日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(デジタル、2.39、Arri ALEXA、in Panavision)/ドルビー・デジタル
(米R指定、日PG12指定)
監督:アーロン・ソーキン 原作:モリーズ・ブルーム 「モリーズ・ゲーム」(越智睦・訳、 ハーパーコリンズ・ジャパン刊) 脚本:アーロン・ソーキン 撮影:シャルロッテ・ブルース・クリステンセン 出演:ジェシカ・チャステイン、 イドリス・エルバ、 ケヴィン・コスナー、ほか |
大学の心理学教授の厳格な父の英才教育により、文武両道で厳しく育てられたモーリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は、コロラド大学を首席で卒業し、フリー・スタイル・スキーでは北米3位となり、冬季オリンピックのソルトレイク大会で金メダルも狙える位置にいたが、運命のいたずらにより転倒、オリンピックの夢を絶たれてしまう。そこで、ロー・スクールへ進学するのを延期し、1年間の休暇を取ることにする。そして友人の家に泊めてもらい、アルバイトを始めるが、ある日、雑用係をやっていた投資会社のボス、ディーン・キース(ジェレミー・ストロング)から、セレブばかりを集めて行う秘密の賭場の手伝いをしてくれと頼まれ、人生が大きく変わることになる。
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実話、ヒット本の映画化だが、日本ではPG12指定。アメリカのR指定は暴力表現だと思うが、日本の場合、これくらいの表現のG指定映画はたくさんあるはず。なぜこれがPG12指定なのか、違いがわからない。まあ子供が見る映画ではないと思うけれど。 強烈な映画であることは間違いない。実話だというのがショッキングだ。そしてラストは感動的。こういう話だったのか。前半を見ている限りは、ギャンブルそのものと、賭場を提供した敏腕女性の栄枯盛衰を描いたものだと思っていた。それだけではなかったのね。だから映画化したんだ。 ポーカーのルール自体はわかっても、ギャンブルとしての賭けポーカーがよくわからないので、途中から置いてきぼりに。嫌気がさして来る頃に、弁護士が正式に弁護を引き受けることになり、意外な事実をつかみ、急展開する。この辺からがスゴイ。 モリーは非常に難しい役だと思うが、ジェシカ・チャステインは情緒的ではなくクールに、とてもていねいに演じている感じ。「ゼロ・ダーク・サーティ」(Zero Dark Thirty・2012・米)と似たような難しい役。こういう役を演じられるのはジェシカ・チャステインならではないか。 同様に、弁護士を演じたイドリス・エルバも非常に良い感じ。どうもボクにはB級アクションの人というイメージが強いのだが、本作では全く違う。漂う雰囲気が、いかにも高級な弁護士。うまい。ひょっとすると、これまで演じた中で最もイイかも。「ダークタワー」(The Dark Tower・2017・米)と同じ人とは思えないほど。 さらに言えば、モリーの厳格な父を演じたケヴィン・コスナーもいい。殴ったり体罰を加えたりはしないが、冷たく怖い感じが見事。むしろ怒鳴られなじられるより怖い。それでいて、大学の心理学の教授らしい雰囲気も出している。 銃はロシア・マフィアの殺し屋らしき男が、S&WのシルバーのM59系ノバック・サイト付きを使う。 ラストにチャーチルの言葉が引用される。「成功とは、情熱を失わずに、失敗から失敗へと進んでいく能力である」うむむ。突き刺さるなあ。 公開5日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、前日にムビチケカードで確保。当日は12〜13分前に開場。平日のためか若い人が多い感じ。若から中年で、高齢者は少ない。最初12〜13人いて、女性は2人ほど。オバさん。そして最終的には184席に30人ほどの入りで、女性は6〜7人。平日はこんなものだろう。しかも毎月14日のTOHOの日(1,100円均一)の翌日だし。 マナーのあと暗くなって、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズになり、映画泥棒のあと本編へ。 またも4Dスクリーンの振動が伝わってくるスクリーンでの上映。いやな振動を感じて不快なことが数回。なんだかなあ……。 |