ビスタ・サイズ(デジタル?、表記無し)/ドルビー・デジタル?(表記無し)
(日PG12指定)
監督:白石晃士 原作:『不能犯』(集英社『グランドジャンプ』 連載)、宮月新・作、神崎裕也・画 脚本:山岡潤平、白石晃士 撮影:高木風太 出演:松坂桃李、沢尻エリカ 新田真剣佑、間宮祥太朗、ほか |
SNSなどで都市伝説的に話題になっている「殺人電話ボックス」の話。殺したい相手の名前と理由と連絡先を書いて貼っておくと、本当に殺してくれるというもの。ただし、理由が純粋でないと依頼主までが殺されることもあるという。そんなある日、杉並北署管内で、全身をスズメバチに刺されたように腫れ上がった状態で死んでいる男性が発見され、ベテランの女刑事、多田友子(ただ、沢尻エリカ)と新人の百々瀬麻雄(ももせあさお、新田真剣佑)が捜査に当たることに。被害者は金融会社の社長で、監視カメラに謎の黒いスーツの男(松坂桃李)が写っていたが、検視の結果、被害者の体からは蜂の毒は発見されなかったため、突然死として処理されることになった。しかし多田は過去に同様の事件があったことに気付き、調べてみるとそこでも黒いスーツの男が目撃されていた。
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なかなか面白かった。実際には2時間に満たないのだが、感覚的には2時間を超えるくらいの長尺で、たっぷりとていねいに描い作品のように感じた。なかなか怖く、残酷表現もなかなかの不快さ。しかも、最後まで描き切り、キッチリ落とし前を付ける。いい加減な描き方はしていない。意外な展開もあって、話はスケールが大きくなって、ラストはすっきり爽快。ただ続編が作りやすいような終わり方はしているけど。 やはり、ホラーをきちんと怖く撮れる人は、実力がある人で、後に大成するというボクの理論に従えば、たぶん白石晃士監督で正解だったのでは。もちろん今後も大注目だろう。これまでオリジナル・ビデオ作品で怖い作品をたくさん作ってきた人。「エルム街の悪夢」(A Nightmare on Elm Street・1981・米)のウェス・クレイヴン、「エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃」(A Nightmare on Elm Street 4: The Dream Master・1988・米)のレニー・ハーリンなどと同じ。 ただ、本作の場合、主要キャストの女刑事、多田友子役の沢尻エリカが美人過ぎて、しかもとても女性らしい感じで、どうにも刑事のイメージがわかない。やっぱりタフな刑事であるためには、ある程度、男っぽいというか、言葉使いや態度だけではないボーイッシュな雰囲気がないとなあ……。 それにしても、現在の話なのに、たばこ吸いすぎ。刑事はたばこを吸うものというイメージなんだろうか。女性まで! なんだか古くさい感じ。しかも、一部だが、フィルムで撮ったような古くさい画質のところがあったが、あれは何だったんだろうか。 凶悪犯と戦う話だが、銃はなし。残念。そのかわりナイフが大活躍。やっぱり刃物は怖い。そこを狙ったのだろう。あとは爆弾。 公開17日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、やや遅めのスタート。2週以上過ぎるとしようがないか。2日前にムビチケカードで確保。当日は15分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、メインは若い人、中でも若い女性が多かった。松坂桃李や新田真剣佑ファンか。最初20人くらいいて、老は7〜8人。男女比は半々ほど。最終的には122席に6.5割くらいの入り。まあ、こんなものか、2週目過ぎたし。 |