2017年8月26日(土)「ワンダーウーマン」

WONDER WOMAN・2017・米/中/香/英/伊/加/ニュージーランド・2時間21分

日本語字幕:手描き風書体下、アンゼたかし/シネスコ・サイズ(デジタル、Panavison、Arri)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1、12トラック・デジタル・サウンド、ソニックDDP、Auro 11.1、IMAX 6トラックも)

(米R指定)(日本語吹替版、IMAX版、3D上映、4D上映もあり)

監督:パティ・ジェンキンス
原案:ザック・スナイダー、アラン・ハインバーグ
   ジェイソン・フュークス 脚本:アラン・ハインバーグ
撮影:マシュー・ジェンセン
出演:ガル・ガドット、クリス・パイン、
   ロビン・ライト、ダニー・ヒューストン、ほか

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/wonderwoman/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

女だけの部族アマゾネスが暮らす閉ざされた島で、プリンセスとして生まれたダイアナ(ガル・ガドット)は、多くの学問の他に厳しい訓練を受けて、最強の戦士に成長した。そんなある日、ドイツ兵に追われたアメリカ人のスティーブ・トレバー(クリス・パイン)が乗った飛行機が島近くに墜落、助けたダイアナは真実を語らせる不思議な鞭で、彼がアレス神に操られていると思われるドイツ軍のルーデンドルフ将軍(ダニー・ヒューストン)から、マル博士(エレナ・アナヤ)が開発した秘密兵器の毒ガスの情報が書かれたノートを奪って来たことを知り、アマゾネス族の使命であるアレス神の打倒と世界平和の実現のため、スティーブと一緒にロンドンに行き、ルーデンドルフ将軍と戦う決意をする。


76点

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 じっくり描いた、立派な冒険大活劇。これが女性監督の作品とは、ちょっと驚き。実に力強く、カッコよく、絵がきれいで、ほどよいギャグもあってしかも感動的。爆発もたくさんあって、アクション満載! 荒唐無稽であっても、展開は納得できる。陳腐な感じは全くしない。2時間以上の時間を掛けてていねいに描いているためという気もする。そして長いのに、ちっとも退屈ではなく、中だるみもしない。

 話の構成としては、「グレイストーク」(Greystoke: The Legend of Tarzan, Lord of the Apes・1984・英/米)的な未開人が人間世界の都会に行くというギャップの面白さと、協力してくれるメンバーを集めて戦う「七人の侍」(1954・日)的なチームワークの面白さを、スーパー・ヒーローものとしてまとめている感じ。戦争と関わってくる部分では「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(X: First Class・2011・米/英)とも似ているし、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(Captain America: The First Avenger・2011・米)のレド・スカル的でもある。つまりはコミックネタの定番か。エンド・ロールは007的な味付け。

 とにかく素晴らしいのは主演のガル・ガドット。アクション・シーンを見事に演じきっている。かなり特訓を積んだのだろう。美人で表情も良いし、体の動きにキレがある。CGを使っているとしても、基本がちゃんとできていないと、たぶんここまで表現できないはず。そして、ワンダーウーマンに助けられるスティーヴ役のクリス・パインが良い役。とても印象が良い。良い味を出していたのはクリス・パインの秘書エッタ役のルーシー・デイヴィス、潜入のプロのサミーア役のサイード・タグマウイ、スナイパーのチャーリー役ユエン・ブレムナー、調達係のチーフ役ユージーン・ブレイヴ・ロック。残念だったのは、エレナ・アナヤ演じるマスクを付けたマル博士=ドクター・ポイズン。せっかく怪しさたっぷりなのに、あまり活躍してくれなかった。

 銃は、ドイツのルーデンドルフ将軍はP08、ドイツ軍はモーゼル・ライフルにマキシム・マシンガン、スティーヴはウインチェスターM1897トレンチガンと1911オート、といったところ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、木曜にムビチケカードで確保。当日は12〜13分前に開場。スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、観客層は若い人から中高年まで幅広かった。男女比は最初半々くらいだったが、徐々に女性が増えて4.5対5.5くらいで女性が多くなった。最終的には580席の7割くらいが埋まった。さすが話題作。

 CM・予告の後、映写機のマスクが左右に広がって暗くなり、フル・サイズでマナーCMがあって本編へ。


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