2018年4月1日(日)「トレイン・ミッション」

THE COMMUTER・2018・英/仏/米・1時間45分

日本語字幕:手描き風書体下、伊原奈津子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri ALEXA)/ドルビーATMOS

(米PG-13指定)

監督・製作総指揮:ジャウマ・コレット=セラ
脚本:バイロン・ウィリンガー、
   フィリップ・デ・ブラジ、
   ライアン・イングル
撮影:ポール・キャメロン
出演:リーアム・ニーソン、
   ヴェラ・ファーミガ、
   パトリック・ウィルソン、
   サム・ニール、ほか

公式サイト
http://gaga.ne.jp/trainmission/
(全国の劇場リストもあり)

あと5年で定年の元刑事マイケル(リーアム・ニーソン)は、ある日突然10年間勤めた保険会社をクビになる。途方に暮れ、いつも乗る通勤電車で帰路につくと、前の席にジョアンナと名乗る見知らぬ女(ヴェラ・ファーミガ)が座り、手付けで25,000ドル、プラス成功報酬75,000ドルで、この電車に乗っていて普段は見かけない人物が鞄に盗品を入れているので見つけて欲しいという。ヒントは「プリン」という名前と、終点のコールド・スプリング駅まで乗ると言うことだけ。姿格好も、性別さえもわからない。そして、このことを他人に告げてはならないという。それを告げると女は降りてしまう。教えられた場所に本当に25,000ドルがあり、マイケルはそのままネコババしようとするが、少女が乗り込んできて「あなたは監視されている」と茶封筒を渡す。中には妻が着けていた結婚指輪が入っていた。

76点

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 面白かった。IMDbでは6.4点だったが、ボクはとても楽しめた。密室での緊迫の展開。こんなに引っ張れるものだとは。見せるなあ。最初はヒッチコック映画のようで、深まる謎、スピード感が半端ない。

 「フライト・ゲーム」(Non-Stop・2014・英/仏ほか)とよく似ているというか、舞台を置き換えただけという指摘はアリかもしれない。でも、ちゃんと面白いからなあ。車内のたくさんのリアルなキャラクターたちの人物描写の見事さ。ちゃんとそれぞれ立っている。ちょっとブルース・ウィリスの「16ブロック」(16 Blocks・2006・米/独)に似ている気も。

 原題のコミューターは通勤電車のこと。本作ではニューヨークの地下鉄が舞台になっていて、チケットのシステムなども興味深い。運行中、車掌が回ってきて検札があり、行き先ゾーンの札を背もたれに刺すとは。意味があるんだろうか。劇中でも席を替わったことで、誰がどこのゾーンへ行くかわからなくなっている。また、ニューヨークという大都会の通勤電車なのに、トイレがあるんだなあ。

 ヒッチコック的な、典型的巻き込まれサスペンスで、鞄の中の盗品というのは、もちろんマクガフィン。実質は何でもいいわけで、本作でも結局何だったかは明かされない。

 起承転結の「結」も痛快で爽やか。「次はバスにする」というギャグも効いている。大団円の後「ダイ・ハード2」(Die Hard 2・1990・米)みたいな終わりで、気持ちよく劇場を後に出来る。

 銃は、乗り込んでいたFBI捜査官が持っていたのがP226。SWATチームはM4カービン。スナイパーがHK416かと思ったらifmdbでは7.62mmのHK417の方だったらしい。

 エンド・クレジットは、色の付いたラインが伸びて行き、そこに枝のように名前がぶら下がるデザイン。つながると、あたかも路線図のようになるという凝ったもの。うまいなあ、と思ったら、タイトルはあのカイル・クーパーだった。納得。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は遅いスタートで、それでも映画の日だから心配なので2日前にムビチケカードで確保。15分前くらいに開場となった。映画の日なので混雑を予想して全体に早く開けているのかも。観客層は、映画の日だからか若い人から中高年まで、割と幅広い。全体として女性の方が若い。男女比は6対4くらいで、ちょっと男性の方が多い感じ。まあアクションだし、アイドル系の人も出てないし。

 本作も、朝着いた時点で「完売」の表示になっていたし、わずか117席なので実際に満席になった。映写機のマスクが左右に広がって、フル・サイズで本編へ。


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