2018年3月18日(日)「リメンバー・ミー」

COCO・2018・米・1時間45分

日本語字幕:手描き風書体下、黄色、石田泰子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、ドルビーvision)/ドルビーAtmos(IMDbではドルビー・デジタル、Auro 11.1、ドルビー・サラウンド7.1、dts、12トラック・デジタル(IMAX)も)

(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、4D上映もあり)

同時上映「アナと雪の女王/家族の思い出」(短編)

OLAF'S FROZEN ADVENTURE・2017・米・22分

日本語字幕:手描き風書体下、黄色、松浦美奈/ビスタ・サイズ(1.85、デジタル)/音響表記なし(IMDbではドルビーAtmos、dts)


監督:リー・アンクリッチ
共同監督:エイドリアン・モリーナ
脚本:エイドリアン・モリーナ、
   マシュー・オルドリッチ
声の出演:アンソニー・ゴンサレス、
   ガエル・ガルシア・ベルナル、
   ベンジャミン・ブラット、ほか

公式サイト
http://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html
(全国の劇場リストもあり)

メキシコ、死者の日。ミゲル少年(声:アンソニー・ゴンサレス)は家族の掟によって楽器を弾くことや歌を歌うことを禁じられていた。そこで密かにギターと歌を練習していた。彼のヒーローは歌はもちろん映画でも国民的な人気を誇ったエルネスト・デラクルス(声:ベンジャミン・ブラット)。そして死者の日に開催される音楽コンテストに出場するため、エルネスト・デラクルスの大きなお墓に飾られたギターを借りようとお墓に侵入し、死者の国へと迷い込んでしまう。


87点

前へ一覧へ次へ
 感動した。ちょっと涙が……。これは泣いちゃうよなあ。思いを果たすことができなかった先祖の無念さ、優しさ、愛の深さが良く伝わってくる。そして日本のお盆にも通じるようなメキシコの風習、「死者の日」。似た考え方なので、とてもわかりやすい。それにプラスして、死者さえも、生者から忘れ去られるとその存在が消えてしまうという、設定(?)。これがまた辛い。映画の中で少年がそれを知っていくのと同時に、観客もそれを知っていく。何の抵抗もなく、スッと受け入れられる。

 この映画を見ていると、現実は別として、メキシコは歌好きが多くて明るくて、死者をも大切にする良い国だなあと思えてくる。肝っ玉ばあちゃんとか、いいキャラだけど、ちょっとうっとうしくなるかも。そんな存在感ある登場人物たち。そして良い曲の数々。特にテーマにもなっている「リメンバー・ミー」は、物語が終わってから聞くと、より心に染みる。思い出してまた涙が出そうになる。

 若干、展開がパターンだなあという感じがしなくもなかったが、それゆえに安心してみられる。ただ、死者の国では真実が明かされたとしても、現実社会ではどうやって真実が知れ渡ったのか、ちょっとした疑問は残った。

 極彩色の死者の国の世界観は実に身人で美しかった。ちょっとジブリの「耳をすませば」(1995・日)のバロンが連れていってくれた世界のような、また「DESTINY 鎌倉ものがたり」(2017・日)の黄泉の国のような雰囲気もあった。

 3DのCG技術はどんどん進んでおり、水、水に濡れた感じなどは実にリアル。キャラクター以外は本当に写実的だが、たぶんこれでもアニメの体裁を保ち、リアルになりすぎないよう、抑えているのだろう。もう出来ないことは無い感じ。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。観客層は若い人から背中高年まで幅広く、字幕版ながら下は小学生くらいの女の子。男女比は3対7くらいで女性が圧倒的に多かった。泣ける映画というところからだろうか。最終的には580席に4.5割くらいの入り。アカデミー賞長編アニメーション賞受賞は日本時間3月5日に発表されたので、もっと入っても良いと思うんだけど……。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、CM・予告の後、スクリーンのマスクが左右に広がってシネスコ・サイズになって、映写機の左右マスクで、まず短編の「アナと雪の女王/家族の思い出」から上映。


前へ一覧へ次へ