2018年3月17日(土)「ブラックパンサー」

BLACK PANTHER・2018・米・2時間15分(IMDbでは134分)

日本語字幕:手描き風書体下、チナキ真理/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri(ALEXA)、ドルビーvision)/ドルビーAtmos(IMDbではAuro 11.1、ドルビー・サラウンド7.1、dts、12トラック・デジタル(IMAX)も)

(米PG-13指定)(3D上映、4D上映もあり)

監督:ライアン・クーグラー
原作:スタン・リー、ジャック・カービー
   (マーベル・コミック)
脚本:ライアン・クーグラー、
   ジョー・ロバート・コール
撮影:レイチェル・モリソン
出演:チャドウィック・ボーズマン、
   マイケル・B・ジョーダン、
   アンジェラ・バセット、
   フォレスト・ウィテカー、ほか

公式サイト
http://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther.html
(全国の劇場リストもあり)

太古の昔、宇宙を崩壊させるほどのパワーを秘めた鉱石「ヴィブラニウム」が地球のアフリカに落下、それを利用して超文明国「ワカンダ」が建国された。ワカンダは密林の奥に隠され、どこの支援も受けず、どことも貿易もしていないため、その存在はほとんど知られていなかった。現在、そのワカンダの国王が亡くなり、息子のティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)が継ぐことになる。そのころ、ロンドンのグレート・ブリテン博物館から展示物であるヴィブラニウム製のオノが、元シールズでワカンダ出身ののキルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)と武器商人のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)に強奪される。そして韓国で売るという情報を得て、ティ・チャラは妹のシュリ(レティーシャ・ライト)が開発した特殊スーツを身につけ、ヴィブラニウムのパワーによりワカンダの守護者となったブラック・パンサーとして、彼らを逮捕すべく、元恋人のスパイ、ナキア(ルピタ・ニョンゴ)と親衛隊の隊長オコエ(ダナイ・グリラ)と共に韓国に入る。すると、取引場所には、ユリシーズ・クロウを追うCIAのエージェント、エヴェレット・ロス(マーティン・フリーマン)もいた。


86点

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 凄い! おもしろかった! まるで1950年代から1960年代前半くらいのハリウッド映画のような雰囲気。奇想天外な大冒険活劇。おそらく物語の構造がそっくりなのではないだろうか。ある意味安心して見ることができる。かつての暗黒大陸での大冒険で、「ターザン」のようでもあって、「地底探検」(Journey to the Center of the Earth・1959・米)のようでもあり、「007」的でもある。ヒーローのスーツ自体がガジェットのようだし、SF的な秘密兵器の数々を発明した主人公の妹シュリは、まるで007映画の「Q」のよう。世界を股に掛け大活躍する。スケールが大きい。お金も掛かっているように見え、とても贅沢な作り。なんて映画だ!

 ほぼ登場人物は黒人ばかり。かろうじて2人出ている白人は、1人はとんでもない武器商人で、1人はなかなか良いヤツだがCIAのエージェント。これも珍しい。そして、「スター・ウォーズ」のロイヤル・ガードのようなスキンヘッドの女戦士軍団がカッコいい! ルックスも、ポーズも、格闘技もカッコいい。

 凄いカット割りも多い。たとえばカジノのシーンなど、1カットでメイン・キャストが2階の手すりからジャンプして1階に飛び降りて、そのまま敵と戦うとか、どうやって撮ったのかわからないカット満載。普通はスタントマンを使い、カットを割ってメイン・キャストと入れ替えるところ、1カットなのだ。たぶんデジタル技術を使っているのだろうけれど、とにかく驚きのカット割り。凄い技術。

 銃は、冒頭1992年の裏切り者となる2人がテーブルに載せているのがM16A2。「グレイス・ジョーンズみたいなのが2人いるぞ」には笑った。「007/美しき獲物たち」(A View to a Kill・1985・英/米)を思い出す。ナイジェリアのトラック隊の兵士が装備しているのはAKとジープにM2ブローニング。アンディ・サーキス演じる武器商人のユリシーズ・クロウはグロック(imfdbではセイリアント・アームズのカスタムと)で、サイレンサーコのような四角いサウンド・サプレッサーを装着。その後P226も使っている。腕には漫画「コブラ」のサイコガンのような仕込み銃、アーム・キャノンがあり、トランスフォーマー的に出てくる。その時、組んでいたキルモンガーは1911オート(imfdbではパラオードナンス)を使用。ほかにM4カービン系の小銃も使われている。ウェポン・トレーナーは3ガン・チャンピオンのタラン・バトラー。

 サウンドのクォリティは、ハリウッドは基本的に高い。ドラムの音などのサラウンドがすばらしく、低音の迫力も体が振動するような感じですば抜けて良かった。

 恒例のヒッチコック的なスタン・リーの登場シーンはカジノで、チップの置き方をアドバイスする老人役。

 公開17日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。観客層はほとんど若い男性で、下は中学生くらい。男女比は半々くらい。最終的には122席はほぼ満席。8〜9割くらいが若い人たち。

 映写機のマスクが左右に広がって、フル・サイズになり、映画泥棒のあと本編へ。最初に「エンド・クレジットのあとも映像があります」という趣旨の字幕が出たが、数人が席を立って帰った。もったいない。バッキー・バーンズって、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(Captain America: The First Avenger・2011・米)の主人公の友人で、のちのウィンター・ソルジャー?


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