2018年1月22日(月)「ルイの9番目の人生」

THE 9TH LIFE OF LOUIS DRAX・2016・英/加/米・1時間48分

日本語字幕:丸ゴシック体下、牧野琴子/シネスコ・サイズ(デジタル、Red)/ドルビー・サラウンド5.1(IMDbではドルビー・デジタルの( )表示で5.1)

(英15指定、米R指定)

監督・製作:アレクサンドル・アジャ
原作:『ルイの九番目の命』リズ・ジェンセン(ソフトバンククリエイティブ刊)
脚本:マックス・ミンゲラ
撮影:マキシム・アレクサンドル
出演:エイダン・ロングワース、サラ・ガドン、
 アーロン・ポール、ジェイミー・ドーナン、ほか

公式サイト
http://louis9.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

ルイ・ドラックス(エイダン・ロングワース)は生まれた時も難産で、毎年何かが起き、シャンデリアが落ちてきたり、クモや蜂に刺されたり、感電したり、食中毒になったりして、8回も死にかけたことがあった。そして9歳の誕生日に、別居中の父ピーター(アーロン・ポール)と、母のナタリー(サラ・ガドン)と一緒にピクニックに行き、高い崖から落下、どうにか命だけは助かるが昏睡状態となってしまう。警察は事故後姿を消した父親を疑い、行方を追うが……。


76点

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 これは辛い。久々に落ち込んだ。叩きのめされた感じ。望みがないわけではないけれど、悲しすぎる。映画としては良くできていると思う。それは原作の良さでもあるのかもしれないが。絶望だらけの昏睡病棟、父の失踪、不倫…… そして最後に海より深い愛。

 キャスティングが見事。主人公のルイから、どの人もはまり過ぎ。まさにピッタリ。素晴らしいミスリード。完璧! この雰囲気はヒッチコックに通じるものかも知れない。最初は少年が主人公のファンタジーかと思わせたら、それはほとんどアバン・タイトルだけ。予告からは「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」(Miss Peregrine's Home for Peculiar Children・2016・英/ベルギー/米)とか、「怪物はささやく」(A Monster Calls・2016・英/西/米)のような、そっち系だと思っていたんだけど…… 猫は9つの命を持っているとか、なんとか。それが少年を崖から突き落とした犯人探しのミステリーになり、悪夢やモンスターのホラーになり、男と女の愛憎劇になって、精神世界へ入って、ラストに愛の物語となると。ちょっと「インセプション」(Inception・2010・米/英)にもつながるか。崖といえばヒッチコックには「断崖」(Suspicion・1941・米)ってのもあったっけ。そして観客誰もが思わず恋してしまうような金髪美女が鍵。

 1軒の家より、街の通り全てより、海の生き物全てより、お前が大切だと。泣かせるなあ。ただ、ちっとも楽しくはない。つらい。悲しい。

 女性刑事がホルスターに入れていたのはP226のような感じだったが、定番のグロックだったかも。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前に割引クーポンで確保。当日は12〜13分前に開場。さがに平日ということで、少なかった。最終的には157席に10人くらい。男女比は半々くらいで、ほぼ中高年。若い女性が2人。

 スクリーンはビスタで開いており、スクリーンのマスクが左右に広がって、シネスコ・サイズになってマナーのあと本編へ。


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