2017年10月7日(土)「アウトレイジ 最終章」

2017・バンダイビジュアル/テレビ東京/ワーナー・ブラザース映画/東北新社/オフィス北野・1時間44分

シネスコ・サイズ(表記無し、IMDbではフィルム、レンズ、Arri)/表記無し(IMDbではドルビー・デジタル)

(日R15+指定)(一部日本語字幕上映もあり)

監督・脚本・編集:北野 武
撮影:柳島克己
出演:ビートたけし、西田敏行、塩見三省、
   大森南朋、ピエール瀧、ほか

公式サイト
http://outrage-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

韓国に渡った元暴力団の組長、大友(おおとも、ビートたけし)は、韓国の黒社会を牛耳る会長の張(チャン、金田時男)の庇護の元、済州島の風俗を取り仕切っていた。ところがある日、日本のヤクザ、花菱組の幹部、花田(はなだ、ピエール瀧)がホテルで女の子と問題を起こし、事態を収めるために大友が出て行く。大友は名乗らず、金で解決することにしたが、花田は金を払わず、張の手下を殺してしまったことから、韓国の張グループと日本の花菱組の間に不穏な空気が流れる。そして花菱組の会長、野村(のむら、大杉漣)は、この機会を利用して自分に批判的な勢力である、花田の直接のボス花菱会若頭補佐、中田(なかた、塩見三省)に、そのアニキにあたる花菱会若頭の西野(にしの、西田敏行)を裏切らせて争わせ、どちらも消してしまおうと策略するが……。


72点

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 うむむ、104分間、汚い言葉・罵倒・脅し文句を浴びせかけられ、一般人には理解しにくいほとんど理由なき暴力、裏切り、欺しを見せつけられ、げんなりして終わる。たぶん心がすさんで、暴力的になって劇場を後にすることになる。ほぼ登場人物の全員が、警察官(刑事)も含めて、ずっと怒声を発している。

 ストーリー的には前作からつながっているようだが、ボクはすっかり忘れてしまっていて、どうにも主人公、大友のモチベーションというか、行動の動機が理解できなかった。ここまで無差別的に殺戮を繰り返せば、当然、落とし前=結末はこういうことになるのだろうが、彼は一体何をしたかったのか。古いタイプのヤクザで、義理人情ということなのかもしれないが、いまひとつ伝わってこなかった。本作は発端が起こってしまって、結末編なのでなおさらだ。間が開くと、きっかけがなんだったかわからなくなることは、実際の事件でもよくあることだろう。本作もそんな感じ。だから、ただ暴力を描いただけのような感じに。

 ただ実際にいま暴力団の分裂抗争事件が起こっていて、そのあたりとオーバーラップする部分が多く、本当に内部ではこんなことになっているのではないかと思えてしまうところは恐ろしい。

 前作あたりから感じるのは、普通の人っぽい人がいきなり暴力を振るうと、結構怖いということと、暴力と笑いは意外と近いところにあって、凄惨な暴力シーンなのに滑稽なところがあり、実際に声を出して笑っている人も少しだがいた。

 そして、あえて女性ヌードは抑えたようで、そんなシチュエーションがあるのに、女性は下着を着けており、逆にリアルさがなくなってしまっていた。北野監督は確か「TAKESHIS'」(2005・日)では京野ことみを脱がしていたのではなかったか。

 銃は大友がゴールド・カップとノーマルらしいガバメントを使う。45オートが気に入ったと言うことらしい。他にP226、グロック、M4カービン、SWのM13っぽいヘビー・バレルの4インチ・リボルバーなども登場。銃器特殊効果はBIGSHOT。エランがゴールド・カップなどガバメントを提供している模様。

 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、木曜にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。若い人から中高年まで幅広く、意外に若い人が多かった。女性も思ったより多かった。さすが話題作。最終的には407席がほぼ全て埋まり、10席2列あったプレミアム席も全て埋まった。すごい。若い人は全体の1/4くらい、女性は1/5くらい。

 暗くなって(まだ入ってくるヤツがいた)、映画泥棒の後、フル・サイズで本編へ。

 でも、見て良かったかどうか。やっぱりヤクザ映画は苦手だなあ。


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