2018年3月25日(日)「曇天に笑う」

Laughing Under the Clouds・2018・映画『曇天に笑う』製作委員会・1時間34分

ビスタ・サイズ(シネスコに映写機の左右マスクで上映。デジタル、Arri ALEXA)/ドルビー・デジタル?(表記なし)


監督:本広克行
原作:唐々煙『曇天に笑う』(マッグガーデン刊)
脚本:高橋悠也
撮影:神田創
出演:福士蒼汰、中山優馬、
   若山耀人、桐山漣、
   東山紀之、ほか

公式サイト
http://donten-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

明治維新から間もなく、混沌の時代が続いていた頃、琵琶湖のほとりの大津町は、代々「雲(くもう)神社」の雲一族によって治安を守られていた。その雲家は両親を風魔(ふうま)一族によって惨殺され、長男の雲天火(くもうてんか、福士蒼汰)が親代わりとなって、次男の空丸(そらまる、中山優馬)とまだ幼い三男の宙太郎(ちゅうたろう、若山耀人)の面倒を見ていた。そんなとき、大津は曇天が続いていた。そして大津には、曇天が続くと300年に一度オロチが復活するという伝説があり、人々が不安に陥っていた。陸軍でもその情報を得て、岩倉具視(いわくらともみ、東山紀之)の命により、直属部隊の「犲(やまいぬ)」の5人が対策に動き出す。まずオロチが蘇る時必要になるとされる人間の「器(うつわ)」を探すことに。一方、オロチの復活をもくろむ風魔一族も「器」を探して活動を開始し、同時に獄門處(ごくもんじょ)に捕らわれていた仮面の男を奪還しようとする。


70点

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 うーむ、見どころがない! アイドル好きの女子にはキャストが魅力的かもしれないが、普通の男子には関係ない(女性の熱狂的ファンが多いらしい)。そのためにキャラクターが若い子ばかりで、まったく説得力がない。せめて岩倉具視くらいオジサンっぽい役者を使えばいいのに東山紀之で、50歳を過ぎているとは言え、スマートで美形過ぎて、オジサンに見えない。ほとんどの出演者が若い人ばかり。軍人達もちっとも軍人に見えない。まるでコスプレ。悪い言い方をすれば学芸会的。(好きな人、ごめんなさい)

 しかも、「踊る大捜査線」シリーズに時々ある、引いてしまうような悪ノリのアバン・タイトルがあって、ノレないまま最後まで突っ走ってしまわれる。これば現代劇なら途中で取り戻せても、時代劇はつらい。さらに、漫画やアニメでは成立する展開やセリフも、実写だと現実感が出て臭くなってしまうことがあり、本作はほとんどがそれ。

 加えて、楽曲がうるさい! とてもカンに触る。じゃま。何でだろう。とてももったいない。サカナクションのオープニング/エンディング曲とか「陽炎」とか、とても良いのに……。そして冒頭の町でのお祭りのシーン、太鼓というかドラムっぽい打楽器メインの曲なのに、その太鼓の音が絵とまったく合っていない。大画面だとそれがハッキリわかる。カメラ・ワークは空中から1カットで舞い降りて群衆の中の1人に寄って行くというヒッチコック的な素晴らしいものなのに、うむむ。もったいない。

 原作を読んでいないし、TVのアニメ・シリーズも見ていないが、ファンの人たち、見ていた人たちにとってはどうだったのだろうか。気になるところ。6月には劇場アニメも公開されるし……。

 CGらしいウロコは、ほとんどミスティークのイメージ。銃はスタールらしい2挺拳銃。撃った時の雰囲気がモデルガンっぽかったけど。モデルガンだとすればハートフォードがベースだろうか。ガン・エフェクトは遊佐和寿。ももクロの友情出演って、誰と誰の友情?

 公開5日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は40分前くらいについたらビルが開いておらず、20分前にようやく開いた。そこから10分ほどしてすぐに開場。あわただしい。スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、やや若い人が多いくらい。女性は3〜4割ほどで、ほとんど若い人。最終的には301席に25〜30人ほど。まあ朝が早いからにとは言え、最初の日曜でこれはどうなんだろう。

 映写機の左右マスクのまま本編へ。


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