日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(デジタル、Red(表記なし))/音響表記なし(IMDbにも無し)
(米PG-13指定)
監督:ジェームズ・ポンソルト 原作:『ザ・サークル』デイヴ・エガーズ(早川書房刊) 脚本:ジェームズ・ポンソルト、デイヴ・エガーズ 撮影:マシュー・リバティーク 出演:エマ・ワトソン、トム・ハンクス、 カレン・ギラン、ビル・パクストン、ほか |
派遣社員として保険会社の電話対応係をしていたメイ・ホランド(エマ・ワトソン)は、幼なじみのアニー・アラートン(カレン・ギラン)に誘われ、巨大SNS企業の「サークル」に顧客対応部門の正社員として入社する。ところがさまざまなストレスから趣味のカヤックを夜中にやりたくなって侵入し事故を起こすも、ネットで川を見ていた人がいて救われる。メイはイーモン・ベイリー社長(トム・ハンクス)や全社員の前で、見られていたらから救われたし、見られていたらあんな犯罪はしなかったと懺悔し、これからは「サークル」が開発した超小型カメラを装着して24時間、自分をネットで公開すると宣言する。
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うーむ、ドラマに重点を置いて作っていることはよくわかる。ただ、ハリウッドだったらここから政府の陰謀とかになって、クライマックスでは陰謀を暴こうとする主人公たちと敵の銃撃戦になるんだろうなあ。しかしそういう映画ではなかった。非ハリウッド的というか、ヨーロッパ的というか…… そういえば最初に「アブダビ」ってクレジットが出てた。 だから、ハリウッド的なパターンにはならない構成なのだろうが、その肝心のドラマがどうにもバランスが悪く、こぢんまり過ぎる印象。それに、もしエマ・ワトソンもトム・ハンクスも出ていなかったら、見なかっただろうなあ。見たとしても、もっと評価が低くなっていたかも。キャストはスゴイ。ビル・パクストン、ジョン・ボイエガも出てるし、ミュージシャンのベックも本人役で出て歌ってるし。でも、これはTVドラマで良いお話では? IMDbでは5.3点の低評価。 話の展開も、ありそうでありながら納得できないもので、わかりにくい。特に、主人公が社長に目を掛けられるようになってからの幼なじみのアニーの豹変ぶりは恐ろしいほどで、説明不足。しかもラストに出てくる時には再び友達に戻ってる。情緒不安定か!? 創業者の1人、タイも思わせぶりに出てきて、ほとんど活躍しないし。いなくても一緒じゃん。鹿の角の話も掘り下げていないし。 しかもこの結末で良いのか。とても中途半端な印象。ドラマがメインだったら、もっと踏み込まないと。集団心理の良くない面が出て、人が死んでいるのに、これでいいの? 消化不良で、なんだか気分が落ちる。 ラストにfor Billと出る。なんとビル・パクストンが2017年2月に亡くなっているのだとか。本作では良い演技をしていたと思う。説得力があった。さらにその妻を演じたグレン・ヘドリーもまた2017年の6月8日に亡くなっている。アメリカでの公開は4月28日(一部4月26日)だったということだから、まだ存命だったわけで、エンドロールは完成してしまっていた。 公開6日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、前日にムビチケカードで確保。当日は10分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、目立っていたのは高齢女性、おばあさん。ネットの話なのに、意外だった。若い女性が多いと思ったのに。ただ男女比は2対8くらいで圧倒的に女性が多かった。これは平日ということも関係しているのだろうか。最終的には128席の9.5割くらい、ほぼすべて埋まった。平日なのに! そこまでの映画とは思えないけどなあ。 |