シネスコ・サイズ(デジタル、表記なし)/ドルビー・デジタル(表記なし)
(『UDCast』方式対応視覚障害者用音声ガイド付、一部日本語字幕付上映もあり)
監督:吉田照幸 原作:東直己『ススキノ探偵』シリーズ(ハヤカワ文庫) 脚本:古沢良太 撮影:田中一成 出演:大泉 洋、松田龍平、 北川景子、リリー・フランキー、ほか |
探偵(大泉 洋)は助手の大学生、高田(松田龍平)の後輩からの依頼で、4日前から連絡が取れないという恋人の麗子(れいこ、前田敦子)の調査を暇つぶしにと引き受ける。すると表向きはモデル事務所としてやっている売春組織に所属していたことが判明。さらに、その組織のバックには暴力団と関係のある北城グループがいることも判明。すると早速強面の人々が現れ、関わるなと痛めつけられるが、そこにモデル事務所の女性オーナー、マリ(北川景子)が現れ、止めてくれる。しかし懲りない2人はマリの尾行を始め、マリが北城(リリー・フランキー)の愛人であることを突き止め、さらに……。
|
期待通りの素晴らしい出来。悲しい薄幸の女の物語。感動の1本。あやうく涙が流れそうに。前2作のパワーと言うか、勢いをまったく失っていない。強烈な暴力とエロはやや抑え気味になっていて、ちょうど良い感じかも。ファンは安心して見ることが出来る。 監督は1作2作の橋本一から吉田照幸に替わっているが、雰囲気はほとんど変わっていない。探偵と助手の漫才のような掛け合いと関係性が絶妙で、ギャグも笑える。札幌の冬という季節感とローカル感も抜群。演出も見事だし、演技も見事、そして何より脚本が見事。これは原作の力ということもあるだろうが、エピソードの構成やセリフが実に良くできている。1作2作めも書いている「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005・日)の古沢良太。うまいなあ。 冒頭のアバンは、普通はアバンだけで本筋にはまったく関係ないことが多い。しかし本作はそれが微妙に本筋に関わっていて、事件は徐々に大きくなっていく。やはりヤクザが関わってくるが、リリー・フランキー演じる組織のボスは徹底して悪く、相当怖い。 銃は、オートマチックがP230に見えたがマカロフだったかも。北海道だし、ロシア流れとすれば設定はマカロフ。リボルバーはチーフらしき2インチと、ロシアン・ルーレットに使うM19らしき4インチ。ガン・エフェクトはビッグショット。 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで2日前に確保。当日は40分前くらいに着いたら、まだ劇場が開いていなかった。30分前くらいに劇場が開き、20分前くらいに開場。観客層はほぼ中高年。男女比は半々くらい。たぶん前作からのファンだろう。最終的には184席に3割くらいの入り。朝早いのでこんなものか。午後からの回は残席わずかになっていた。 場内が暗くなって、映写機の左右マスク(ヨーロッパ・ビスタの1.66くらい)で本編へ。ただ途中マスクの左右の外に薄く透けてアメリカン・ビスタくらいのシーンもいくつかあった。 |