもちろん火縄銃。思ったより頻繁に出て来て火を吹いていた。予告で使われていた、エキストラらしい人のわざとらしい反動の付けかたの射撃シーンは本編ではなくなっていたようだった。

 公開2日目の2回目、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。プレミアム席が1列8席あるスクリーンで、観客層は下は小学生くらいから、中高年まで、まんべんなくいた感じ。劇場に着いた時点ですでに残席わずかの表示が出ていた。最終的には200席に9.5割くらいの入り。P席にも7人。さすがTVでガンガン広告をやっているだけはある。男女比は4.5対5.5くらいで女性のほうが多かった。大野クンパワーかなあ。


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