2018年4月8日(日)「ラブレス」

Нелюбовь・2017・露/仏/独/ベルギー・2時間07分

日本語字幕:丸ゴシック体下、佐藤恵子/シネスコ・サイズ(レンズ、2.35、デジタル?)/音響表記無し(IMDbではドルビー・デジタル)

(露18+指定、米R指定、日R15+指定)

監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ、
   オレグ・ネギン
撮影:ミハエル・クリチマン
出演:マルヤーナ・スピヴァク、
   アレクセイ・ロズィン、
   マトヴェイ・ノヴィコフ、ほか

公式サイト
http://loveless-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

美容サロンを経営する妻のジェーニャ(マルヤーナ・スピヴァク)と、IT企業に勤める夫のボリス(アレクセイ・ロズィン)は、離婚のためマンションを売却することになっていたが、1人息子の12歳のアレクセイ(マトヴェイ・ノヴィコフ)をどちらが引き取るかもめていた。それを知ったアレクセイは学校に向かったまま消息を絶ってしまう。しかし、すでに夫婦にはそれぞれ別な相手がおり、そちらへ泊まることも多く、2日後それに気付いた2人は、ようやく警察に届け出る。ところが警察は強盗事件や殺人事件で忙しく、ボランティア・グループへ捜索の依頼をするよう告げられる。


71点

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 IMDbでは7.7点の高評価。アカデミー賞外国語映画賞ノミネートをはじめ、カンヌ国際映画祭審査員賞受賞ほか多くの映画祭でノミネート&受賞。しかしボクのようなボンクラ頭では理解できなかった。やっぱりカンヌ。そしてカンヌ好みらしく相当エロい。必要ないとは思うが、ボカシが何回も入った。

 チラシや公式サイトでは「映画史に残る慟哭のクライマックス」ということになっているが、全くそれを感じられなかった。だいたいクライマックスがあったのかどうか。なんでも起承転結で語るのはどうかと思うが、わかりやすく言えば、「起」と「承」だけで出来ているような印象だった。事件が起きて、それが大きくなって、終わり。何も解決せず、最初の流れどおりの方向へ行って終わる。一体何だったのか? 127分も何を見せられたのか。タダとかなら良いが、1,800円も払って忙しい中、貴重な時間を使って……。後悔した。

 心はあまり動かされなかった。退屈で、眠く、長く、ただ感情的にはへこんだ。まるで夫婦げんかの現場に居合わせたような居心地の悪さ。文句ばかり言うヒステリックな母親に、一方的にこっぴどく叱られたような感じ。なんで観客が怒られなきゃならないんだと。

 ボクが得たことは、ロシアでは失踪事件レベルでは、警察よりボランティアの人々の方がずっと頼りになると言うこと。そして愛のない結婚な不幸を招くと言うこと。それくらい精一杯。予告は面白そうだったのに……。映画らしい重厚さはあるが、「ワンダーストラック」か「ガンダル」にすれば良かったなあ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にオンライン券で確保。当日は、10分くらい前に開場。やっぱりほとんど中高年。これはそうだろうなあ。若い人は10人に1人くらい。最終的に137席に4割ほどの入り。女性は4〜5人しかいなかった。今後増えるとも思えないなあ。

 スクリーンが低くて、これだと混んだら前の席の人の頭が邪魔になりそう。今どきこんな設計って……。スクリーンはビスタ・サイズで開いていて、CM・予告の後、上下が狭まってシネスコ・サイズになってから場内が暗くなって本編へ。


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