2018年1月27日(土)「ザ・リング/リバース」

RINGS・2017・米・1時間42分

日本語字幕:丸ゴシック体下、岡田壮平/ビスタ・サイズ(デジタル?、左右マスク1.85、with Arri)/ドルビー・デジタル

(米R指定)

監督:F・ハビエル・グティエレス
原作:「リング」鈴木光司
脚本:デヴィッド・ルーカ、ジェイコブ・エステス、
 アキヴァ・ゴールズマン
撮影:シャロン・メール
出演:マチルダ・ルッツ、アレックス・ロー、
 ヴィンセント・ドノフリオ、ジョニー・ガレッキ、ほか

公式サイト
http://thering-movie.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

大学教授のガブリエル(ジョニー・ガレッキ)は、ある日、ショップでソニーのVHSビデオデッキを見つけ、珍しいと購入する。すると中に1本の古いビデオ・テープが入っていて、再生すると奇妙な短い映像が入っており、見終わった途端に電話が掛かってきて少女の声で「7日よ」と告げられる。かつて噂のあった“呪いのビデオ”で、見たものは7日後に死ぬと言われていたものだった。その頃、大学生のホルト(アレックス・ロー)は、恋人のジュリア(マチルダ・ルッツ)を置いて、大学へ戻る。ところが、しばらくしてホルトと連絡が取れなくなり、心配になったジュリアは大学へと行き、担当教授のガブリエルのもとを訪ねる。すると何かの実験に関わっていたことがわかり、研究室に来ていた教授の恋人スカイ(エイ・ティーガーデン)のことが気になり、声を掛けると、見てほしいものがあると部屋へ連れて行かれる。


66点

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 ちっとも怖くないホラー。アバンがヒコーキのエピソードで、ここから掟破りでガッカリさせられる。ビデオを見た1人だけが死ぬのではなく、飛行機に乗っていた人全員が道連れなんておかしい。しかも、音で脅かすパターン。怖いじゃなくて、単なるビックリ。もうダメ。作るたびに酷くなっている印象。IMDbではたった4.5点の低評価。まあ、当然か。何が原点回帰だってカンジ。

 映像作品の場合、メイン・キャラクターの魅力とか存在感ということもあると思うが、その点で、本作はちょっと観客が感情移入とか、応援しにくい感じも。サブのキャラの方が、ヴィンセント・ドノフリオとか、存在感のある人がいるという(もちろんそれなりの理由があるわけだが)、バランスの悪さ。

 あと、脚本も問題ありだろう。前の方の振りで「決して振り返ってはいけないオルフェウスの黄泉の国」とかの話をしておきながら、肝心のクライマックスでどころか後半でまるっきり出てこないというのはどういうつもりなんだろう。しかも、誰かにコピーを見せれば死を免れるというのも、教授が勝手に言い出すことで、どうにも納得できない。前作を見たことが前提になっているのだろうか。死のビデオの映像もそっくりだったような気がする。プロがやっちゃいけない夢オチまであるし……。

 やっぱり原作のように、記者なりの誰かが事件を調べていって、いろいろ判明してくるという風にしないと、納得もできないし怖くもない。本作は大学教授がカギを握っているわけで、少なくともビデオをコマ送りにして内容を完璧の記録して分析するとかやるはず。いや、シロートだってそれくらいはできるだろうし、やるだろう。それもしないとは、怖がらせるためなのか。自分が死を免れるために教え子に死のビデオを見せるなんて! 結局、怖い映画ではなく、ただのビックリ映画ということ。あえて見る必要があったかどうかっていうか、あえて作る必要があったのかどうか。

 原題はRINGの複数形RINGS。永遠に続くと。うーむ。なんだかなあ。

 公開2日目の2回目、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は10分ほど前に開場。意外と若い人から中高年まで幅広く、男女比は最初は7対3くらいで男性が多かったが、最終的には女性が増えて6対4くらいまでに。そして最小の73席はほぼすべて埋まった。もともとキャパが小さいけど。


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