2017年7月8日(土)「ライフ」

Life・2017・米・1時間44分

日本語字幕:丸ゴシック体下、稲田嵯裕里/ビスタ・サイズ(デジタル?、表記無し)/ドルビーATMOS(表記無し)

(米R指定、日PG12指定)

監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
出演:ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、
   ライアン・レイノルズ、真田広之、ほか


公式サイト
http://www.life-official.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

国際宇宙ステーション、ISSは、「ピルグリム7計画」により火星の土壌で発見された未知の微生物のサンプルを載せた無人宇宙船を回収する。検疫官のミランダ・ノース(レベッカ・ファーガソン)の管理下、宇宙生物学者のヒュー・デリー(アリヨン・バカレ)は土壌の中に単細胞の生命体を発見するが、まったく反応がない。そこで太古の地球の環境を再現して刺激を与えると、反応が現れる。さっそく地球に報告しようとするが、スペース・デブリが衝突し、地球と通信が出来なくなってしまう。その間にも、カルビンと名付けられた生命体は、驚異的な速度で成長を始め、知性のようなものも見せ始める。


73点

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 安直な結末じゃないことは評価したいけど、後味、悪ッ! ギリギリまで気を持たせるので、タチが悪い気がする。「猿の惑星」(Planet of the Apes・1968・米)的な衝撃を狙ったのかなあ。

 印象としては、基本「エイリアン」(Alien・1979・英/米)とおんなじ。SFホラー。ただ強烈な大型モンスターじゃなく、タコみたいな軟体生命体というだけ。パターンどおり、逃げ道のない中1人、また1人といなくなって、さあどこにいるんでしょうと。宇宙の、人工衛星という密室も「エイリアン」と同じだ。とても凶暴なやつで、感情を持たないような感じも……。

 SF的なイメージは見事。リアルな宇宙空間が描かれていて、無重力の表現は素晴らしい。一体どうやって撮影したのか。最近の技術は素晴らしいなと。「ゼロ・グラビティ」(Gravity・2013・英/米)にも通じるリアルさと怖さ。やっぱりSF系はこういう細部が良くできていないと。見る価値がある。宇宙は空気がない。それだけで怖い!

 国際宇宙ステーションが舞台なので、日本人もいる。それは嬉しいことなのだが、やや利己的な設定のようで、ほかの人たちが仲間のために犠牲になるようなところがあるのに、唯一、自分のことだけしか考えていないような印象があるのは残念。誰かがそういうヒールを演じなければならないのだけど。西洋のほうが個人主義なんじゃないかなあと。他人の身代わりにとか、他人を思ってというのは、日本人的なもののような気がしたので、ちょっと違和感も。まだ、政府の密命を帯びていたとか、大企業に金で雇われていたとか、そういう設定の方がましだったような。なんか個人じゃなく、日本人が信頼できないようなことにならないかなあと余計な心配までしてしまう。それにしても真田広之の日本語にも日本語字幕を付けるって、どうよ。

 医療とか検疫的なことでは、傑作「アンドロメダ…」(Andoromeda...・1971・米)のような感じもした。こいつには欠点がないようだけど。宇宙空間でも生きられるのに、酸素を求めてという展開になるのも納得できなかった。

 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、木曜にムビチケカードで確保。当日はギリギリ10分前に開場。入ったらすでに何かの予告が流れていた。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、メインは意外と若い人から中年くらい。男女比はSF科学系なので7対3と女性少なめ。最終的には232席に8.5割くらいの入り。ただ、関係者が鈴なりになっていて、多すぎるって。2人もいれば充分だろ。


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