2017年12月14日(木)「DESTINY 鎌倉ものがたり」

2017・日本テレビ放送網/東宝/ROBOT/バップ/双葉社/読売テレビ放送/電通/ジェイアール東日本企画/カルチュア・エンタテインメント/ホリプロ/白組/ニッポン放送/読売新聞社/ポニーキャニオン/阿部秀司事務所/札幌テレビ放送/宮城テレビ放送/静岡第一テレビ/中京テレビ放送/広島テレビ放送/福岡放送・2時間09分

シネスコ・サイズ(デジタル、表記なし)/ドルビー・デジタル?(表記なし)

(『UDCast』方式対応視覚障害者用音声ガイド付、一部日本語字幕付上映もあり)

監督・脚本・VFX:山崎 貴
原作:西岸良平『鎌倉ものがたり』(『月刊まんがタウン』連載中(双葉社)
撮影:柴崎幸三
出演:堺雅人、高畑充希、堤真一、
 安藤サクラ、田中泯、中村玉緒、ほか

公式サイト
http://kamakura-movie.jp
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小説家の一色正和(いっしきまさかず、堺雅人)と歳の離れた若妻の亜紀子(あきこ、高畑充希)が新婚旅行を終え、鎌倉の新居(正和の家)に帰ってくる。鎌倉に住むのは初めてという亜紀子に、正和は鎌倉は幽霊や妖怪、魔物が普通に共存する不思議なところだと説明する。日露戦争(!)で夫を亡くしたという先先代から世話になっている自称85歳の家政婦キン(中村玉緒)とともに新生活を始めるが、ある日、亜紀子は、密かにつけ狙っていた赤い手の魔物により体から魂が飛び出し、体が見つからなかったことから死神(安藤サクラ)に死亡と判断されて黄泉の国へと送られてしまう。正和は亜紀子を取り戻すべく、まず体を探すのだが……。


82点

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 感動のおとぎ話。堂々たるファンタジー。なんだか子供の頃、寝かしつけるために親がしてくれた昔話とか、童話とか神話で読んだような物語。本当の鎌倉とは違うアナザー・ワールドの「カマクラ」か「かまくら」のお話という感じ。1960年代くらいの雰囲気で黒電話があったりするのに、100円ショップのことが出て来たりするパラレル・ワールド的ノスタルジー。それを、山崎 貴組というか「ALWAYS三丁目の夕日」組を中心としたオール・スター・キャストで描く。屋根の風見鶏が飛び立って物語が始まり、戻ってきて終わる。日曜や祭日などにのんびり見るのに最適かも。ほんわかした気分になれる。

 テーマはズバリ「愛」だろう。夫婦愛。これがピュアで、子供っぽくもあり、さわやかで、感動的。あやうく泣きそうになった。いいなあ。高畑充希演じる亜紀子みたいな良い子って、ファンタジーの中だけの存在だろうけど。田中泯演じる貧乏神のエピソードも泣かせる。キャラとしては安藤サクラ演じる今どきの若者風死神がイイ! こういう役も出来るんだ。さすが役者。

 そして、妖怪や幽霊が共存する「スター・ウォーズ」や「千と千尋の神隠し」の味もある世界を、3D-CGでリアルに描き(ジャー・ジャー・ビンクスいた?)、さらに想像を超えるような、ちょっと「アバター」の味もある「黄泉の世界」を極彩色でちょっと中華風(台湾風)に描いている(映画の設定では、黄泉の国はその人ごとに見え方が変わるらしい)。

 唯一残念なのは、ギャグがほぼすべて観客からスルーされること。つまり、引くほどではなく、空回りもしていないが、面白くないというか、笑えない。この雰囲気を作るためには必要なのだろうが、どうにも、こうにも……残念。

 公開6日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、前日にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。やはり中高年がメインながら、平日のせいか大学生らしい若い人も1/4くらい。やや女性のほうが多く4対6くらい。意外と夫婦連れが多かった。最終的にはプレミアム席が10席×2列ある407席に2.5割くらいの入り。平日初回でこれは多い方かも。P席にも中年男性が1人座った。

 近くのMX4D上映スクリーンの振動だと思うが、こちらの座席にまで振動が伝わってきて、一瞬地震かと思ったものの気づいて、それでもやっぱり不快だった。


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