2018年3月3日(土)「シェイプ・オブ・ウォーター」

THE SHAPE OF WATER・2017・米・2時間04分(IMDbでは123分)

日本語字幕:黄色、丸ゴシック体下、種市讓二/ビスタ・サイズ(表記無し、1.85、デジタル、ALEXA)/音響?(表記無し、IMDbではD-Cinema 48kHz 5.1)

(米R指定、日R15+指定)

監督・製作:ギレルモ・デル・トロ
原案:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー
撮影:ダン・ローストセン
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、
   オクタヴィア・スペンサー、
   デヴィッド・ヒューレット、
   ダグ・ジョーンズ、ほか

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
(全国の劇場リストもあり)

1962年、アメリカ。声を失った女性イライザ(サリー・ホーキンス)は、映画館の上の部屋に住み、航空宇宙研究所で掃除係として、友人のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に昼夜逆転した生活を送っていた。そして、ある日、イライザたちが掃除を担当しているエリアに、新しい研究チームが不思議な生き物と共にやって来る。するとしばらくして、掃除係に緊急出動がかけられ、新しい研究チームの部屋に入るとチームの責任者の軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)が指を2本切断して血まみれとなっており、大きな水槽には不思議な生き物がいて、拷問のような虐待を加えられていたらしいことがわかる。やがてその研究室の掃除担当となったイライザは、不思議な生き物を哀れに思い、ゆで卵を与えてみる……。


78点

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 実にギレルモ・デル・トロらしい映画。残酷で、優しくて、楽しくて、悲しくて、怖くて、穏やかで、エロくて、グロい。「クロノス」(Cronos・1993・メキシコ)や「デビルス・バックボーン」(El espinazo del diablo・2001・西/メキシコ/仏/アルゼンチン)、「パンズ・ラビリンス」(Pan's Labyrinth・2006・西/メキシコ/米)のデル・トロが戻ってきた。ちょっと悪役が残虐すぎる気がするのと、クリーチャーと主人公のイライザが最初に心を通じるところが唐突で、強引で、ちょっと不自然な感じがしたくらい。あとは素晴らしかった。

 全体に溢れているのは、映画マニアのギレルモ・デル・トロらしい往年のハリウッド名作映画の雰囲気に、楽曲とダンス。たくさんの歌が流れる。ラストのエンディング・テーマもその雰囲気。そして青緑色。シーンのどこかにこの色が使われている。クレジットの文字まで緑。それから、このクリーチャーは、ものすごく怖かった「大アマゾンの半魚人」(Creature from the Black Lagoon・1954・米)へのオマージュだろうなあ。エンド・クレジットにはアラビアン・ナイトの文字があった。

 とにかく良かったのは主演のサリー・ホーキンス。全裸でがんばっている。つい最近公開された「パディントン2」(Paddington 2・2017・英/仏/米)ではおばちゃんキャラのような雰囲気で、それまではサブ・キャラのような雰囲気だったのが、こんなに主演を張れるだけの魅力があって、色っぽい人だったとは。デル・トロが彼女の魅力を全て掘り出した感じ。観客はみんな「ホレてまうやろう!」。

 そして、マイケル・キャノン。この凶暴さはただ事ではない。憎たらしい。そして怖い。腐ってきた自分の指を引きちぎって捨てるなんて!! この人の怖い演技は本当に怖い。この人もお尻丸出しでがんばっている。ボカシが入れられていたけど。

 銃は、ガバメント、ステンレスらしいシルバーのチーフ(M60?)。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は40分前くらいについたら、まだ開いていなかった。チケットは2日前にムビチケカードで確保していたが、みんな並んでいるので仕方なく並ぶ。30分前にようやく開き、ロビーへ。17〜18分前に開場のアナウンス。表示がどこにもないのはどうなんだろう。

 観客層は、若い人から中高年まで幅広かった。さすが話題作。男女比もほぼ半々。最終的に407席の9割が埋まった。プレミアム席も5席ほど埋まった。朝早い初回とは思えない混みよう。

 場内が暗くなって、映写機の左右マスクで本編へ。


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