2018年4月1日(日)「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」

VALERIAN AND THE CITY OF A THOUSAND PLANETS・2017・仏/中/ベルギー/独/UAE/米・2時間17分

日本語字幕:丸ゴシック体下、川又勝利/シネスコ・サイズ(2.35、デジタル、Arri ALEXA、ドルビー・ビジョン)/ドルビーATMOS、dtsX(IMDbではドルビー・サラウンド7.1、ドルビー・デジタル、SDDSも)

(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、3D上映、4D上映もあり)

監督:リュック・ベッソン
原作:ピエール・クリスタン・作、
   ジャン=クロード・メジエール・画、
   『ヴァレリアンとローレリーヌ』シリーズ
脚本:リュック・ベッソン
撮影:ティエリー・アルボガスト
出演:デイン・デハーン、
   カーラ・デルヴィーニュ、
   クライヴ・オーウェン、
   リアーナ、イーサン・ホーク、
   ハービー・ハンコック、
   ルトガー・ハウアー、ほか

公式サイト
http://valerian.jp
(全国の劇場リストもあり)

2740年、宇宙連邦の腕利きエージェントのヴァレリアン少佐(デイン・デハーン)と、相棒の美女ローレリーヌ軍曹(カーラ・デルヴィーニュ)は、コンバーターと呼ばれるものを回収するため、巨大宇宙ステーション“千の惑星都市=アルファ”の巨大マーケットを訪れる。するとアルファを統治するフィリット司令官(クライヴ・オーウェン)から、アルファの中心部で正体不明の汚染が発生し、調べに向かった部隊が全滅したため、助けて欲しいと要請される。しかもアルファに暮らす全種族がその汚染により死滅するまで10時間しか無いという。


70点

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 うわーっ、内容が無い。何だこれ? さすがリュック・ベッソン作品、しかも監督までやっている。原作は読んだことがないが、この脚本は忠実なのだろうか。脚本が酷いというか、まるで子供向き。出来の悪い漫画のような……。随所に「スター・ウォーズ」(Star Wars・1977・米)シリーズの影響なのか、オマージュなのか、あこがれなのか、いただきなのか、引用的なものが多い気がする。音楽も全体に大げさ。雰囲気に合っていないわけではないものの、立ちすぎている。

 ただ、絵、ビジュアルは素晴らしい。いろんなキャラクターの好みはあるとしても、とにかく良くできていて、見せる。色も原色系で鮮やかでキレイ。見事。

 残念なことに主人公2人のキャラが酷い。原作通りなのかもしれないが、子供なのに、中佐と軍曹っていわれてもなあ。それだけでなく、ちっとも魅力的じゃない。ジャー・ジャー・ビンクス的なうざいキャラも多い。ハリウッドかぶれか。基本英語だし、わざわざ「フランス語はしゃべれない」なんてキャラまで登場させている。そこに中華なキャラ。製作にも加わっているので、当たり前といえば当たり前だが、不自然なほどに中国人が目立っている。逆に日本人的なキャラは、唯一握手しないキャラだったり(わけのわからない宇宙人さえ握手するのに、お辞儀のみと)、変態呼ばわりされて追い出されるキャラだったり……残念!

 銃は、基本SF銃、オリジナル・デザインのブラスター。特にハンドガンがそうだが、長物はM4ベースものが、少ないものの混じっていた。将軍専属の地獄の番犬みたいなK-トロン部隊の武器はブルバップ形式で、グレネード・ランチャーも装着していた。巨大マーケットの監視塔のセキュリティはバルカン砲?、ミニガン?

 遠い未来のはずなのに、コンピューター系の筐体をあけると、中にぎっしりとコード(ケーブル)があるってどうなんだろう。大抵のSF映画ではボード化されていて、回路基板は差し込むだけで接続されていたと思うけど……。町は香港な雰囲気で、中華な人々だたくさん。製作に中国も加わっているから当然で、冒頭ユーロパ・コープより先に漢字のロゴが出ていたっけ。

 公開3日目の初回、毎月1日の「映画の日」サービス・デイで均一料金1,100円。混雑が予想されたので2日前にムビチケカードで確保。当日はさすがに映画の日なので、着いた時点でほとんどの作品が「完売」状態。2回目以降の上映も夕方くらいまで「残席わずか」。その混雑のせいか20分前くらいに開場。予告の派手さの割には小さいスクリーンでの公開。あらら。

 観客層は若い人から中高年まで、割と幅広かった。女性は1/3くらい。表示どおり満席となったが、2〜3人は来ない人がいるんだなあ。もったいない。マナーのあと暗くなって、映写機のマスクが左右に広がって、フルサイズで本編へ。


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