2017年11月4日(土)「シンクロナイズドモンスター」

COLOSSAL・2016・加/米/西/韓・1時間50分(IMDbでは109分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、仙野陽子/シネスコ・サイズ(フィルム、Super 16)/5.1ch(公式サイト、上映では表記なし)

(加PG指定、米R指定)

監督:ナチョ・ビガロンド
脚本:ナチョ・ビガロンド
撮影:エリック・クレス
出演:アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、
   ダン・スティーヴンス、ほか

公式サイト
http://synchronized-monster.com
(全国の劇場リストもあり)

ニューヨークで彼氏のティム(ダン・スティーヴンス)と暮らすグロリア(アン・ハサウェイ)は、酒を飲むと我を失い暴走。嫌気がさした彼に追い出され、故郷の小さな田舎町に帰ってくる。すると幼なじみのオスカー(ジェイソン・サダイキス)と再会し、彼が経営するバーで働くことになる。そんなとき、TVのニュースで韓国のソウルに怪獣が現れたことを知る。短時間で消えたものの、何度も出現するうち、出現時間がいつも同じで、彼女自身の動きが反映していることに気付く。


71点

前へ一覧へ次へ
 面白い発想の大人のファンタジー。男女の恋愛どろどろストーリーと、SF怪獣ストーリーがない交ぜになって進行する。そして怪獣とのつながりがわかる意外な過去が明らかになって、SF的な手法で事件を解決する。よくできていると思うが、1つには、男女のどろどろストーリーがリアルすぎて、しかもずっしり重くて気が滅入る。ありそうな設定と展開。それは恋愛映画かテレビ・ドラマでやってくれという感じ。やっちゃダメなこととか、早く気付いて止めろということをやって事態がさらに悪くなっていく。ここでは特に酒だ。そのドラマ・パートの重さと、怪獣映画部分の重さのバランスが悪いのではないか。ドラマの方が濃密で重い。しかも主人公がダメすぎで、助けてくれそうだった幼なじみはもっとダメダメって! どうにも感情移入しにくい。

 そしてもう1つ。どうにも意外な展開が意外すぎるというか、説明不足で納得できない。怪獣&ロボットということなら、現れるのは韓国ではなく日本だろうと。日本はだれも出資しなかったんだろうか。韓国が手を上げたので、舞台が韓国になったとか。韓国である必然性が1つもない。とにかく韓国が唐突すぎ。しかも「辛ラーメン」が出過ぎ。これもスポンサー料が払われているのだろう。

 怪獣はなんだかピグモンというか、ガラモン的な顔。日本の怪獣が元ネタなんじゃないの。驚いたことに製作総指揮の1人が主演のアン・ハサウェイだった。だから16mmのフィテルム撮りでもアン・ハサウェイが出ているのか。

 原題の「COLOSSAL」は英語で「巨大な」という意味らしい。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は10分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで、割と幅広く平均的にいた印象。ただし9割くらいが男性。ちょっとオタッキーな感じも。最終的には137席がほぼすべて埋まった。期待が大きかったようだ。ただ、これから増えるかどうか。

 スクリーンは最初1.66くらいのヨーロッパ・ビスタで開いており、スクリーンのマスクが左右に広がるのではなく、そのまま上下が狭まってシネスコになり、映画泥棒のあと暗くなって本編へ。うーむ、小さい。


前へ一覧へ次へ