2017年11月19日(日)「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」

KUBO AND THE TWO STRINGS・2016・米・1時間43分(IMDbでは101分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(デジタル、表記なし)/ドルビーATMOS(IMDbではクレジット無しでDTS:Xも)

(米PG指定)(日本語吹き替え版上映もあり)

監督:トラヴィス・ナイト
脚本:マーク・ヘイムズ、クリス・バトラー
撮影:フランク・パッシンガム
声の出演:アート・パーキンソン、
 シャーリーズ・セロン、レイフ・ファインズ、
 マシュー・マコノヒー、ほか

公式サイト
http://gaga.ne.jp/kubo/
(全国の劇場リストもあり)

祖父、月の帝(声:レイフ・ファインズ)により父を殺され、自身も命を狙われ片目を奪われた幼子クボは、不思議な力を持つ母(声:シャーリーズ・セロン)によって小舟で海に逃れ、小さな村に流れ着く。少年になったクボ(声:アート・パーキンソン)は、母がほとんど寝たきりだったため、不思議な三味線で折り紙を操り、物語を語って生計を立てていた。そんなある日、母の言いつけを守れず、日没までに家に帰れなかったクボは2人の刺客、闇の姉妹(声:ルーニー・マーラー)に見つかり、母を惨殺されてしまう。クボは敵を討つため、家紋の入った着物を着て、猿の人形を持ち、月の帝を倒せるという3つの武具を手に入れる旅に出る決心をする。


88点

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 感動した。正統派の冒険ファンタジー。冒険に次ぐ冒険。ロードムービー的な旅の仲間たち……昔、NHKの人形劇でやっていて夢中になったヤツみたいな懐かしさも感じた。ラストは感動して涙が出そうに。素晴らしい親子愛の物語。のっけから緊張感があって引き込まれ、一瞬たりとも飽きさせない展開。

 しかも、これらが、デジタル技術を駆使しているとしても、基本、コマ撮りのアナクロな大変手間のかかるストップ・モーション・アニメーションだというのが素晴らしい。俯瞰といった斬新なアングルもあり、水中や波、雨、雪、嵐といった自然表現も素晴らしかった。色の使い方も鮮やかできれい。ごくわずかだがぎこちないところもあったものの、全体に動きはスムーズで人形を感じさせない。微妙な表情はデジタルとしても、感情表現も豊かで、よく伝わって来た。名優たちが声を当てているおかげもあるだろう。すごい。キャラクター・デザインが見事でカッコ良く、ラストでは人形というかフィギュアが欲しくなった。

 アメリカの製作にも関わらず、日本が良く描かれていたと思う。村の感じ、風俗、四季、灯籠流し…… 若干、神社とお寺の混乱や、日本人が基本つり目という描き方や、わずかに漂う中華の香りはしようがないものだろう。

 まあ、この新宿の劇場は設計ミスなのか、想定の違いなのか、とにかく1Fのエレベーター前から混雑する。自動発券機のキネパスは9Fの受け付けにもあるが、たいていは1Fを利用し、後付けの機械なので動線の処理がまずく、エレベーターを待つ人もいるから大混乱。9Fでも、ほぼ全スクリーンを待つ人が狭い受け付けフロアに集中するため大混乱。しかもこの日は子供向けのアニメの公開日でもあったらしく、小さな子を連れた親がたくさんいて、余計に混乱。ここはアニメ劇場化しているからなあ(そういうところは多いけど)。パンフの売り場にも長蛇の列。前売りなんか買える状況じゃない感じ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜に確保。当日は13〜14分前くらいに開場。着いた時点で残席わずかの表示。観客層は若い人から中高年まで幅広く、最終的には226席の9.5割くらいが埋まった。ほぼ満席と言っても良いかも。若い人がやや多め。男女比は4.5対5.5くらいで女性のほうがわずかに多かった。

 受け付けのあるフロアではメイキングを兼ねる予告がTVで流されていて、撮影で使われたものかどうかわからないが、キャラクターの人形も何体か展示されていた。いいなあ。フィギュアが欲しくなる。

 スクリーンは最初1.66のヨーロッパ・ビスタで開いており、スクリーンのカーテンが左右に広がってシネスコ・サイズになってから本編へ。やっぱり映写機のマスクじゃなく、スクリーンのカーテンというかマスクでスクリーン・サイズを決めてくれると、ビシッと締まって良い。


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