2017年7月9日(日)「ジョン・ウィック:チャプター2」

JOHN WICK: CHAPTER 2・2017・米/香/伊/加・2時間02分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA)/ドルビー・サラウンド7.1

(米R指定、日R15+指定)(4D上映もあり)

監督:チャド・スタエルスキ
脚本:デレク・コルスタッド
撮影:ダン・ローストセン
出演:キアヌ・リーブス、リッカルド・スカマルチョ、
   ルビー・ローズ、イアン・マクシェーン、ほか


公式サイト
http://johnwick.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

ようやく平穏な引退生活を手に入れたはずの伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)のもとに、イタリアン・マフィアのサンティーノ・ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)が現れ、仕事があると、ジョンの血判を収めたメダル、誓印を見せる。実は引退する時に交わした契約で、断ることができないのだった。その仕事とは、組織を動かす12人に、父の遺言で姉が入っており、自分が入れないため姉を殺して欲しいというものだった。しかたなくイタリアに飛ぶが、仕事を終えると、サンティーノはジョン・ウィックが姉の敵だと700万ドルの賞金をかけ、全世界の殺し屋達に命を狙わせるのだった。


76点

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 凄いアクション! アクションで物語を語るという映画らしい映画。これを成立させるのはかなり難しいことだと思う。しかも撮るのも大変。何回同じアクションを繰り返さなければならないか。カットを細かく割っているのだから、どんなに手間がかかっているか。しかも格闘技も、銃撃戦も、かなりのトレーニングを積まないとここまではできないはずで、それも見事。所作に説得力がある。しかも監督がアクションを知り尽くしているのはもちろんのこと、良い殺陣師が振り付けたことも間違いない。ものすごく速くて、リアルで素晴らしい。

 この種の映画で重要なのは敵役。それが見事に確立している。リッカルド・スカマルチョ演じる卑怯でねちっこい嫌らしさのボス、ルビー・ローズ演じる殺し屋の女アレスが、それぞれキャラが立っていて見事。強くて、憎たらしくて、ちょっとカッコ良かったりする。ルビー・ローズの格闘技も射撃も決まっていた。そして手話というのが良い。ラストの鏡の部屋での戦いは「燃えよドラゴン」(Enter the Dragon・1973・香/米)かなあ。

 顔の近くで発砲したりしているが、一体どうやって撮ったのだろう。TVでよくやるマズル・フラッシュだけのデジタル合成かと思ったら、ちゃんとスライドが動いて薬莢が飛んでいる。まさか、これもデジタルで作っているとか? それともガスガンを使ってスライドだけ動かしておいて、後からマズル・フラッシュと薬莢だけ合成したとか。とにかく凄い迫力。DVDが発売されたらメイキングで明かされるのだろうか。

 ジョン・ウィックの銃は、アヴァンでH&KのP30Lのコンペンセイター付きだったのが、それをコンクリートで埋めてしまい、別の場所からグロックと金貨を取り出す。ローマの武器屋ではタラン・タクティカル(TTI)のカスタム・グロックG34とG26、カスタムM4、カスタム・ベネリM4オートマチック・ショットガン、デザート(!)にナイフを仕入れる。まさに3ガン・マッチ仕様。ニューヨークに戻って情報王のキングから仕入れるのは7発の弾しかないキンバーの1911。あとは敵から奪っていろんな銃器を使う。その中にサプレッサー付きのS&Wの1911オートもある。

 キアヌ・リーブスはいろいろ訓練を詰んだようなのだが、本編でも鏡の部屋の前にトリガーに指が掛かっていたシーンがあったし、ポスターなんかも、トリガーに指が掛かっちゃってて、どうなんだろう。プレス・チェックしたり、マガジンを振って飛ばしチェンジして見せるなど、プロらしい所作を見せるのに。

 キアヌのタクティカル・ファイアアームズ・トレーナーはアーロン・コーエンという人。イスラエルの対テロ特殊部隊に3年間所属し、帰国してから軍や警察向けの対テロ訓練施設を立ち上げ、VIPの身辺警護も請け負っているらしい。なるほど、それで接近戦のC.A.R.システムを採用したということか。壁越しに貫通させてヒットするなど、リアルな技も見せる。

 ライバルの殺し屋カシアンは、アーセナルのストライク・ワンのシルバー・スライド。ボスのサンティーノはベレッタM84かと思ったら、imfdbによるとシングル・マガジンのM85で、しかも丸トリガー・ガードの改良型M85BBらしい。部下達はM4、MP5、SGI SG 550、SG552、AKなどを使用。

 それにしても、このエンディングで匂わせる続編は作られるのだろうか。はちゃめちゃな終わりだけど。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で金曜にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場となり、場内へ。観客層は、下は中学生くらいから、上は中高年まで幅広く、メインは若者から中年層。男女比は20人くらい中、女性が3〜4人。最終的には、プレミアム席1列8席分を含む200席に8割ほどの入り。プレミアム席も7席が埋まった。素晴らしい。


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